2009年12月31日木曜日

新・相手の身体能力を見極めて勝つ方法・2

相手が非力なタイプの場合・1

 選手には、自分から積極的にプレイを作っていく能動タイプの選手と、相手に合わせてプレイを行う受動タイプの選手がいる。一般的には力のある選手は能動タイプ、非力な選手は受動タイプのプレイを行う傾向にある。試合などで対戦した場合、相手がどちらのタイプの選手か考えて対応していくと、試合の主導権を握ることが可能。

2009年12月30日水曜日

新・相手の身体能力を見極めて勝つ方法・1

敵を知り、己を知り、地の利を知れば百戦危うからず

 相手の身体的特徴、それに伴うプレイの特徴を見極め、こういったタイプの相手にはこのような攻め方が有効だ、という実戦的な攻略法を考えることは、試合において重要である。また、自分がそのように攻められたときには、どういう対処の仕方や、身体的欠点を補う練習があるかという逆の立場からの考察もしておかなければならない。

2009年12月29日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・99

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・11

相手のタイプによる終盤での作戦の具体例
 最後に、観察したデータを元にした、終盤での戦い方の具体例を紹介する。ただし、これらはほんの一例であり、まだまだいろいろな戦い方がある。人に教わるのも必要だが、実践の中で自分たちが見つけていく姿勢も大切にすべきだ。以下に示した4項目は、左側が一般的に多く見られる相手の特徴で、右側がそれに対応した戦術である。
 1.バックのレシーブは引っ張るコースが多い・・・・・・どんどんポーチに出る
 2.前衛のサービスが苦手・・・・・・ファースト・サービスでもライジングで打つ
 3.クロスのレシーブが得意・・・・・・ゲーム・ポイントでポーチに出る
 4.バック・ハンドが苦手・・・・・・バック側にツイストし、浮いた球をたたく

2009年12月28日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・98

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・10

こちらに向かって必要以上に過剰にガッツ・ポーズをするかどうか(2)
その他
 相手が精神的追い込まれているのだから、こちらは余裕を持って試合を進めればよい。

2009年12月27日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・97

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・9

こちらに向かって必要以上に過剰にガッツ・ポーズをするかどうか(1)
観察するポイント
 1ポイントごとに、いちいち派手なガッツ・ポーズをしたり、こちらを威圧するような
ガッツ・ポーズをするのは、それによって必死に自分を支えているのであり、精神的にか
なり追い詰められている証拠である。だから少しショックを与えれば、ガタッと崩れる可
能性がある。同じガッツ・ポーズでも、ぐっと自分に向かってやるタイプは、精神的によ
い状態と言える。

2009年12月26日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・96

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・8

ポイントとポイントの間合い(2)
序盤では
 当然、比較のために序盤での相手の平常時の間合いを見て、覚えておかなければならない。

2009年12月25日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・95

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・7

ポイントとポイントの間合い(1)
観察するポイント
 序盤の頃の間合いと比べてどうなったかを見る。緊張してきたり浮き足立ってきたりした時は、どうしても間合いは短くなってくるものだから、ここでも相手の心理状態を知ることができる。

2009年12月24日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・94

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・6

パートナーのミスへの対応(4)
パートナーの分を自分がカバーしようとする
 最もやりにくい相手で、なかなか崩れないタイプ。攻め方としては、カバーしようとする方に無理をさせて、一人相撲を取らせるという手がある。カバーしようとする選手の方にわざと決めるのも効果がある。

2009年12月23日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・93

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・5

パートナーのミスへの対応(3)
やさしく「ドンマイ」と言うが内心はクサっている
 このタイプの見分け方は、パートナーを慰めた後の行動や、次のショットを見ればよい。ミスしたパートナーには優しく「ドンマイ」と言っても、内心はがっかりしている選手の本音は、その後の行動やショットに表れるので、そこをよく見ておく。元気がなかったり、下を向いたり、次のプレイが雑だったりしたら、相手ペアを精神的にもう一息で崩すチャンスと言える。

2009年12月22日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・92

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・4

パートナーのミスへの対応(2)
口先だけの「ドンマイ」で冷たい対応
 信頼関係がかなり崩れてきているので、ミスした方をさらに攻めて、やる気をなくさせる。

2009年12月21日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・91

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・3

パートナーのミスへの対応(1)
観察するポイント
 大詰めに近づいてきたところで、パートナーがミスしたときにどんな反応を示すのか見れば、相手ペアの精神的なつながりの太さや、信頼関係が分かってくる。それによって、崩れかけたペアなのか、まだまだ反撃してきそうなペアなのかも見えてくる。

2009年12月20日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・90

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・2

 また、終盤になってもきちんとした観察ができるかどうかは、自分が落ち着けているかどうかのバロメーターにもなる。そのためにも、よく観察する必要があると言えるだろう。
 兵法にある「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」と言うのは、ソフトテニスの試合にもそのまま当てはまる。観察能力を磨き、相手に対する冷静な目をそのまま自分自身に向ければ、己を知ることもうまくなってくるのである。

2009年12月19日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・89

終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)に観察する点・1

 終盤は、これまで観察によって集めてきたデータを元に、具体的な行動を起こしていく時間帯である。表1の流れのように、観察した結果を分析し、具体的な作戦として応用する。
 ただし、観察が全く必要ないわけではない。終盤では、相手が現在どんな精神状態にあるのかを見ることが大切になるのだ。相手が精神的に追い込まれているのか、まだまだ冷静なのかを知ることで、次の作戦の選択に役立てることができる。特に、相手が苦しいことが分かると、自分たちは逆に精神的に楽になるものなので、自分に対する心理的効果も大きい(ただし油断は禁物)。

2009年12月18日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・88

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・21

プレッシャーがかかると燃える選手・乗せてしまうと恐い相手への対処
 プレッシャーがかかるほど燃えて力を発揮したり、緊迫した局面での緊張感を楽しんでいるタイプ、あるいは精神的に乗せてしまうと手がつけられなくなるタイプは、メンタル面で非常に恐い相手だ。ミスは多くても強力な武器を持っている選手にこういうタイプが多いため、その武器でポイントを稼がせないように注意しなければならない。また、中盤からの早めの仕掛けで、相手が本領を発揮しないうちにリードしておくのが大切で、できるだけ淡々と試合を進め淡々と終わらせるようにする。万が一にも相手を乗せてしまったら崩すのは難しく、早い/遅い、高い/低い、遠い/近い、長い/短い等、正反対のボールを交互に組み合わせて、相手のリズムを崩していくしかない。

2009年12月17日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・87

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・20

ゲーム・ポイントでのプレイ選択(3)
120%のプレイをするタイプ
 普段よりも良いプレイをしてくるような相手は、精神的にも強く、乗せると恐いので要注意。ファイナルゲームなどに持ち込むと不利なので、早い段階から仕掛けてリードしておく。

2009年12月16日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・86

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・19

ゲーム・ポイントでのプレイ選択(2)
ミス待ちをするタイプ
 ポイントでこちらのミスを待つようなプレイをしてきたら、精神的にはあまり強くないと見て良い。このような相手には、最後まで自分たちのプレイをしっかりやることに集中すればよい。

2009年12月15日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・85

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・18

ゲーム・ポイントでのプレイ選択(1)
観察するポイント
 大事な場面での精神的な強さを見ることができる。

2009年12月14日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・84

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・17

ポーチを決められた次のレシーブのときの対処(5)
ストレート・アタック
 超強気か、超弱気。セオリーがあまり通用しない。終盤で同じ局面になったときは、フェイントを使ってストレートに誘うと良い。

2009年12月13日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・83

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・16

ポーチを決められた次のレシーブのときの対処(4)
しっかり打ったクロス・レシーブ
 大崩れしないタイプ。単純なポーチだけでは崩せないので、フェイントなど他の手段も使ってリズムを崩す。

2009年12月12日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・82

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・15

ポーチを決められた次のレシーブのときの対処(3)
入れに来たクロス・レシーブ
 これもポーチを嫌がって、弱気になっているタイプ。続けてポーチに出て成功すれば、崩すことができる。

2009年12月11日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・81

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・14

ポーチを決められた次のレシーブのときの対処(2)
ロビング
 ポーチされた精神的ショックが大きく、ビビッて逃げに入っている。このタイプなら、試合の終盤で同じ局面になったときにも、ロブを上げてくることが予想できる。

2009年12月10日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・80

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・13

ポーチを決められた次のレシーブのときの対処(1)
観察するポイント
 こちらがポーチを決めた後、決められた相手が次にどのようなレシーブをしてくるかで、その相手の心理状態を見ることができる。(次号)

2009年12月9日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・79

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・12

レシーブミスの次のポイントでのもう1人のレシーブの対処(3)
しっかりとレシーブを返球できる
 パートナーが簡単にレシーブ・ミスをした後でも、しっかりと良いレシーブを打てる相手は、メンタル面でも強く、2ポイント連取は楽ではない。何か違った仕掛け、たとえば
 (1) いつもより長く間を取る
 (2) プレイのリズムを変える
 (3) ボールのスピードを変える
などの方法で崩していく必要がある。

2009年12月8日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・78

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・11

レシーブミスの次のポイントでのもう1人のレシーブの対処(2)
簡単にレシーブ・ミスを続ける
 精神的にはあまり強くなく、プレイに波があるタイプのペアだと考えられる。このような相手は、精神的に乗せなければ、それほど恐くない。

2009年12月7日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・77

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・10

レシーブミスの次のポイントでのもう1人のレシーブの対処(1)
観察するポイント
 ソフトテニスの試合では、2ポイント連取するのが勝つために重要なことだが、それをしやすいかどうかを見る。

2009年12月6日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・76

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・9

急造ペアか、ベテラン・ペアか(2)
急造ペアの場合
 いわゆるセンター・セオリーで、2人の間にボールを集め、コンビネーションの乱れを誘う。
ベテラン・ペアの場合
 コンビネーションを発揮させないように、1人に集中的にボールを集める。そうすると、ボールを打てない方が、焦って乱れることがある。

2009年12月5日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・75

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・8

急造ペアか、ベテラン・ペアか(1)
観察するポイント
 特に団体戦では急造のペアも多いので、2人のコンビネーションや、お互いの理解度がどれだけ深いかを見る。見方は、
 (1) 2人のどちらでも取れる所にボールを集める。
 (2) 2人の会話から判断する
などがある。試合中に「こういう場面ではこうしよう」などと長々と打ち合わせをしているときは、コンビネーションがうまくいっていない場合が多い。また、打ち合わせの時間が短く、以心伝心でお互いのやろうとしていることが分かるペアは要注意。

2009年12月4日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・74

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・7

相手ペアの司令塔はどちらか(2)
短期決戦では
 相手の方が実力で勝っているときには、試合が長引くと不利なので、リーダーを崩して一気に勝負をつける。そのため、リーダーの方のサービスの時に勝負をかけたり、ポーチに出たりして、リーダーを重点的に攻める。また、もう1人の方にボールを集めておいてチャンス・ボールを作り、決め球をリーダーの方に打つというのも非常に効果が高い。
長期戦では
 リーダーではない方を、時間をかけてじわじわと崩す。

2009年12月3日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・73

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・6

相手ペアの司令塔はどちらか(1)
観察するポイント
 2人のレベル差がそれほどない相手でも、どちらか一方が試合の主導権を握っていることが多いので、それがどちらであるかを見極める。
 (1) 2人の会話の言葉づかい
 (2) 話しているときのリーダーシップ
 (3) 多彩な攻撃を仕掛けてくる方の選手
 (4) ミスをしたときの対応の仕方
以上のような観点がある。

2009年12月2日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・72

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・5

ポーチのフェイントへの対応・どこまで前衛の動きが見えているか(3)
見えている相手の場合
 フェイントにすかさず反応できる相手に対しては、それほど多くポーチに出ることはできない。出るとすれば、終盤にフェイントなしでいきなり出る。またはフェイントをかけて、自分の方に打たせる。

2009年12月1日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・71

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・4

ポーチのフェイントへの対応・どこまで前衛の動きが見えているか(2)
見えていない相手の場合
 フェイントにあまり反応できない相手の場合、ほとんどボールしか見えていないので、ポーチに出やすい。また、ポーチでのスタートのタイミングを早くできる。

2009年11月30日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・70

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・3

ポーチのフェイントへの対応・どこまで前衛の動きが見えているか(1)
観察するポイント
 フェイントへの対応の仕方によって、ボールを打つ直前までボールと相手の両方を見ていられるかどうか、というレシーバーの能力を試す。それによってポーチに出やすいかどうかが分かる。上級者ほどこの能力が高く、安易にポーチに出ると、それを察知してストレートに打たれてしまう。

2009年11月29日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・69

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・2

 観察するべき内容も、技術的なことから、徐々にコンビネーション的な要素や、メンタルな要素の方に移ってくる。また、序盤戦で見た技術的な情報を元に、どんな戦術が有効になるか、少しずつ試してみて、終盤での戦い方を決めるデータにするのも良い。
 もちろん中盤戦でも、相手にリードされている場合にはのんびりと観察する余裕はないので、相手の反応を見ながら、流れを自分たちの方に引き戻すために、戦い方を変えていかなくてはならない。

2009年11月28日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・68

中盤戦(どちらかが3ゲームを取るまで)に観察する点・1

 中盤は、変化への対応を見る時間ということで、序盤戦では相手に自由にやらせておいたのに対し、少しずつ小さな仕掛けを試みて、それにどんな反応を示すか観察するのが中心になる。駆け引きの要素も入ってくるので、序盤戦での観察よりも難しくなるが、ここでよく見ることができるかどうかが、勝敗にもかなり影響してくる。
 また、そうした駆け引きの部分は、難しさもあるが、最も面白い部分でもある。このあたりを楽しめるようになってくれば、観察力もかなり向上してくるだろう。

2009年11月27日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・67

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・15

あがり性、緊張しやすいタイプかどうか(2)
攻め方
 緊張しやすいタイプだと分かれば、序盤戦から緩いボールを送ったりして、テンポをつかませない。ミスをしたらすかさず同じボールを打たせる。

2009年11月26日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・66

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・14

あがり性、緊張しやすいタイプかどうか(1)
観察するポイント
 序盤でも分かるメンタル面の観察ポイント。プレイが固い、口数が少ない、ボールが手につかない、動きがせわしなくあわただしい、などの要素が見られたら、あがり性タイプと見て良い。そういうタイプなら、接戦に持ち込むと自滅してくれることがあるので、形勢が不利でも、なんとか最悪でもファイナルゲームを目指した試合運びをする。

2009年11月25日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・65

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・13

ストレート攻撃をしてくるペアかどうか(2)
1.してこない
 攻撃バリエーションが少なく、短い距離・速い展開の攻めが得意ではない。
2.攻撃はある
 注意して押さえなければならないコースが増える
3.守りを考えたうえで攻撃してくる
 ボールを打たない方の選手が、ストレート攻撃が一発で決まらなかった場合の返球コースをふさぎに動く。かなり高度なコンビネーションを持った手強いペアといえる。こういう相手には不用意にサイド寄りのボールを送るとストレートを攻められるので、なるべくセンターにボールを集める。

2009年11月24日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・64

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・12

ストレート攻撃をしてくるペアかどうか(1)
観察するポイントと対処
 ソフトテニスではストレート攻撃は非常に重要なものであり、それがうまい相手かどうかで、戦い方も変わってくる。だから、ストレートを攻撃してくるかどうかは、序盤戦でチェックしておきたい。ストレート攻撃の仕方については、次の3つのタイプが考えられる。

2009年11月23日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・63

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・11

前衛には遅くても深いボールを送る
 前衛は、遅いボールをストロークで強打するのが苦手な人が多い。したがって、緩いボールでも深くさえあれば、攻撃される危険は少ないし、相手が力んでミスをしてくれればラッキーだ。そのため、自分のボールに切れがなくても十分に戦える。逆に速いボールを送った方が、うまく面を合わせられて、かえって攻撃的なボールを打たれることも多い。

2009年11月22日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・62

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・10

後衛には低いボールを打たせる
 後衛は、ロー・ボレーやハーフ・ボレーでラケット・ヘッドが下がりやすい傾向があり、甘い返球が来やすい。相手が後ろにいるときも、低くて浅いボールで前に出させてしまえばよい。

2009年11月21日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・61

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・9

ボールの通り道を覚えておく(2)
ポーチのポイント
 ポーチでは、確認しておいたボールの通り道に向かって迷わず自動的に出ていく。ただし、フォアかバックか決めつけて、初めからどちらかに構えながら出ると、ほんの少しでも逆をつかれた時に対応できなくなるので、どちらでも打てる構えで出ていくのが大切。

2009年11月20日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・60

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・8

ボールの通り道を覚えておく(1)
観察するポイント
 勝負どころでポーチに出るときのデータとするために大切。フェイントなどをかけずに、相手に自由に返球させて、ボールがネットを通過する時にどのあたりを通るか確認しておく(スピードやタイミング、コース、高さ、球種など)。

2009年11月19日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・59

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・7

相手にとってのチャンス・ボールの時のボールを打たない選手の動き
観察するポイント
 序盤で相手にチャンス・ボールを与えてしまったときは、一度は拾うのをほぼあきらめて、ボールを打たない方の選手の動きを見ておくと良い。ボールを打たない方の選手が、もし返球された場合に備えて、最適なポジションに動こうとするようなペアは、かなり試合経験が豊富と見るべきで、厳しい返球が要求される。逆に、ボーッとパートナーが決めるのを見ているようなら、返しておけばなんとかなる可能性もある。

2009年11月18日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・58

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・6

レシーバーがサービスを待っているときのスタンス(3)
攻め方
 ポイントを積み重ねるためには、常識的には苦手なサイドを攻める。だが勝負どころでは、得意な方を攻めるという手もある。一般的に「得意なツボの近くには穴がある」とよく言われるが、急に得意な方で打たせると、慢心によるミスや、力みを誘うことができる。また、フォアのレシーブが得意でフォアに回り込みたがっている相手には、ときどきフォア側に遠いサーブを打つと効果的である。

2009年11月17日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・57

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・5

レシーバーがサービスを待っているときのスタンス(2)
誰が観察するか
 サーバーはサーブに集中しているため、そこまで見る余裕はない。これを見るのはパートナーの役目で、それをサーバーに教えてあげなくてはならない。

2009年11月16日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・56

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・4

レシーバーがサービスを待っているときのスタンス(1)
観察するポイント
 フォアのスタンスかバックのスタンスか、どちらで構えているかで、バックが苦手かどうかある程度わかる。人によって異なるが、相手のレベルが高い場合はフォアとバックのどちらでも対応できるスタンスで構え、レベルが低い場合はフォアの構えで待つ傾向がある。また、攻撃的な性格の選手は得意な方で構え、守備的な性格の選手は苦手な方で構えるという傾向もある。

2009年11月15日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・55

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・3

サーバーの立つ位置、サービスのトスの位置
観察するポイント
 立つ位置によって、センターを攻めようとしているか、サイドに追い出そうとしているか、ある程度わかる。特に最初のサービス・ゲームで1本目の時に立った位置をよく覚えておく。それが、その選手の標準的な位置と考えられるからだ。
 トスの位置からは、球種の特徴を知ることができる。一般的に、いつも頭の後ろにトスが上がる選手はリバース系のサーブが中心になるし、身体の左側に上がる選手はフラット系あるいはスライス系と考えられる。また、トスの位置が安定しない選手はサーブの安定性も悪い。

2009年11月14日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・54

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・2

 しかし、大舞台での経験が少ない選手は、試合が始まると自分自身の余裕がなくなってしまい、観察どころではないという状況に陥るときもあるだろう。だが、観察しようとすることで、逆に落ちつきを取り戻すことができる場合もある。試合慣れしていない人が舞い上がってしまうときは、余計なことを考えていたり、意味のない不安を抱えていたりすることが多いので、観察に意識を傾ければ、かえって雑念が消え、集中できることが多いわけだ。試合が始まったら、あまり自分自身のことは考えない方がよい。

2009年11月13日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・53

序盤戦(最初の2ゲーム)に観察する点・1

 先に説明したように、データ収集の時間帯である序盤戦で見ておくべきことは非常に多い。この時点では、やはり技術的な要素が中心になるが、コンビネーションやメンタル面も少しずつ見ていくことになる。
 また、試合が始まって、緊張感が高まったり精神的なプレッシャーがかかってきた時に、ウォーミング・アップの時と同じように打てるかどうかというのも、ひとつの観察ポイントと言える。あるいは、試合が始まるとウォーミング・アップの時よりも本気でサーブを打ってくるようになる選手もいるので、試合前に見ていた部分を継続して見る必要もある。

2009年11月12日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・52

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(17)

サービス・3

 膝は、トスを上げるとともに曲げていくのが普通だが、ときどきトスを上げる動作につられて伸び上がってしまう選手がいる。そういうクセのある選手は、タメが利かないので、サーブに威力がなく安定性にも欠けると思って良いだろう。

2009年11月11日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・51

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(16)

サービス・2

 サービスでは、先に説明したように、のびのびと滑らかに振り切れているかどうかというのが、やはり重要な見るべきポイントとなる。サービスは精神的な影響を非常に受けやすいショットなので、スウィングに無理や不安のある人ほど、緊張感が高まってきたときに振り切れなくなってくる。そうすると、威力が落ちるだけでなく、回転のかかりも悪くなり、ますます崩れていきやすいわけである。また、打点が十分に高くとれているかどうか、無駄な動きや無理な動作がないかどうかという点も良く見ておくべきだ。

2009年11月10日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・50

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(15)

サービス・1

トスと一緒に膝も伸び上がる・・・・・・ネットしやすい
打点が低い・・・・・・ネットしやすい
グリップが薄すぎる・・・・・・ネット(当たりがかすれやすい)
グリップが厚すぎる・・・・・・オーバー(回転がかかりにくい)
びびって置きにきたスピン・サーブ・・・・・・オーバーしやすい
テイクバックからフォロースルーの小さいスウィング・・・・・・打ち頃のボールが来やすい

2009年11月9日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・49

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(14)

スマッシュ・3

 深いロブでもないのに打点が頭の後ろになるクセのある選手は、ボールを押さえ込むことができずにバック・アウトする確率が高い。スマッシュできないほどの厳しいロブを打たなくても、少し下がりながら打たせるようなロブさえ上げれば、それほど恐くはない。また、手首の使い方が極端な選手は、スウィングが小さくなりやすく、引っかけてネット・ミスしやすい。ときにはわざと浅めのロブを上げてみると、ミスを誘える可能性もある。

2009年11月8日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・48

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(13)

スマッシュ・2

 スマッシュの技術で最も大切な見るべきポイントは、きちんと落下点に入れているかどうかということだ。厳しいロブでもないのに、打点が頭の後ろになっていたり、腰が引けていたり、打点が低くなったりしているのは、打点をきちんと把握できずタイミングも正確につかめていない証拠である。上から来るボールに対する距離感というのは個人差が大きいので、この能力が優れているかどうかでスマッシュが好きか嫌いか分かれてくる。また、正面を向いたまま下がったり打ったりするのも、自信のなさのあらわれと言える。

2009年11月7日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・47

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(12)

スマッシュ・1

正面を向いて打つ・・・・・・クロスにしか飛ばない
打点が頭の後ろになっている・・・・・・バック・アウトしやすい
足が止まって腰が引ける・・・・・・ネット・ミスしやすい
リストを使いすぎる・・・・・・ネット・ミスしやすい
腕の回内ができない・・・・・・威力がない
フォロースルーと一緒に左手が身体の左側に流れる・・・・・・威力のあるボールが打てない

2009年11月6日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・46

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(11)

ボレー・2

 ボレーでまず見るのは、ボール・スピードの変化への対応(フットワーク)や、ボールと身体との距離感だが、それ以外にも見ておくべき点をここに示した。中でも大切なのに見落としがちなのが、レディ・ポジション(待球位置)である。1球打つたびにきちんとレディ・ポジションに戻れているかどうか、どんなボールにも反応できるようなリラックスした構え方ができているかどうかを、よく見ておかなければならない。また、肩や腕の筋肉に緊張が見られる場合、力が入っている証拠と言える。

2009年11月5日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・45

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(10)

ボレー・1

スタンスの狭いボレー・・・・・・ネット・ミスしやすい
テイクバックが大きい・・・・・・バック・アウトしやすい
ラケット・ヘッドが下がる・・・・・・ネット・ミスしやすい
ラケットをフォア側に構えてボールを待つ・・・・・・バック・ボレーに自信がない
構えているときから力んでいる・・・・・・スウィート・スポットを外しやすい

2009年11月4日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・44

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(9)

グラウンド・ストローク・7

 先に説明したように、グラウンド・ストロークがうまいかどうかは、まず最後まで振り抜いているかどうかで判断できる。そして次に大切なポイントは打点である。打点の取り方が打つたびにバラバラだと、ボールとの距離感が悪く、ミスが多いと予想できる。また、打点が後ろだったり、身体に近かったりすると、上で示したようなクセが出やすい。テイクバックが小さい選手は、自分からは強打しにくいが、ライジング打ちはうまく、コントロールも良いので、速いボールで攻めるよりも遅いボールで揺さぶる方が効果的だ。また、ここで言うテイクバックの高さとは、上から引くか下から引くかということではなく、フォワード・スウィング開始時の高さのことである。

2009年11月3日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・43

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(8)

グラウンド・ストローク・6

打点が身体に近い・・・・・・サイド・アウト(逆クロス方向)しやすい
 初級者・中級者の中には、いつも打点が身体に近くなっている選手もいる。そういう選手はサイド・スピンがかかって逆クロスに切れるミスが多い傾向がある。また、スウィング自体が、きちんとインサイド・アウトになっているかどうか、巻き込むようなスウィングや、腹切りスウィングになっていないかどうかという点もチェックする

2009年11月2日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・42

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(7)

グラウンド・ストローク・5

脇が開いてボールを巻き込むようなスウィング・・・・・・ネット・ミスしやすい

2009年11月1日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・41

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(6)

グラウンド・ストローク・4

テイクバックで面が上を向いている・・・・・・アウトのミスをしやすい
 テイクバックで面が上を向いている選手は、インパクトでの面も上向きになりやすく、アウト・ミスをしやすい傾向がある。

2009年10月31日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・40

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(5)

グラウンド・ストローク・3

踏み込んだ脚の膝が伸びている・・・・・・ネット・ミスをしやすい
 踏み込んだ脚の膝が伸びていると、重心が高くなり、下から上のスウィングができにくいので、ネット・ミスをしやすい。膝が柔らかく使えているかどうか、きちんと身体を回転させて打てているかどうかというのも、よく見ておきたい点だ。

2009年10月30日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・39

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(4)

グラウンド・ストローク・2

テイクバックが小さい・・・・・・強いボールが打てない(但しコントロールは良い)
テイクバックが高い・・・・・・流し打ち気味のボールが多い
テイクバックが低い・・・・・・引っ張るボールが多い

2009年10月29日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・38

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(3)

グラウンド・ストローク・1

打点が後ろ気味・・・・・・クロスが弱い
 フォアでもバックでも、打点が後ろ気味の選手は、クロス打ちが苦手な場合が多い。試合中に一度クロス方向を空けてみて、それでもクロスに打ってこないようなら、その後は思い切りストレートに的を絞って良いだろう。

2009年10月28日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・37

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(2)

 どのショットにも共通して大切なのは、いつも打点にきちんと入れているかどうか、つまりボールと身体の距離感がしっかりしているかどうかを見ることである。見落とされがちな要素だが、この能力によって試合でのミスの数が大きく違ってくるので、よく見ておかなければならない。
 初めは細かい所まで観察する余裕はないだろうが、ちょっとしたクセをひとつでも発見し、試合の終盤になってもそれを忘れずに戦略に生かせるようになったら、かなり自分の観察力が上がったと考えて良いだろう。

2009年10月27日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・36

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向(1)

 ウォーミング・アップから序盤戦にかけて、相手の基本技術をよく見ておけば、どのようなミスをしやすいか、どこを攻めればショットが乱れるかを知ることができ、中盤以降の戦いをかなり有利に進められる。そのために、ここではショット別に選手の技術的な特徴やクセと、そこから発生しやすい弱点やミスの傾向を、具体的にまとめてみた。

2009年10月26日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・35

ウォーミング・アップの間に観察する点(13)

スマッシュ(2)・その他の観察するポイント
 スマッシュが好きかどうかは、必ず見ておく。ウォーム・アップで自信なさそうに打っていたり、打点や当たりが安定していない選手は、苦しくなったらロブでかわせる可能性が高い。

2009年10月25日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・34

ウォーミング・アップの間に観察する点(12)

スマッシュ(1)・得意コースはどこか
 最初(1球目)に打ったボールのコースと球種を覚えておく。スマッシュは、苦手な選手が多いショットだから、最初は得意なボールから打ってきやすい。つまり、ゲームで大事な場面になるほど最初に打ったコースに来る可能性が高いので、そのコースを覚えていればいちかばちか大胆に動くことができる。もしそれが成功したら、相手に与えるダメージは非常に大きい。

2009年10月24日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・33

ウォーミング・アップの間に観察する点(11)

サービス(3)・その他
 何種類のサーブを持っているか見ておく。回転のかけ具合をきちんと調節できるか、左右にワイドに打ち分けることができるかどうかもチェックしておきたい。

2009年10月23日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・32

ウォーミング・アップの間に観察する点(10)

サービス(2)・観察するポイント
 上級者の強力なサーブを意識して膝を極端に深く曲げたり、ボールの回転を意識してトスがかなり頭の後ろに上がっていたりして、無理なスウィングになっている選手が意外に多いが、そういう選手のサーブは終盤で崩れやすい。むしろスピードはそれほどなくても、滑らかに振り切るスウィングをしている選手の方が要注意だ。

2009年10月22日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・31

ウォーミング・アップの間に観察する点(9)

サービス(1)・滑らかなスウィングができているかどうか
 スピードや回転よりも、まずスウィングが滑らかかどうかを見る。無理のない滑らかなスウィングで安定して振り切れている選手は、サーブが崩れる可能性は低い。だが、ボールは速くても動きに無理がある相手は、長続きしないと見て良い。

2009年10月21日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・30

ウォーミング・アップの間に観察する点(8)

ボレー(3)・その他
 ボールと身体との距離感を見る。高い・低い・遠い・近いと、どんなボールに対しても、顔とラケットの間隔があまり変わらずに打てる選手は、動きも良く、ミスが少ないと考えるべきだ。ボールに切れがあるかどうかよりも、そうしたことの方が、試合では重要になる。

2009年10月20日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・29

ウォーミング・アップの間に観察する点(7)

ボレー(2)・遅いボールに対するフットワークを観察する
 遅いボールに対しても、よく足が動いて打てる選手は、チャンスボールはしっかり前に詰めて決められるし、スピードの変化による揺さぶりにも強いので要注意。逆にフットワークがボールのスピードによって変わる人は、リズムを変えるとミスを誘いやすい。

2009年10月19日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・28

ウォーミング・アップの間に観察する点(6)

ボレー(1)・ボール・スピードの変化に対応できるかどうか
 速いボールと遅いボールを混ぜながら打たせる。そして速いボールに対する反応や面の作り方、遅いボールに対するフットワークを見る。どんなスピードに対しても同じように足が動いて打つ選手は、ボレーがうまいと見るべきだ。

2009年10月18日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・27

ウォーミング・アップの間に観察する点(5)

グラウンド・ストローク(3)その他
 いろいろな打ち方をさせてみる。トップ打ちが得意かどうか。短いボールもうまく処理できるかどうか。ボールのスピードの変化にも対応できるかどうか。また、ストロークがうまいかどうかは、つねに最後まで振り切れているかどうかを見る。

2009年10月17日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・26

ウォーミング・アップの間に観察する点(4)

グラウンド・ストローク(2)最後まで振り切っているかどうか
 グラウンドストロークがうまいかどうかを知るには、つねに最後まできちんと振り抜きながら、安定したボールが打てているかどうかを見る。ボールの威力はあまり問題ではない。いつも振り切って打てる選手は、打点も安定していて、揺さぶりにも強く、大事な場面でも自信を持って打ってくるので要注意。

2009年10月16日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・25

ウォーミング・アップの間に観察する点(3)

グラウンド・ストローク(フォアとバックのどちらが得意か観察するポイント)観察するポイント
 ある程度ウォーミング・アップができたら、相手の身体の正面にボールを集める。そうすると、バックが苦手な選手はフォアに回り込む傾向が出るので、バックが得意そうかどうか見ておく。それによってゲームでの攻め方を考える

2009年10月15日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・24

ウォーミング・アップの間に観察する点(2)

 その時に注意しなければならないのは、あまり相手が打ったボールに気を取られないということだ。ボールに威力があっても、ミスを誘うことさえできれば恐くはないので、そのこと自体で「やばい」と感じる必要はない。あくまで相手の動きやスウィングを冷静に見て判断したほうが、正確にクセや弱点を見抜くことができるはずだ。
 さらに細かい技術的な観察ポイントについては、後ほど述べる。

2009年10月14日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・23

ウォーミング・アップの間に観察する点(1)

 ウォーミング・アップの時には、メンタル面やコンビネーションを観察することはあまりできないが、相手の基本技術はかなり観察することができる。したがって、ここでは観察のポイントを技術に絞り、相手のクセを見抜くことを意識するべきだろう。

2009年10月13日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・22

より良い観察のためのコツ・3

失敗した次や、ゲームの節目の行動をよく見る
 流れが変わりやすい場面では、その人の地の部分、本音の部分が出やすいので、それを見逃さない

2009年10月12日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・21

より良い観察のためのコツ・2

ちょっとした違いを見逃さない
 少しでも「えっ」と思ったこと、「へーっ」と思ったことを忘れないように心がけていれば、すぐには役に立たなくても、他のこととの比較で新たな発見をすることもあり、観察力も自然に向上していく

2009年10月11日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・20

より良い観察のためのコツ・1

始めは相手に自由にプレイさせる
 好きなようにプレイをさせることで、相手の手の内をすべて出させてしまえば、後で作戦が立てやすい
●終盤までに相手の手の内をすべて出させてしまう
 序盤では、こちらからどんどん仕掛けるというよりも、相手に好きなようにプレイさせ、手の内をすべて出させて、じっくりと観察するように心がける。そうすれば、終盤では自分たちのほうが有効な戦略を用意でき、かなり有利な戦いになる。

2009年10月10日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・19

時間の流れとともに、見えるもの・見なければならないものが変わる(2)

 おおまかに言って、ウォーミング・アップから序盤戦はデータ収集の時間、中盤は変化への対応を見る時間、終盤は作戦実行の時間、と分けられるが、相手によっては、または試合の流れによっては、もっと早く終盤の対応をしなければならないこともある。観察のポイントとしては、技術的な側面、コンビネーション的な側面、メンタル的な側面があるが、どの面を重点的にみるかということも、この時間帯によって変わってくる。特に序盤戦までは、自分の調子のことばかり考えず、相手の観察に意識を注ぐべきだろう。

2009年10月9日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・18

時間の流れとともに、見えるもの・見なければならないものが変わる(1)

 ここからは、さっそく良い観察のための具体的なポイントやコツを紹介していこう。
 まず、理解してほしいのは、時間帯によって、見えるもの、そして見ておくべきものが変わるということ。それは大きく分けると、次のようになる。
  1.ウォーミング・アップ(コートサイドの練習、試合前の乱打)
  2.序盤戦(第2ゲーム終了まで)
  3.中盤戦(どちらかが3ゲーム取るまで)
  4.終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)

2009年10月8日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・17

5.応用

 原理を知って、それをさまざまな場面に利用する姿勢を持つ。「それなら、こうすればいい」「こうすれば、こうなるはずだ」
 それによっていろいろな場面で使える知識となる

具体的な作戦を立てる
 「相手がこうきたら、こうしよう」「あの場所をこのように攻めてみよう」

2009年10月7日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・16

4.原理・原則

 分析や工夫から大まかな原理を知る。「そうだったのか」「こういう理由があったのか」と気づく、判断する

違うことにも当てはめてみる
 「ここでも言える」「あれの原理と似ている」「あれとは対照的だ」

2009年10月6日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・15

3.分析

 収集した情報を分析する。「どうして」「なぜそんな打ち方になるのか」

仕組みを探る
 発展させたり、変形したり、工夫と試行錯誤をしながら「こういうことかな?」「こうかもしれないぞ」と考える

2009年10月5日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・14

2.比較

 自分の知っていることと比較し、共通点や相違点を探す。「ここが同じ」「ここが違う」「あの人のクセと似ている」など、いろいろな観点から情報を吟味する

2009年10月4日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・13

1.観察(2)・観察における態度はどうあるべきか

×悪い=能動的(自分を出す)
 先入観を持って見る、決めつける、自分の知っている枠組みにムリヤリ当てはめる
○良い=受動的(自分を出さない)
 自分の枠にはめないで、心を広くして、ありのままを見る

2009年10月3日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・12

1.観察(1)

 情報を収集する。「あれっ」「おやおや」「変わったクセがあるぞ」と思うこと、未知のこと、あるいは今まで観たものに似ていることなどに出会う
 さらに、逆のことを試してみる、確認してみる

2009年10月2日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・11

表1

 試合の中で観察した知識・経験を元に作戦を立てるまでの過程は、以下のようになる。まず最初にしっかりとした「観察」によって情報収集ができてこそ、比較・分析によって原理を解明し、作戦を立てることが可能になる。逆にこのプロセスさえ身につければ、誰にも教わらなくても、自分なりの勝ち方・戦略を身につけることができるようになる。

2009年10月1日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・10

観察と余裕と集中力の微妙な関係・3

 一番もったいないのは、まだ技術的に未熟だから、練習不足だからといって、また、何回やっても負けるからといって、試合を、特に強い相手との試合を敬遠してしまうことだ。
 そのような考え方だと、いつまでたっても納得のいく試合ができるようにはならないし、試合を楽しめるようにもならない。繰り返すが、試合をしながら、楽しみながら強くなるという姿勢を大切にするべきだ。

2009年9月30日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・9

観察と余裕と集中力の微妙な関係・2

 また、もうひとつ重要なのは、「余裕がないから観察できない」のではないということだ。逆に「観察することで余裕も生まれてくる」という面もある。観察と余裕は、そのように相互に影響を及ぼす関係なのである。
 集中力も同様で、集中していなければよい観察はできないが、しっかりと観察しようという姿勢があると、逆に集中力も高まる。よく観察しようとすることで、余計なことを考えず、試合の世界に入り込むことができるわけだ。そうして集中力が高まれば、当然のように余裕も生まれてくる。

2009年9月29日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・8

観察と余裕と集中力の微妙な関係・1

 ここまで読んで、「試合中に相手のことを観察する余裕なんてない」とか「技術が足りなくて作戦を立てる余裕がない」と感じる人もいるだろう。たしかに最初から、相手のフットワークの細かいクセまで見ることは不可能だし、そこに弱点を発見したからといって、即座にそこを攻撃できるというものではないだろう。
 しかし、観察にも初級から上級までレベルがあり、初級の人には初級の人なりの見方、その人の技術レベルなりの攻め方があるわけだ。だから無理せずできることから始めていけばよい。

2009年9月28日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・7

すべては「観察」から始まる・2

 また、初めての相手と戦うときは、お互いに相手のクセも知らず、対等な立場である。ソフトテニスには、野球での満塁ホームランのようなショットがなく、1ポイント1ポイントの積み重ねしかないので、自分の出す一手がどれだけ相手よりも優位な一手になっていくかということが問題になる。だから、自分の持っている技術を効果的に出し、同じ1球をより有効に使えるようにするためには、観察によってどれだけ有効な情報を得るかということにかかってくる。
 だから、観察力が足りなければ、それだけ勝ち方を覚えるのも遅くなるのだ。以下には、こうした考え方から、「観察」上手になるための具体的なノウハウを述べていく。

2009年9月27日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・6

すべては「観察」から始まる・1

 このような姿勢で試合に臨み、勝ち方を学ぼうとするとき、まず最初にやるべきこととして大切なのが「観察」という行為である。対戦相手を観察するだけでなく、自分のパートナーや自分自身、そして周りの環境など、試合に関係するあらゆるものを五感を使って観察するのだ。そして観察によって得たデータや新たな発見から、表1で説明しているような過程で作戦の立て方を考え、勝ち方を覚えていくのである。

2009年9月26日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・5

「価値観」次第で楽しみながら強くなれる・2

 こうした過程の積み重ねで、楽しみながら自然に「勝ち方」をいくつも覚えてくる。気がつくと自分はいつの間にか試合に強くなっていて、ますますソフトテニスが楽しくなる。
 そういう良循環ができるのだ。不思議に試合に強いという人の秘密は、まさにここにある。練習や試合での「価値観」をどこにおくか。もっと試合に強くなりたいと思っている人は、その点をもう一度振り返ってみてほしい。

2009年9月25日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・4

「価値観」次第で楽しみながら強くなれる・1

 たしかに技術が上達するとうれしいし、打ちやすいボールを送ってくれる相手とテンポ良く打ち合うのも楽しい。しかし、それだけで満足してしまい、試合の中での戦術や駆け引きを楽しむ余裕をなくしてしまってはいないだろうか。人間相手のゲームとしてのソフトテニスを楽しむ心の余裕があれば、さらにソフトテニスの世界は広がり、成熟した楽しみ方ができるようになるはずだ。
 そうなると、当然ながら試合をするのがとても楽しくなってくる。そして、次の作戦を考えたり、相手の弱点を探したりすることが楽しくなってくる。勝負に負けても、そこから何かを学ぶことができる。また、「あ、こうすれば強い人からもポイントが取れるのか」といった新しい発見をし、それが大きな楽しみにもなる。

2009年9月24日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・3

君は本当にソフトテニスを楽しめているか・2

 それは、誰かに教わったのではなく、ほとんどが自分の経験の中で、考え、試行錯誤しながら身につけたものだと言っていいだろう。彼らは、勝つためにはどうすれば良いか考え、工夫する。そうしたことを楽しみながらやっているのだ。
 これを読んでいる君は、今一度自分のソフトテニスの楽しみ方を分析してほしい。無意識のうちに、美しいフォームや威力のあるボールを身につけることばかり考えてはいないだろうか。試合でも「次はどう打ったら良いボールが返るか」ということを考えてはいないだろうか。もしそうだとしたら、君はソフトテニスの楽しみのごく一部しか味わっていないことになる。

2009年9月23日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・2

君は本当にソフトテニスを楽しめているか・1

 一緒に練習していると、技術的には自分と大きな差がないように感じるのに、試合をすると、なぜかいつも完敗してしまう。そういう相手が、君の身の回りにもいるのではないだろうか。もし君のソフトテニス歴が浅かったら、その人の存在はとても不思議に感じられるはずだ。
 そうした実戦に強い人たちと、そうでない人たちとの違いはどこにあるのだろうか。それは単純に言えば、試合に強い人は、勝ち方を他の人よりもよく知っているということに尽きる。問題なのは、彼らがどうやって勝ち方を覚えたかである。

2009年9月22日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・1

 一見、技術的なレベルでは自分と変わらないように見えるのに、なぜか試合になると断然強いという人がいる。その秘密を理解するためには、まず相手を観察することから始めなければならない。なぜ「観察」すると試合に強くなれるのか、そして相手のどこを観察すれば効果的な戦略を立られるのか、試合に強くなるための観察力の向上法を徹底的に解説する。

2009年9月21日月曜日

新・トーナメントで勝つために・20

あれもこれもと欲張るより、自信のあるプレーをまずひとつ持つこと

 どんなレベルでも、試合で勝つためにもうひとつ大事なのは、「絶対自信のあるプレー」を身につけることだ。どのプレーも平均的に上手な選手より、得意なプレーを磨いた選手の方が試合には強い。練習ではできても試合になるとできないプレーでは、自信があるプレーとは言えない。試合の苦しい場面で頼るプレーこそが、自信のあるプレーだ。レベルが上がってくれば、当然それだけでは勝てなくなるので、そこまで達したら次のプレーを考えればよい。繰り返すが、大事なのはプレーの平均値を上げるのではなく、最高値を上げることだ。

2009年9月20日日曜日

新・トーナメントで勝つために・19

強くなるためには、自分より強い選手とペアを組むこと

 最も手っ取り早く強くなる方法は、自分よりも確実に強い選手と組んで試合に出ることだ。今まで自分が2回戦止まりだとしたら、強い選手と組むことで3回戦・4回戦を経験することができる。ワンステップ上がったところの試合は、きっと今まで知っている試合とは違うはずだ。それが分かれば自分に何が足りないかも分かり、普段の練習でもはっきりとした目標を持てるようになる。

2009年9月19日土曜日

新・トーナメントで勝つために・18

強くなるためには、自分より強い選手とペアを組むこと

 どんなスポーツでも同じだが、強くなるためのコツは、常に自分より上のレベルの選手と戦うことである。強い相手と戦って初めて、上のレベルのスピードやコースが分かってくる。「エッ、こんなところに打ってくるの?」という経験を積めば積むほど、試合運びは上達するものだ。俗に言う「目が慣れる」「場慣れする」というのも、これと同じことである。

2009年9月18日金曜日

新・トーナメントで勝つために・17

強くなるためには、強い相手と数多く試合すること

 どんなスポーツでも同じだが、強くなるためのコツは、常に自分より上のレベルの選手と戦うことである。強い相手と戦って初めて、上のレベルのスピードやコースが分かってくる。「エッ、こんなところに打ってくるの?」という経験を積めば積むほど、試合運びは上達するものだ。俗に言う「目が慣れる」「場慣れする」というのも、これと同じことである。

2009年9月17日木曜日

新・トーナメントで勝つために・16

チームワークを良くするためには、誰が取るのかの確認をしっかりすること

 一般的なセオリーとは別に、そのペア独特のセオリーがあるはずだ。前衛のスマッシュが苦手なペアであれば、しっかりとネットに詰めたポジションを取って、ロビングは無理をせず後衛に任せる。その代わり打ち合いの展開になれば、積極的に狙っていく。ペアのいいところを引き出すためには、こうした2人だけの決めごとも大切である。

2009年9月16日水曜日

新・トーナメントで勝つために・15

ボレーが決まらないときには、手より足を前へ動かすこと

 試合になると、やけにネットから離れて立っている前衛を見かける。これはそれだけで「僕はスマッシュを追うのが苦手です」と教えているようなもの。もちろんポジションがネットから遠いので、ボレーも決まらない。ボレーが決まらないとき、多くの場合は、ネットから遠いのに足を前へ動かさないからだ。いかにネットに近いところでボレーできるかが、ボレー成功の鍵。まず足を前へ動かし、それから手を動かすようにする。ラケットの動きだけでボールをコントロールしようとするのは禁物。

2009年9月15日火曜日

新・トーナメントで勝つために・14

スマッシュが決まらないときには、2本打って決まらなかったらもう決まらないと思うこと

 スマッシュを2本打って決まらなかったら、3本目はミスが多くなる。2本打って決まらないと3本目はかなり力むし、相手のロブもだんだん良くなってくる。そのようなときには3本目はハイボレーにしてリズムを変えてみるとか、センターに上がって後衛でも打てそうなときには「頼む」と声をかけポジションを外してしまうのも良い。これはスマッシュに限らず、チャンスボールを決めようとする状況では同じことが言える。

2009年9月14日月曜日

新・トーナメントで勝つために・13

大事なポイントでは、今までと違ったボールを打つこと

 たとえば2オールの2-2で、今まで打っていなかったストレートに思い切りレシーブを打てる選手は、試合で強い選手である。こうした大事な場面では「今まで成功してきたことをやろう」と考える人と、「今までと違ったことをやろう」と考える人の2通りあるが、後者の方が強い。もちろん性格的なこともあるが、ここ1本というとき今までと違った方向に打つには、相当な技術も必要。大事な場面でのスペシャルショットも、普段から練習しておくべきだ。

2009年9月13日日曜日

新・トーナメントで勝つために・12

試合が競ったときには、次の1本のことだけを考えてプレーすること

 試合が競ってくると、いろんなことを考えがちだ。精神的には「勝ちたい、負けたくない」と思うほど力んでくるし、また「相手の苦手なところを攻めよう」として無理なプレーに走ってしまうこともある。そんな競った状況で楽にプレーする秘訣は、「次の1本」のことだけを考えることだ。プレッシャーがかかるような状況では特に、あれこれ考えず、たとえば「レシーブはセンターを狙う」と決めたら、それだけを頭に置いてプレーするとよい。

2009年9月12日土曜日

新・トーナメントで勝つために・11

格下の相手に取りこぼさないためには、自分たちのミスを減らすこと

 自分たちよりレベルが下の相手と当たったときには、いろんな勝ち方があるが、最も取りこぼしが少ないのは、「自分たちのミスを減らす」勝ち方だ。レベルに差があるときにはすべての局面で平均値が上なのだから、無理をしないで1本余計につないでいけば、局面での差はさらに大きくなる。無理すれば1本で決まるところでも、もう1本つないで確実に決めるようにした方が、取りこぼしは少ない。

2009年9月11日金曜日

新・トーナメントで勝つために・10

レベルが近ければ、相手の得意球を狙うこと

 少しレベルが上の話になるが、一進一退の攻防となったら、相手の弱いところだけを攻めるのではなく、相手の得意なところで勝負するのもひとつの作戦だ。相手が得意なプレーや作戦を止めることが出来れば、一気に流れが来るものである。相手とのレベル差がある場合には違う戦い方があるが、レベルが近いときには「ここ一発」という勝負の場所が必ずある。それを自分たちのものにするのが、試合に勝つひとつのコツと言える。そのためにも、最初の2ゲームの戦い方は重要だ。

2009年9月10日木曜日

新・トーナメントで勝つために・9

レベルが近ければ、得意なプレーを徹底すること

 強い相手と当たった場合にも言えるが、レベルが近い相手と当たったときにも、自分たちの得意なプレーを徹底した方が、勝つ確率が高い。余裕があるときなら「様子を見て」という戦い方もできるが、相手が実力者の場合、様子を見ている時間はない。最初の1ポイント目から「これが僕の球だ」と打っていければ、もう8割は勝ち試合。これは初めて対戦する相手の時にも使える。

2009年9月9日水曜日

新・トーナメントで勝つために・8

もっと強い相手と当たったときは、普段通り自分のプレーをすること

 自分たちより明らかに強い相手と当たったとき、変に意識して自滅する選手も多い。「どうせ負ける」のなら、普段通り自分たちのプレーをやってみる方が、その後につながる。強い相手とやった方が精神的に楽だし、ラリーもいつもより続くので自分がうまくなったような気がするものだ。大事なのは、「相手が強いから」と意識せず、自分たちのプレーを崩さないこと。それでどこまで通用するか体感しよう。

2009年9月8日火曜日

新・トーナメントで勝つために・7

強い相手と当たったときには、より攻撃的なプレーを目指すこと

 ソフトテニスの試合は短いので、攻撃的に戦った方が有利である。一般的に、試合は強い相手のペースで進む。これは自分たちのプレーが徹底しやすいからである。そしていったん相手のペースにはまると、なかなか修正できない。「負けてもともと」と開き直って、自分たちのもっとも得意とするプレーでぶつかっていった方が、むしろいい結果がでるものだ。

2009年9月7日月曜日

新・トーナメントで勝つために・6

強い相手と当たったときは、トスに勝ったらレシーブを選択すること

 自分より強い相手に対して、いきなり4ゲーム連取することは考えにくい。いくら善戦しても、取ったり取られたりの試合になってくる。強い選手はたいていサーブも得意なので、リードを許した状況でサーブを打たせると、思い切ってエースを狙われたりして不利である。調子に乗る前に相手のサービスゲームを終わらせた方が、自分のペースで試合を組み立てやすい。

2009年9月6日日曜日

新・トーナメントで勝つために・5

大きく崩れないためには、お互いの調子を冷静に見る目を持つこと

 どんな試合でも「流れ」というものがある。この「流れ」をつかめるかどうかで、試合が決まってしまうことも多い。ペアの2人とも調子がいいというときは少なく、たいてい、どちらかがいいときはもう1人は悪いものだ。このような調子のアップ&ダウンを、冷静に見極める目を持つことが出来れば、一方的に崩れるということは少ない。相手に「流れ」が行っているときは、それまでの展開を捨てて、例えばずっとロビングを上げるなど、全く違うプレーをすることも、時には大切。

2009年9月5日土曜日

新・トーナメントで勝つために・4

序盤で大切なのは、相手の決めたコースを覚えておくこと

 序盤に相手のチャンスボールでポイントを失ったとき、相手がどのように攻めてきたかを覚えておくことが大事だ。たとえばポーチで決められたとき、スマッシュで決められたとき、相手はチャンスボールなら自分が得意なコースへ決めてくるはず。この「得意」としているコースを覚えておけば、中盤や終盤でそのコースだけをカバーし、相手に苦手な方へ打たせてミスさせたり、場合によっては後で述べるように「得意なコースを止める」ことも可能になる。

2009年9月4日金曜日

新・トーナメントで勝つために・3

どんな相手と当たっても、最初の2ゲームを必死になること

 高校の大会はほとんど7ゲームマッチ。瞬発力の勝負である。そこで大事なのが最初の2ゲーム。最初の2ゲームで1-1に、そして2-2に持っていけば、もう相手とのレベルの差なんて関係なくなる。だからとにかく最初の2ゲームを頑張ることが大切。また、負けたとしても、1-1から1-3になった場合と、0-2から1-3になった場合では、相手の本気度が違う。当然、相手を本気にさせた1-1からの敗戦の方が、後につながるはずだ。

2009年9月3日木曜日

新・トーナメントで勝つために・2

ドローを見たときに、名前負けしないこと

 勝てるだけの実力はあるはずなのに、「名前負け」してしまう選手がよくいる。相手がシードだとか相手の実績とかは、試合前は気にしないことが一番。「どうせトーナメントなんて一発勝負、やってみなければ分からない」と思えば、有名選手相手でも勝つチャンスが生まれる。

2009年9月2日水曜日

新・トーナメントで勝つために・1

 技術を向上させることも重要な要素だが、試合で勝つためには戦術・戦略・使えるテクニック等も重要になってくる。ここであげるのはそのための「キーワード」集である。試合の時に思い出してほしい。

2009年9月1日火曜日

新・フットワークのトレーニング・24

補足

 ここまでで、ひととおりのフットワーク・ドリルは終了である。最後に補足として、各ダッシュでのスタートの仕方のバリエーションに触れておこう。座った状態や、うつ伏せに寝た状態、仰向けに寝た状態など、いろいろな姿勢からスタートしてみるのも、なかなか効果的な方法である。身体を起こす際に、腕や腹筋、背筋なども使うことになるため、フットワークのドリルに、付加価値的な要素も加わる。それぞれのドリルの効果を高めるために、試してみると良い。

2009年8月31日月曜日

新・フットワークのトレーニング・23

パターンC・試合の1カ月~4日前までに行うメニュー・5
(毎日この中から1つか2つをピックアップして行う)

⑤.ボール・キャッチ(20球×3~5セット)
 これは2人組で行うドリル。まず球出し役が、選手のどちらかにワンバウンドするボールを送り、選手はそれを追っていってキャッチする。すぐさま球出し役は反対のサイドにボールを送り、選手はターンしてそのボールを追って、キャッチするというドリル。連続して20球ほどやったら、1セットが終了。1~2分の休憩を挟んで、これを3~5セット行う。なお球出し役は、選手が慣れてきたら単調に両サイドに出すのではなく、フェイントで逆を突いたり、ボールの長短を変えたりして、アクセントをつけると良い。

2009年8月30日日曜日

新・フットワークのトレーニング・22

パターンC・試合の1カ月~4日前までに行うメニュー・4
(毎日この中から1つか2つをピックアップして行う)

④.ライン・ダッシュ&スプリット・ステップ(片サイド3セット、計6セット)
 これもコートのラインを利用したドリルで、今度はラインに沿って各種のダッシュを行う。まずベースラインとサイドラインの交差点からスタートし、サイドラインに沿ってネットまでダッシュ。ネットにタッチしたら、今度は後ろ向きのダッシュで、サービスラインまで下がる。そこでスプリット・ステップし、次はサービスラインに沿ってセンターまでサイドステップで移動。そしてセンターライン沿いにネットまでダッシュする。ネット・タッチ後、後ろ向きのダッシュで再びサービスラインまで下がり、スプリット・ステップ。サービスライン沿いに、サイドステップでサイドラインまで移動し、またネットまでダッシュする。そしてネットタッチしたら、後ろ向きのダッシュでベースラインまで下がり、ゴールという手順。複雑に思うかもしれないが、前への移動はダッシュ、後ろへの移動は後ろ向きのダッシュ、横への移動はサイドステップで、常に身体はネットに向いている、と考えると覚えやすい。これが終わったら、1~2分の休憩後、今度は逆方向から同じ要領で行う。休憩を挟みながら片サイド3セットずつ、計6セット行ったら、すべて終了。これは非常にポピュラーなドリルで、バリエーションも自在に変えられる。たとえば後ろ向きのダッシュをサイドステップにしたり、サイドステップをクロスステップにしたりと、いろいろ応用が利く。

2009年8月29日土曜日

新・フットワークのトレーニング・21

パターンC・試合の1カ月~4日前までに行うメニュー・3
(毎日この中から1つか2つをピックアップして行う)

③.ライン・タッチ(5セット)
 これはパターンBの⑦のドリルを、テニス・コートのラインを使って行うバージョンである。サイドラインからスタートし、まず手前のサービスサードラインまでダッシュ。スタート地点まで戻って、次はセンターラインまで、その次は反対側のサービスサイドラインまで、最後は反対側のサイドラインまでというように、1本ずつ先のラインまで伸ばしていく。各ラインでは、その都度しゃがんで、片手もしくは両手でラインをタッチするように。これも1~2分の休憩を挟んで、5セット行う。ここではコート1面で行っているが、疲れがないときならば、2面を使って行っても良い。また、ダッシュばかりでなく、サイドステップで行っても効果的だ。

2009年8月28日金曜日

新・フットワークのトレーニング・20

パターンC・試合の1カ月~4日前までに行うメニュー・2
(毎日この中から1つか2つをピックアップして行う)

②.ボール運び(ボール5~6個×5セット)
 ラケットを両サイドライン付近に置いておき、片方のラケット面にボールを5~6個置いておく。反対側からスタートし、ダッシュでボールを1個ずつ運ぶというドリル。途中でボールがラケット面からこぼれたらやり直し。ボールを全部運んだら1セットが終了する。これも1~2分の休憩を挟んで、5セット行う。2~3人で競争して行うのも良い。このドリルは、ただ走るだけではなく、しゃがんで起き上がるという動作も加わるので、足腰のトレーニングにもなる。基本的にはV字ダッシュと似た性質のトレーニングだが、遊びの要素も入っているので、選手が練習に飽きているときに用いると効果的。

2009年8月27日木曜日

新・フットワークのトレーニング・19

パターンC・試合の1カ月~4日前までに行うメニュー・1
(毎日この中から1つか2つをピックアップして行う)

①.V字ダッシュ(V字往復5回×5セット)
 その名前の通り、V字を描くようにダッシュするドリル。センターマークからスタートし、まず片方のネットの端までダッシュする。そしてネットにタッチしたら、今度は後ろ向きのダッシュでセンターマークまで戻り、続いて逆サイドも同じように行う。これでV字を1回往復したことになる。連続して5回往復したら、1セットが終了。1セットの所要時間はだいたい60~75秒。1~2分の休憩を挟んで、これを5セット行い、ドリルは終了。試合前の仕上げとして用いると良い。ハムストリング(大腿の裏側の筋肉)を鍛えるのに有効なトレーニングで、女子選手には特に必要なトレーニング。ラケットを持って走るとなお良い。

2009年8月26日水曜日

新・フットワークのトレーニング・18

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・9

⑨.Gボールを使ったドリル
 最後はコーンを使わず、Gボールを使ったドリル。コーチがコートの中央に立ち、選手はサービスラインの中央からスタート。ネットの方向に走って行く。選手がネット付近まで来たら、コーチはGボールをサービスラインぐらいにバウンドするように空中に投げる。選手はターンしてGボールを追い、バウンド後のGボールをキャッチする。これをひとり5セットずつ行い、フットワーク・ドリルはすべて終了。ドリルの終盤は、このような遊びの要素の多いメニューを組むようにし、集中力が途切れないようにする。

2009年8月25日火曜日

新・フットワークのトレーニング・17

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・8

⑧.ボール・スクランブル
 これはやや遊びの要素を取り入れたメニューで、4人でテニスボールを奪い合うというドリル。正方形を作るようにコーンを4つセットし、中央にボールを12個置く。5人いるうちの4人が参加し、それぞれ4つのコーンの位置につく。そのコーンの周囲を自分の陣地として、そこから中央のボールに向かって、4人同時にスタート。ボールをひとつずつ自分の陣地に運び、先に4個ボールを集めた者が勝ちとなる。ただしボールは12個しかないので、通常4個集める前に中央のボールはなくなってしまう。そのため、他人の陣地からボールを持ってきてもOK。その代わり他人のボールを取ったときは、必ず中央を経由してから自分の陣地に運ばなければいけないというルールだ。要するに、他人が4個集めるのを阻止しながら、自分が4個先に集めるという、駆け引きの要素を持ったゲーム。ボールを運びながら終始他人の収集状況を見ておき、それにとっさに反応しなければならないので、単に脚力を鍛えるだけでなく、状況判断能力も養えるというトレーニングである。こうして、勝った者は次は抜けて、待っていた者が入る。そのローテーションで10セットほど行う。

2009年8月24日月曜日

新・フットワークのトレーニング・16

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・7

⑦.ダッシュ&ストップ、およびサイドステップ&ストップ
 再開後は、まずダッシュとストップを組み合わせたメニューから入る。一番手前のコーンからスタートし、まずひとつ前のコーンまでダッシュ。そこでストップして素早く向きを変え、再びダッシュでスタート地点まで戻る。戻ったらまたターンし、今度はもうひとつ先のコーンまでダッシュ。またターンしてスタート地点まで戻る。この繰り返しで、ひとつずつコーンを先に伸ばしていき、ゴールまで行く。これを2~3人競争して行い、ダッシュ、ストップ、ターンのスピードを養う。足のスライドをうまく使って、素早く方向転換することが大切。これが終わったら、今度は同じ要領で、行きはサイドステップ、帰りはダッシュというようにバリエーションを変えて、もう1本行う。

2009年8月23日日曜日

新・フットワークのトレーニング・15

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・6

⑥.ダッシュと後ろ向きダッシュのコンビネーション
 今度は、ダッシュと後ろ向きダッシュに、コーン・タッチとジャンプを組み込んだコンビネーション・メニュー。一番手前のコーンからスタートし、斜め前のコーンまで前向きでダッシュ。そこで両手でコーンをタッチする。そして次のコーンまでは、後ろ向きでダッシュ。着いたらその場でジャンプする。その繰り返しで、コーンを伝ってジグザグに進んでいく。これは筋力強化ではなく、動きを良くするトレーニングなので、タッチとジャンプはしっかり行う。このドリルも2本行う。ここまで終わったら、かなり疲れているはずなので、少し休憩を入れる。水分を補給して、2~3分後に再開。

2009年8月22日土曜日

新・フットワークのトレーニング・14

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・5

⑤.ダッシュ&サイドステップ(パターン2)
 これもダッシュとサイドステップを組み合わせたドリルだが、今度はコース取りが異なっている。スタートしてまず前方のコーンまでダッシュで移動したら、次は斜め後ろのコーンにサイドステップで移動する。またダッシュで直進して、サイドステップで斜め後ろに戻る。これの繰り返しである。④のドリルと比べると走る距離がかなり長くなるので、ハードなドリルだが、やはり素早く、小刻みに足を動かすことが大切。このドリルも2本行う。

2009年8月21日金曜日

新・フットワークのトレーニング・13

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・4

④.ダッシュ&サイドステップ(パターン1)
 今度は、ダッシュとサイドステップをミックスしたドリル。スタートしたら、前方のコーンまでダッシュで移動し、次に斜め前のコーンへサイドステップで移動する。後は交互にその繰り返しである。「直進はダッシュ、ラインを還るときはサイドステップ」と覚えると良いだろう。サイドステップは、なるべく小刻みに行うように心がける。なおこのドリルは2本行う。

2009年8月20日木曜日

新・フットワークのトレーニング・12

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・3

③.サイドステップ(コーン・タッチ)
 これはサイドステップの別のバリエーション。要領は②と同じだが、②よりももう少し早くサイドステップで移動し、ターンの時にコーンを片手でタッチする。これだと、一度しゃがんで起きあがるという動作が加わるので、足腰のトレーニングにもなる。②よりもトレーニング要素がひとつ増えたというパターン。

2009年8月19日水曜日

新・フットワークのトレーニング・11

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・2

②.サイドステップ
 ①の要領でサイドステップを行うドリル。ただし今度はコーンの外側を回るのではなく、コーンの内側を移動する。コーンを1個ずつ伝って、ジグザグにサイドステップで進んでいく。コーンからコーンの間は、サイドステップ2歩で移動。クレーコートで行う場合は、ターンで足をスライドさせてしっかり止まるようにする。

2009年8月18日火曜日

新・フットワークのトレーニング・10

パターンB・試合の1~2カ月前に行うメニュー・1

①.ダッシュ
 コーンの置き方は、コート2面ほどの長さに、片側8本ずつ、互い違いにして2列に並べる。コーンの縦の間隔はだいたい歩いて4歩ぐらい、横幅は3歩ぐらい。その日の疲れ具合によってコーンの数は減らしても良い。なお、このコーンの置き方は、この後のメニューにも共通である。最初のメニューは、まず基本的なダッシュのドリルから始める。1番手前のコーンからスタートし、コーンを1本ずつ外側から回り、ジグザグにダッシュする。適当な間隔を空けて次の選手がスタートし、手順良く行う。ターンでは小刻みなフットワークを心がけるのがポイント。大回りしないように注意して行う。

2009年8月17日月曜日

新・フットワークのトレーニング・9

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・8

⑩.スパイダー・ドリル
 コート上に横に並べられたコーンにそれぞれ意味を持たせ、指示に従って選手は動き回るドリル。真ん中の2つのコーンがそれぞれフォアとバックのロー・ボレー、遠い2つがフォアとバックのストローク、そして頭上への指示がジャンピング・スマッシュとなっている。コートには2人同時に入り、指示に従って振り回されるが、こうすることによって選手のトータル的な反応スピード、筋力の強さを2人比較して見る。

2009年8月16日日曜日

新・フットワークのトレーニング・8

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・7

⑨.両足同時のサイドジャンプ
 同じドリルを今度は両足ジャンプで行う。足が疲れてくるとラインまでちゃんと飛べなくなってくるが、声をかけて最後まで頑張らせる。休まず、連続して行うことによって脚力は強さを増すからだ。

2009年8月15日土曜日

新・フットワークのトレーニング・7

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・ 6

⑧.片足ずつのサイドジャンプ
 サービスサイドラインに立ち、右足で蹴って、左足でサイドラインに着地。今度は、その左足で蹴って、右足でサービスサイドラインに着地するという動作を連続して行うトレーニング。このときにもベースラインから初めてネットまでというように、徐々に前進しながら行うのがポイント。

2009年8月14日金曜日

新・フットワークのトレーニング・6

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・5

⑥.オープンスタンス・スウィング・ドリル(フォア)
 サービスサイドラインをまたいで立ち、右への一歩の踏み込みでサイドラインを踏むようにしながらオープンスタンスで連続してフォアのスウィングを行う。このドリルでは、同じ所でステップとスウィングを繰り返すのではなく、ネット付近からベースラインまで徐々に前進していくことがポイントとなる。現在では頻繁に行われるオープンスタンスでのショットにおけるステップを身につける練習。

⑦.オープンスタンス・スウィング・ドリル(バック)

2009年8月13日木曜日

新・フットワークのトレーニング・5

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・4

⑤.サイドステップ&スウィング
 両サービスサイドラインの内側に1メートル間隔でコーンを置き、左右にサイドステップで動きながらフォア、バックのスウィングを行う。激しく左右に振られたときにもバランスを保つためのトレーニング。連続して横に振られたときでも正確にサイドステップを踏めるように1メートル間隔でコーンを置いてある。2人同時に始めると、徐々に2人の差が現れてくるので、それで選手の能力を計ることもできる。

2009年8月12日水曜日

新・フットワークのトレーニング・4

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・3

④.サーブ、スマッシュ&ボレー
 ベースラインからサーブの素振りをし、すばやくボレー・ポジションまで詰めてファースト・ボレー、さらにネット近くまで詰めたところでロブが上がったと想定しジャンピング・スマッシュする連続ドリル。テニスでの前後の動きをすべて取り入れたメニュー。

2009年8月11日火曜日

新・フットワークのトレーニング・3

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・2

③.ミラー(シャドウ)・ドリル
 3メートルほどの距離にコーンをおき、2人が向かい合わせに立ってフェイクを入れながら左右に動き、相手を振りきった方が勝ちというトレーニング。交互に主導権を握りながら行う。このトレーニングでは、左右へのすばやい対応とステップの切り替え、それに伴う反射神経を鍛えることができる。

2009年8月10日月曜日

新・フットワークのトレーニング・2

パターンA・試合の2カ月以上前に行うメニュー・1

①.ウォーミング・アップ

②.ペッパー・ドリル
 2人が1組になり、ひとりが手でボールを投げ、もうひとりはそのボールをラケットで打ち返すというトレーニングを交互に行う。ノー・バウンドで返球するバージョンとワン・バウンドで返球するバージョンがあるが、投げる方はどちらも相手がやっと届くところにボールを出すのがポイント。このトレーニングは反応の速さ、大腿部の筋力強化に有効である。

2009年8月9日日曜日

新・フットワークのトレーニング・1

 このトレーニング・メニューは、パット・エッチェンベリー氏の考案したものである。彼はチリ生まれの元陸上オリンピック代表選手で、引退後はフットワーク・トレーナーとして、東京オリンピック100メートルの金メダリスト、ヘインズのフットワーク・ドリルを担当した。テニスの世界に入ってからは、ボルグのフットワーク・トレーナーを経て、現在はサンプラス、クーリエ、ブルゲラ、メドベデフといった世界トップ10の内4人のフットワークを担当している。

2009年8月8日土曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・18

まとめ

 正しい栄養は、よいプレイに欠かせないものである。選手の食事は、炭水化物を多く、タンパク質は普通に、脂肪は少なくすること。選手は砂糖や精白小麦粉を避けること。試合の日の水分補給はとても大切である。試合中は少量の水をたびたび飲むこと。試合の前後に最適の食事は、炭水化物を多くとること。

2009年8月7日金曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・17

試合後の食事・2

 選手は力を出し尽くした試合の後、空腹のため手近の食物を何でも詰め込むことが多い。そしてしばしば、砂糖が多く含まれた食品を摂取してしまう。砂糖は身体の物質代謝や調節機構を妨げるため、この習慣はとても害である。後日、選手は筋肉が重く感じ、ボーッとするとともにイライラして怒りっぽくなる。正しくバランスのとれた食事をすると、試合の翌日を気分よく過ごせるのだ。
 この習慣を避けるために、アメリカのある大学のバスケットボール部監督は、激しい試合の後の選手の食事を細かくチェックするという。試合直後、選手に果汁、果物、パン、サンドウィッチなどを更衣室で食べさせることによって食欲をそぎ、選手が外に出て砂糖の多い食物を詰め込まないようにするそうだ。

2009年8月6日木曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・16

試合前の食事・1

 勝負の前にはビーフステーキやトンカツを食べる(テキにカツ)、という一昔前の考えはもはや正しくない。タンパク質は消化に時間がかかるし、肉は消化管に入る前に何時間も胃にもたれることがあるからだ。試合前には、ご飯、麺類、パン、果物、野菜などに含まれる炭水化物と十分な量の水が最適である。これをカーボローディングという。脂肪も消化されにくいが、長時間の運動には必要である。乳製品は、試合前には摂取してはいけない。なぜならカルシウムは、エネルギー消費に欠かせないマグネシウムの働きを妨げるからである。

2009年8月5日水曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・15

添加ジュース

 運動前や運動中に飲むのに最適の飲料は何か、という議論は何回も行われてきた。添加ジュースにはさまざまな量のミネラルが含まれているが、その量は牛乳や果汁に含まれているミネラルの量よりはるかに少ない。また、多量の砂糖が含まれている点にも留意すべきである。牛乳は運動の直前直後には飲んではいけない。おそらく最適の飲料は、水3と果汁1の割合で混ぜたものであろう。

2009年8月4日火曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・14

精白小麦粉

 精白小麦粉は、小麦に含まれている重要な栄養素の多くを失っている。小麦やその他の穀物パンが、白パンよりも栄養に富んでいる。

2009年8月3日月曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・13

砂糖の有害な影響

-長年にわたる砂糖の消費により、グルコースのような通常の物質を使用する細胞の働きを衰退させる。
-砂糖は、にきびやその他の肌の障害に関係がある。
-ガンや白血病および痛風は、砂糖の多量の摂取に関連がある。
-砂糖の消化にはビタミンBが必要なので、その欠乏が起こる。

2009年8月2日日曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・12

砂糖・2

 砂糖は、反応性低血糖と呼ばれる状態を引き起こす。すなわち血糖値が急上昇し、エネルギーの高揚感をもたらす。そして身体のバランスシステムが急速に反応して、インシュリンを血流に送り込み、これが意気消沈や集中力の低下をともなう破壊的な影響をまねく。食欲は血糖値によってコントロールされており、この破壊的影響により激しい空腹感を覚える。そしてこの空腹感がさらに多くの砂糖によって満たされると、より大きな破壊的影響が出る。悪循環に陥るのだ。
 食欲は、果物や野菜のような複合炭水化物を摂取し、精製された砂糖を摂取しないことで最も正しくコントロールされる。

2009年8月1日土曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・11

砂糖・1

 精製された砂糖の及ぼす有害な影響は大きなものである。200年前、平均的日本人は年に2キロしか砂糖を摂取しなかった。現代人は、年に60キロ、すなわち週に1.2キロも摂取する。砂糖は、多くの加工食品に含まれているので、食品のパッケージの成分表をよく読むこと。

2009年7月31日金曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・10

有害な食品

 有害な食品は、砂糖・精白小麦粉・添加ジュースのことである。これからその3つを述べる。

2009年7月30日木曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・9

不消化物質

 いまや結腸ガンは、先進国で2番目に多い種類のガンである。医者や栄養学者の多くが、肉や脂肪の多すぎる食事、食物繊維の欠乏した食事、多くの食品に含まれている防腐剤のせいであるといっている。

2009年7月29日水曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・8

水分

 水分は身体のすべての働きに重要であり、身体の約60%は水である。水分によって細胞が働き、水は血液の成分となり、身体の冷却系、リンパ系、神経系に重要な役目を果たしている。
 水は、ほとんどすべての食品に含まれているが、もちろん最良の摂取方法は液体を飲むことである。水にはエネルギーはないが、すべてのエネルギー代謝の基本となっている。
 最近の研究により次のことがわかった。選手に一切の水分を与えずに単調なトレーニングを疲労こんぱいするまで行わせると、その持久力は約1時間である。そして同じ選手に、トレーニングの途中に2回飲みたいだけの水を飲ませると、その持久力は2倍になる。さらに同じ選手にトレーニングの途中に何回も少量の水を与えると、その持久力は元の4倍になる。テニス選手への教訓は、早朝に水を飲み、試合中はのどが乾く前に少量の水を飲むとよいということである。

2009年7月28日火曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・7

ミネラル

 ビタミンと同様、ミネラルは身体の正常な働きには欠かせないものである。ホルモンや酵素の生成にかかわり、骨やその他の部分を形成する。
 カルシウム、マグネシウム、リン、イオウ、塩化ナトリウムおよびカリウムが多量に必要である。そのほか少量必要なものは、鉄分、セレン、マンガン、フッ化物、銅、モリブデン、亜鉛、クロム、コバルトおよびヨードである。

2009年7月27日月曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・6

ビタミン

 ビタミンは、身体の働きと代謝を助ける。細胞の働きには欠かせないものであり、選手の身体が正しく機能するのに重要である。
 ビタミンA、D、EおよびKは脂肪に溶ける。これらは脂肪の中に蓄えられるので、毎日摂取する必要はない。脂肪に溶けるビタミンを取りすぎると、機能低下や消化不良を起こす。
 ビタミンBおよびCは水に溶ける。身体に蓄えられることなく、変換され、余分は尿に混じって排出される。体内のB複合ビタミンのレベルが低くなると、筋肉疲労、けいれん、集中力の欠如を引き起こす。
 制限されたダイエット食では選手に必要なビタミンのすべてを供給できないので、すべての食品群を含んだ、栄養バランスのとれた食事をすることが望ましい。

2009年7月26日日曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・5

タンパク質

 組織の修復や成長がタンパク質の基本的な役割であり、タンパク質は選手の食事で最も重要な要素である。さらにタンパク質は、体内で炭水化物と脂肪が使い果たされた後のエネルギー源として使われる。しかしタンパク質をエネルギーに変えるのはとても難しく、このためタンパク質は、試合がない日とか試合の後に取るのが望ましい。
 タンパク質は、1グラムにつき4キロカロリーである。肉類、魚、鳥肉、乳製品、卵、豆類、小麦麦芽、もやしなどが、タンパク質のよい供給源である。

2009年7月25日土曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・4

脂肪

 脂肪は1グラムにつき9キロカロリーで、より長期のエネルギー源になる。身体は、炭水化物を使い果たした後のエネルギー源として、脂肪を使う。また、保温や身体諸器官の詰め物として使われる。
 脂肪は、炭水化物よりずっと消化しにくいので、食物中に脂肪が含まれすぎていると健康上の問題となる。脂肪は多くの食物中に含まれている。糖分を取らない選手は、エネルギー変換のおかげで炭水化物を脂肪に代えてもあまり問題はない。脂肪の供給源は、バター、油、ピーナッツ類および肉類である。

2009年7月24日金曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・3

炭水化物

 はちみつを含むすべての精製された砂糖は炭水化物である。炭水化物はたやすくグルコース(血糖)に、つまり人体の主要エネルギーに変換され消費される。炭水化物のおかげで、選手は機敏で力強くエネルギッシュであるように感じるし、炭水化物は血糖値を正しく保つ手助けをする。しかし糖分を取りすぎると、頭がフラフラしたり、疲れやすくなったり、集中力が欠けたりする。
 炭水化物は1グラムにつき4キロカロリーになる。炭水化物の最もよい供給源は、果物、野菜、麺類、パン、およびご飯を含む穀物食品である。炭水化物は人体ですばやく吸収され、エネルギーに変換されやすい。

2009年7月23日木曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・2

食品群について

 食物は7つの基礎物質でできている。炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラル、水分、不消化物質である。この各々が、身体に栄養を与える独特の働きをしているのである。選手は、試合中の身体的、精神的、感情的な緊張状態において、各々が自分の身体にどのような影響を与えるのかを理解することが大切である。

2009年7月22日水曜日

新・正しい栄養で練習を助ける・1

 申し分なく運動するには正しい食事が欠かせないが、自分たちの食習慣や食事の必要性について考えている選手は少ない。以下の栄養ガイドラインは、運動選手なら理解し、従うべきものである。

2009年7月21日火曜日

新・競技に合わせ「適時適食」・5

持久力に欠かせぬ水分・中性脂肪分解

 一方、マラソンではレース中も酸素が供給されるので、体内の中性脂肪を分解してエネルギー源にしている。レース中は「なるべく糖は取らない」選手が多いそうだ。
 もちろん、レースが始まってしばらくはグリコーゲンの「貯金」を使うが、やがて血糖値が下がり、脂肪が分解、酸化され始める。もし吸水時に糖を補給すれば、いつまでたっても脂肪分解の指令は出ないし、そのうち糖も尽きてしまう。
 かといって、暑いアトランタで水を補給しないと、脱水症状を起こしかねない。
 「取る水が少ないと、血液の濃度が濃くなり過ぎ、酸素を運んだり体温を下げたりする効果が止まって、エネルギーを発揮するどころではない」と、日本オリンピック委員会(JOC)フィットネスコーチの高岡郁夫・順天堂大助教授。マラソンでは、糖より水が欠かせないと言う。

2009年7月20日月曜日

新・競技に合わせ「適時適食」・4

瞬発力には炭水化物・時計にらんで・2

 試合中に糖を取るときは、ゆっくり吸収できる方がいい。選手がよく口にするバナナは、糖がオレンジやメロン、リンゴの倍ほどもあり、腸で徐々に分解されながら、30分から1時間ほどかけて吸収される。
 柔道選手の栄養管理を続けている明治製菓スポーツ&ニュートリション・ラボの杉浦克己所長は「試合まで2・3時間あればおにぎり。1時間を切るようだとバナナ。ほんのわずかな時間しかないときは、ブドウ糖を入れた水を飲んだりしています」と話す。
 午前中に予選、勝てば午後に準決勝や決勝といった日程になるので、おにぎりかバナナか、時計とにらめっこで考えるそうだ。

2009年7月19日日曜日

新・競技に合わせ「適時適食」・3

瞬発力には炭水化物・時計にらんで・1

 グリコーゲンの「貯金」を取り崩しながら頑張っているのだが、運動を始めるとやがて「貯金」を使い果たす。そこで直接、糖を含む水や果物を取ることになるのだが、この取り方が難しい。
 横浜国立大の金子佳代子助教授(食品栄養学)は「糖を一気に取ると血糖値が急に上がり、すい臓からインシュリンが分泌され、糖を蓄える作用が働く。血糖値が上がり、糖が十分供給されなくなるので、力が発揮できなくなる」と説明する。

2009年7月18日土曜日

新・競技に合わせ「適時適食」・2

瞬発力には炭水化物・ご飯かパスタ

 「海外でご飯を食べられないときは、試合前にパスタを食べるよう、ジュニアの頃から教えてきました」と、伊達選手のコーチを務めた日本テニス協会の蝶間林利男・横浜国立大教授は言う。
 多くの競技では、伊達選手のように試合の数日前からご飯やパスタなどの炭水化物を取る。激しい動きで酸素が十分供給されない場合、エネルギーは糖から得るのが普通だからだ。
 炭水化物は体内でブドウ糖に分解された後、多糖類のグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられる。選手は、このグリコーゲンを再びブドウ糖に分解、エネルギー源としているが、その反応は酸素が無くても進む。

2009年7月17日金曜日

新・競技に合わせ「適時適食」・1

 ウィンブルドン選手権で活躍した伊達公子選手は、試合が近づくと、ご飯やパスタをたくさん食べた。アトランタ五輪で日本選手団の旗手を務めた田村亮子選手ら、柔道のメンバーも、競技の合間におにぎりやバナナを口にしたという。一流の選手は、食べ物ばかりか、水分の取り方にも独自の工夫をしている。瞬発力を求められる競技では十分な炭水化物、持久力が大事なレースでは水をうまく補給することが、試合を制するカギを握っている。

2009年7月16日木曜日

新・応急処置と簡単な治療について・14

鼻血

 ボールが当たって鼻血が出たのなら、5~10分、優しく圧力を加えれば、ほとんどの場合は止まる。氷で冷やすのもたいへん効果がある。もしラケット等が当たって、鼻が腫れていたり、ゆがんでいたりするときは、救急病院へ行ってレントゲンを撮り、骨折していないか調べてもらうこと。

2009年7月15日水曜日

新・応急処置と簡単な治療について・13

まめ

 手足のまめは、過度の湿気、暑さ、摩擦、そして圧力が原因となって生じる。治療よりも予防が大切。
 まず最初に、自分に合った道具を使うこと(サイズの合った靴やラケットを選ぶ)。第2に、ラケットや靴に接触する皮膚は、常に乾燥させるようにする。そして最後に、まめのできやすい圧力のかかる場所に、皮膚が強くなるまでの間、ばんそうこうやテープをはっておく。
 まめができても、つぶしてはいけない。その下の皮膚はとても過敏になっているからである。その場合はバンドエイドを2・3日貼っておくとよい。大きいまめができたら、医者に頼んで中の水を出して消毒してもらう。もし、まめがつぶれてしまったら、すり傷と同様にきれいに洗い、消毒用軟膏をつけて包帯を巻いておく。

2009年7月14日火曜日

新・応急処置と簡単な治療について・12

虫刺され

 虫に刺されるのを予防するには、虫が好むようなオーデコロンなど、または鮮やかな色彩の衣服を避けること。虫に刺されてしまったら、赤く腫れあがったところを氷で冷やし、かゆみは塗り薬で鎮める。
 局所的な不快感はあっても、一般に虫刺されでそれ以上の大した問題はない。しかしたまに虫刺されにアレルギー体質の人もいる。まれに命にかかわることにもなりかねないので、自分の体質をよく認識しておくこと。アレルギー体質の人は、実際に刺された場所以外にもひどい腫れや蕁麻疹(じんましん)が起こるので、見分けることができる。以前にアレルギーの反応を起こしたことがある人は、たとえ軽症だったにしても虫刺され用の救急セットをいつも持ち歩くようにすること。そして、免疫(めんえき)をつけるための注射について、医師と相談した方がよい。

2009年7月13日月曜日

新・応急処置と簡単な治療について・11

気絶した場合

 ソフトテニスをしていて意識不明になることはほとんど考えられないが、それだけに万一、意識不明になるようなことがあると、余計に心配の種になる。
 まず原因が、窒息、ひきつけ、脳震盪(のうしんとう)、心臓発作のいずれにせよ、最初の処置はみな同じ。ABCの順にチェックしていく。つまり、A= Airway(気道)と口が開いているか。B= Breathing(呼吸)をしているか。もし呼吸をしていなければ、人工呼吸をする。そしてC= Circulation(血液の循環)はどうかを調べる。もし脈がなければ、心臓マッサージをする。

2009年7月12日日曜日

新・応急処置と簡単な治療について・10

日射病と熱射病

 まず高い温度や湿度が、人体に与える影響を十分わきまえておくこと。めまい・錯乱・吐き気・頭痛・あるいは汗もかかずに肌が赤く火照ってくる、などはすべて日射病の初期症状である。患者は太陽の当たらない所に寝かせ、冷たい水や氷を当てるか、氷水に浸すかして熱をさましてやる。冷たい水を飲ませるのもよいが、患者の意識がしっかりしていて、飲み込める状態のときでなければならない。すぐに症状が好転しなければ、救援を頼み患者を病院へ移す。これは緊急事態だが、迅速な正しい看護を受けることができれば、結果はよい。

2009年7月11日土曜日

新・応急処置と簡単な治療について・9

ヒザの傷害

 ヒザを曲げたまま濡れたところで滑ったり、無理をして急にヒザを動かしたりすると、軟骨の裂傷や靭帯(じんたい)の捻挫など、ヒザの内部構造を傷つけてしまうことがある。すると歩行が困難になり、遅くとも24時間以内に患部は腫れあがる。
 腫れてしまうと診断がしにくくなるので、できるだけ早く整形外科医を訪れること。とくに靭帯が断裂したときなど、ただちに手術を必要とすることもある。普通に歩くことも困難なほどの痛みがあるような重傷の場合は、アイスパックや包帯などは一時しのぎの処置としてのみ使用する。

2009年7月10日金曜日

新・応急処置と簡単な治療について・8

脱臼

 しょっちゅう起こることではないが、テニスコート上でも肩を脱臼することもある。脱臼を直した経験がなければ、専門医に任せることにして、自分ではいじらない方がよい。脱臼した人を救急病院に連れていくときには、吊り包帯を利用するとよい。

2009年7月9日木曜日

新・応急処置と簡単な治療について・7

骨折

 ソフトテニスで骨折することはまれだが、可能性はある。応急処置としては、患部を固定して動かない状態にしておく。必要なら、患者の骨折した腕や足をラケットなどに結びつけ、動きでさらに傷ついたりするのを防ぐ。そして近くの救急病院にかけつける。

2009年7月8日水曜日

新・応急処置と簡単な治療について・6

捻挫(ねんざ)と挫傷

 以前から行われているように、休息と冷湿布、そして腫れと痛みを鎮めるために、患部を上にあげておくことがまず第一のステップ。また、柔らかい包帯などで患部を圧迫しておくのもよい。
 炎症とそれに続く腫れと痛み、そして機能障害を軽減するためにも、できるだけ早く治療しなければならない。重傷の場合、医者による正しい診断と適切な治療が必要。

2009年7月7日火曜日

新・応急処置と簡単な治療について・5

筋肉のつり(痙直)・3

 暑いときにこむらがえりを起こしやすい人は、水をたくさん飲むようにするとよい。
 ソフトテニスによる他の傷害と同様に、筋肉のつりを治療する最善の方法は、持久力を養い、水分を補給し、十分にストレッチングやウォームアップをすることだ。さらにテクニックとフォームに気を配れば、バランスを崩しても突然筋肉に過度の負担をかけることもなく、予防することができる。

2009年7月6日月曜日

新・応急処置と簡単な治療について・4

筋肉のつり(痙直)・2

 ほとんどは、つった筋肉を優しくゆっくりストレッチすることによって治ってしまう。従って、例えばふくらはぎのこむらがえりは、壁に向かって腕を立て、ふくらはぎからアキレス腱をストレッチさせるような運動なら、どの運動でもよい。
 ストレッチングで効果がない場合は、患部をマッサージし、氷で冷やすとよい。また、筋肉を休めることも大切である。もし、こむらがえりの症状が軽く、応急処置で痛みが治まったら、十分注意しながら運動を再開してもよい。

2009年7月5日日曜日

新・応急処置と簡単な治療について・3

筋肉のつり(痙直)・1

 筋肉のつりの原因は、完全にはわかっていない。俗に筋肉がつるというのは、無意識にあるいは不随意的に、筋肉が痙直を起こすことである。筋肉のつりで筋繊維自体が傷つくことはないが、激しい痛みのためしばらくは歩けないこともある。
 原因としては、脱水症状、筋肉の衰弱、筋肉に対する軽い傷害、あるいは筋肉に無理な力をかけたりすること、などが考えられる。

2009年7月4日土曜日

新・応急処置と簡単な治療について・2

切り傷とすり傷

 切り傷は、まず石鹸(せっけん)と多量の水とで傷口を洗うのがよい。消毒液はとくに必要ない。出欠をとめるには普通、適度の圧迫をかけることと、氷で冷やすのがよく効く。
 しかし、切り傷が筋肉にまで達したり、切り口が2~3センチ以上になったり、関節まで達したりした場合、あるいは出血が止まらない場合(頭皮の裂傷など)は、専門医の診療を受け、傷口を外科的に縫い合わせる必要がある。また、錆びた釘が刺さったときだけでなく、どんな切り傷の場合でも、破傷風(はしょうふう)の予防が必要だ。
 すり傷やひっかき傷はすぐに洗い、傷口に消毒液と軟膏(なんこう)を塗って保護しておく。傷が大きかったり、感染したりしたら、医師に診てもらうほうがよい。

2009年7月3日金曜日

新・応急処置と簡単な治療について・1

 ソフトテニスはとても人気のあるスポーツであり、競技人口も多い。インターハイや国体などの大きな大会では、たいてい看護婦や医者が待機しているが、そうでない場合にも以下のような傷害に出くわすこともあるだろう。自分や仲間が思いがけず傷害を負ってしまったときのために、ソフトテニスによくある傷害の手当の仕方を覚えておくべきである。

2009年7月2日木曜日

新・適切なケガの予防と治療・12

リハビリテーション

 休養と治療でケガは治っていく。痛みが和らいだら、選手は試合や練習に完全復帰できると感じるかも知れない。しかし、最も犯しやすい間違いは、リハビリテーションが完了する前に復帰してしまうことである。組織の急激な機能低下や退化が起きているため、ケガを再発しやすいということを忘れてはならない。再発すると、休養と治療をまるまるやり直さなければならない。時間と労力の大変な無駄である。
 ケガの痛みが和らぎ始めたら、選手は徐々に練習に戻ること。最初は患部の筋肉を安定させ保持するサポーターなどを着けるとよい。患部が強くなるにつれて筋組織を強化し、再発を防ぐために運動を徐々に増やしていくべきである。患部の動きを制限するテーピングも、このリハビリテーションの期間には大いに役立つ。

2009年7月1日水曜日

新・適切なケガの予防と治療・11

ケガの治療と管理・5

注意
 アイシングは組織への血流を圧迫する。従って急性のケガの腫れを引かせる。温熱は血管を広げ、血流を早くし、ケガをひどくする。応急処置で温めてはいけない。
 ケガをしていて試合や練習をする場合は、ゆっくり入念にウォームアップし、終わったらすぐに氷などを使ってマッサージや圧迫をすること。

2009年6月30日火曜日

新・適切なケガの予防と治療・10

ケガの治療と管理・4

再発性のケガ
 再発性のケガとは、通常、テニス肘、腕の回旋筋(かいせんきん)損傷、肩関節の滑液包炎などの関節傷害のことである。再発性のケガは思いがけないときに再発する。

治療
 入念にウォームアップをする。練習後にはアイシングをし、医師の管理下において薬物治療をする。

2009年6月29日月曜日

新・適切なケガの予防と治療・9

ケガの治療と管理・3

亜急性のケガ
 亜急性(あきゅうせい)のケガとは、時間の経過とともに強まってきたケガのことで、プレイの邪魔になるものである。過度の筋肉疲労などがこれに当たる。このケガをすると、ケガのためにプレイが邪魔されてうまくいかないため、精神的にも負担を感じる。

治療
 入念にウォームアップする。練習後にはアイシングをする。非炎症性の薬(アンメルツなど)を塗る。

2009年6月28日日曜日

新・適切なケガの予防と治療・8

ケガの治療と管理・2

急性のケガ
 急性のケガとは、その場のケガ、つまり試合や練習中に起きたケガのことである。例としては、足首の捻挫、筋や腱の断裂、骨折などである。この種のケガをするとプレイはできない。

治療
 当日と翌日は氷などを用いて圧迫する(アイシング)。心臓より上にあげておくのもよい。3日目も温めてはいけない。通常、3日か4日の運動中止期間が必要である。

2009年6月27日土曜日

新・適切なケガの予防と治療・7

ケガの治療と管理・1

 ケガをした場合は、正しい方法で治療と療養に取り組むこと。ケガは、その性質により、3つに分類できる。その各々について、正しい治療法を知っておくこと。

2009年6月26日金曜日

新・適切なケガの予防と治療・6

ケガの予防・4

 以下のガイドラインは、ストレッチングの手順として守ること。
1.体温が1℃上がるか汗が出始めるまでウォームアップする
2.静的(非運動的)で段階的なプログラムのみを行う
3.すべての筋肉群をストレッチする
4.ストレッチしすぎない。またストレッチングが不足してもいけない
5.練習の開始前に、もう1回汗を出す

2009年6月25日木曜日

新・適切なケガの予防と治療・5

ケガの予防・3

一貫したストレッチング手順で行う
 ストレッチングをすると筋肉はリラックスし、血液循環や酸素の供給が有効に行われるようになる。柔軟体操も、疲労した筋肉から乳酸を運び出すことにより、筋肉痛を減らすのに役立つ。
 しかしストレッチングのしすぎは、靭帯や関節に損傷を与える。従って、静的(非運動的)は基本を含んだ、行いなれているプログラムを毎日実施するのがよい。

2009年6月24日水曜日

新・適切なケガの予防と治療・4

ケガの予防・2

練習前には体温を上げる
 人間の筋繊維と結合組織は、ゴムバンドのようである。ゴムバンドが冷えているのに激しい勢いで引っ張れば、切れたり壊れたりする。しかし同じゴムバンドを暖めてから、急に引っ張ったりしないでゆっくりと伸ばせば、弾力性が出る。同様に冷えた筋肉を急に曲げたり伸ばしたりすると切れることもある。筋肉を温め、それから静的なストレッチングでゆっくりとストレッチすれば、効果的に曲げたり伸ばしたりできる。体温が上がると、筋肉の収縮や弛緩のスピードも増す。軽いジョギング、縄跳び、体操などが体温を上げるのに効果がある。

2009年6月23日火曜日

新・適切なケガの予防と治療・3

ケガの予防・1

 ケガは練習の時間を奪うため、選手にとって大変な負担になる。したがってソフトテニスの選手がケガの予防処置を講じることはとても重要である。以下の方法はケガの予防に役立つので、毎日の練習にくり入れなければならない。

2009年6月22日月曜日

新・適切なケガの予防と治療・2

 ソフトテニスは1年を通して行うスポーツである。他の種目の多くはオフシーズンがあり、選手は十分に休息したり身体を癒(いや)したりできる。しかしソフトテニスでは、次の試合や練習の休みない追求が始まるので、スピードプレイへの準備が十分に整う前に試合に引き戻されることが多い。そしてそのため、再びケガをしたり、ケガがぶり返す機会が増える。ソフトテニスの選手は、身体に過度のストレスをずっと課していることが多いため、ケガの予防処置や治療について理解することは、きわめて重要である。

2009年6月21日日曜日

新・適切なケガの予防と治療・1

 ソフトテニスの選手は、他の種目の選手よりも多くの試合や練習をする。接触スポーツのような打撲傷や挫傷(ざしょう)にはあまり縁がないが、試合や練習が続くと多くのストレスと緊張に関係したケガが起こる。
 腱(けん)や靭帯(じんたい)のような身体の結合組織が影響を受け、筋組織、滑液包(かつえきほう)、腱鞘(けんしょう)や、身体の他の潤滑油的な組織もまた危険にさらされる。

2009年6月20日土曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・14

ケガの予防の考え方・3

 最後に、これは予防ではなく再発防止の話になるが、ケガというのは、痛みがあるときよりも、痛みがなくなってからの方が重要だということだ。多くの人は、ケガをすると、痛みがあるうちは治療やリハビリをしっかり行うが、回復して痛みがなくなると、そこで終わりにして、すぐにプレイに復帰してしまう。しかし、ケガをする以前よりもその部分を強くしておかなければ、また再発する可能性が高く、意味がないのである。受傷前の体力、筋力レベル以上まで高められるように、痛みがひいた後も継続してトレーニングすることが大切だ。

2009年6月19日金曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・13

ケガの予防の考え方・2

 ソフトテニスは、オーバーユース(使いすぎ)によるケガが多いスポーツである。つねに身体のチェックを怠らずにいれば、どこかでシグナルが現れるはずだ。したがって、急に激痛がきたりするのは、普段そういったシグナルを見落としている証拠である。
 また、ソフトテニスのケガというのは、よく使う部分の筋肉が弱いということと、筋力がアンバランスであることが、主な要因になっている。例えば、肩や肘は、ソフトテニスでは特によく使う部分。にもかかわらずそこが弱いと、ケガに結びつくのだ。そういう認識を持って運動をしていけば、大きなケガには至らないだろう。また筋力のアンバランスについても、例えば背筋が著しく強いのに、腹筋が弱かったりすると、どこかに負担がかかり、ケガにつながる。あるいは右足をケガした後、右足ばかりトレーニングしてアンバランスになると、今度は左足に負担がかかってケガしたりする。そうしたことを念頭において、バランスよく身体を鍛えることが大切だ。

2009年6月18日木曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・12

ケガの予防の考え方・1

 これでプレイ前後の運動の流れについては、ひと通り説明したわけだが、最後にケガの予防の考え方全般について、いくつか付け加えておこう。
 ここまででも何度か述べたが、ケガの予防でもっとも大切なのは、つねに自分の身体の状態を把握しておくということである。これはレギュラー選手であろうとなかろうと、同じことだ。結局それが、痛みや異変に対して敏感であるということにつながるのだ。

2009年6月17日水曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・11

プレイ前後に行うべきこと・7

 プレイを終えたら、次はクーリング・ダウンだ。クーリング・ダウンのストレッチングは、基本的にウォーミング・アップの時と同じメニューで良い。やはり少し身体を温めてから行うようにする。また、プレイで特に疲労した部分や、以前にケガをしたことがあり不安があるという部分は、そこを重点的にストレッチするなり、⑦のコンディショニング・エクササイズを平行して行うと良い。コンディショニング・エクササイズとは、身体の各部の機能や能力を高める運動のことで、筋力トレーニングなども含んだ総合的な運動。ストレッチングの中に、これを織りまぜて行うのである。たとえば肩に不安があるなら、肩のストレッチングの前に、肩のコンディショニング・エクササイズを組み入れて行う、という具合だ。
 そうしてストレッチングが終わったら、クーリング・ダウンはとりあえず終了である。あとは自宅に戻ってから、あいている時間があったときに、特に強化したい部分のコンディショニング・エクササイズをやるとなお良い。

2009年6月16日火曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・10

プレイ前後に行うべきこと・6

 乱打から徐々にペースを上げていったら、あとは本格的なプレイに移る。これに関しては、それぞれに思い切りプレイすればいいわけだが、ただその間も、身体の各部の状態のチェックは忘れずに。動きの悪い部分があったら、プレイ中でもこまめにストレッチすること。

2009年6月15日月曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・9

プレイ前後に行うべきこと・5

 ストレッチングの後はいよいよコートに立つ。しかし、いきなりハードに打ち出すのは禁物。まずは軽い乱打から始める。ここまで行ったウォーミング・アップは、いわば運動をするための準備。ようやく身体を動かす準備ができたということなので、次はソフトテニスをするための準備が必要なのだ。それが乱打というわけである。最初は短い距離からボレー・ボレーで始めて、それから徐々にダイナミックにしていくとよい。
 また、乱打でも、ただ漫然と打つのではなく、自分の身体の状態をチェックしながら打つことが大切。ボールを打ちながら、首、肩、腰、足など、それぞれの状態を1カ所ずつ確かめていく。ボールを打った感覚が良かったからといって、それで身体の調子がよいと捉えてしまうと、ケガにつながるので気を付けてほしい。

2009年6月14日日曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・8

プレイ前後に行うべきこと・4

 ストレッチングで気を付けなければならないのは、やはり前述のように暖かい場所でやるということ。とくに冬のような寒い時期はなおさらだ。体育館などがあればそこで行うのがベストだが、そうでなければ室内や、日当たりがよく風の通らないところを探して行うと良い。そしてストレッチングの後は、一度汗を拭いてからコートに立つなどの配慮も、ぜひとも必要だ。
 もうひとつ意識しなければならないのは、ただ漫然とストレッチするのではなく、自分の身体の状態を細かくチェックしながら行うということ。身体の各部を伸ばしながら、筋肉の張りはどうか、関節の柔軟性はどうか、痛みや違和感はないかなど、慎重にチェックするのだ。普段と比べて少しでも異変があったら、それを見逃してはいけない。

2009年6月13日土曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・7

プレイ前後に行うべきこと・3

 ではそれぞれ順を追って説明していこう。まずウォーミング・アップの最初は、リンバリング・アップと呼ばれるものから始める。リンバリング・アップとは、軽い体操のことで、いわば「ウォーミング・アップのためのウォーミング・アップ」である。ラジオ体操のような身近なものでも良いし、それほど長くやらなくても良い。屈伸や伸脚、前後屈などのごく簡単なメニューでも十分だ。用はゆっくり身体を動かし始めるということである。
 それが終わったら、次は身体を温めるためのジョギング。「ランニング」ではなく、あくまで「ジョギング」なので、速く走る必要はない。ゆっくりと、軽く汗ばむ程度に走れば十分。これは夏季でも同じである。そうして徐々に身体が温まってきたら、いよいよストレッチングに入る。

2009年6月12日金曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・6

プレイ前後に行うべきこと・2

プレイ前後の、理想的な運動の流れ

①リンバリングアップ(軽い体操)・・・・・・ラジオ体操など、簡単なもので良い
②身体を温めるためのジョギング・・・・・・軽く汗ばむ程度。夏季も同じ
③ストレッチング・・・・・・冬は暖かく、風のない場所で行う
④プレイのための準備(乱打など)・・・・・・最初は軽く、徐々にダイナミックに
⑤本格的なプレイ
⑥クーリング・ダウンのストレッチング・・・・・・身体を温めてから行う
⑦コンディショニング・・・・・・自宅で行うか、⑥と平行して行う

2009年6月11日木曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・5

プレイ前後に行うべきこと・1

 ストレッチングの前に身体を温めることの必要性は理解できたことと思う。言うなれば、ストレッチングは、ウォーミング・アップの一部分でしかないわけだ。ではウォーミング・アップ全体は、いったいどのような流れで行えば良いのだろうか。
 下記の表は、ウォーミング・アップからプレイ、そしてクーリング・ダウン(整理運動)までの流れを示したものである。①から④までがウォーミング・アップにあたり、⑥と⑦がクーリング・ダウンにあたる(⑦は帰宅後に行っても良いので、その場合はクーリング・ダウンには当たらない)。ストレッチングは、その両方に含まれている。

2009年6月10日水曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・4

身体を温めてからストレッチしなければ効果は低い・2

 身体が冷えているということは、すなわち関節の可動範囲が狭く、筋肉の動きも悪いということを意味する。その狭い範囲の中でストレッチするよりも、身体を温め、可動範囲を広げてから行う方が効率が良いというのは、考えてみれば当然の道理だ。思い浮かべてもらえばわかると思うが、風呂に入った後に屈伸などをやると、普段より柔らかくなっていると感じることが誰でもあるはずだ。それだけ身体が温まっているときと、冷えているときとでは、可動範囲に違いがあり、それはストレッチングの効果にもそのまま影響する。身体が固い状態のときに、もし余分に力をかけてしまったりすると、ケガにつながることさえあるのだ。

2009年6月9日火曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・3

身体を温めてからストレッチしなければ効果は低い・1

 たとえば冬の寒い日、コートに到着し、すぐにコートサイドでストレッチしている人がいたとする。多くの人はそんな光景を見ると、「偉いなあ」とか「感心だなあ」などと思うだろう。しかしそのようなストレッチングは、実はまったく誤解だらけの行為なのだ。
 はっきり言って、身体が暖まっていない状態でいきなりストレッチしても、ほとんど効果はない。ストレッチングの前に、簡単な体操や軽いジョギングをして、身体を温めてからでないと効果がないのだ。また、ストレッチングをする場所も、なるべき暖かいところを選ばなくてはいけない。風の通りやすいコートサイドなどではなく、室内か、暖かい日溜まりなどが理想的。そうでなければすぐに身体が冷えてしまい、効果は上がらない。

2009年6月8日月曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・2

「ストレッチング」イコール「ウォーミング・アップ」ではない

 一般的に、ケガの予防や再発防止において、ウォーミング・アップ(準備運動)の重要性は、よく理解されている。さまざまな雑誌や本で、ストレッチングのメニューが写真や図解入りで分かりやすく紹介されており、諸君もそうしたものを目にする機会もあるだろう。したがって、身体の部所ごとにどのようなストレッチングをすれば良いかということは、皆ある程度の知識を持っているはずだ。
 ストレッチングのメニュー自体は、雑誌などで紹介されている基本的なもので十分である。それらを大いに活用すると良いだろう。ただ問題なのは、多くの人が、プレイ前後にしっかりそれらのストレッチングを行っていれば、それで安全だと思っていることだ。つまり「ストレッチング」イコール「ウォーミング・アップ」という認識を持っており、ストレッチング以前にも準備が必要であることを、ほとんどの人が理解していない。また、ストレッチングを行う場所や、行いながら何をチェックすべきかということも、意識している人は少ない。すなわち、メニューだけは知っているが、ストレッチングの総合的な考え方、位置付けに関しては、ほとんど知らないというのが実状だろう。

2009年6月7日日曜日

新・ストレッチングとコンディショニング・1

ケガの予防、再発防止のために

 ケガの予防あるいは再発防止のためには、ストレッチングや、ウェイト・トレーニングなどのコンディショニング・エクササイズが欠かせないことは、誰でもわかっているはずだ。しかし多くの人は、その具体的なメニューは知っていても、それをいつ、どのような状況で行うべきかなどは、理解していない。「プレイの前後にストレッチすれば大丈夫」ぐらいの認識しかない人がほとんどだろう。また、ストレッチするときに、自分の身体の各部の状態をしっかり把握せずに行っている人も、かなり多いのではなかろうか。しかしそれでは、効果はほとんど期待できない。ストレッチングの位置付けや、総合的な予防の考え方を踏まえた上で、具体的にどのようなストレッチングやコンディショニングを行えばいいのか、紹介していこう。

2009年6月6日土曜日

試合前の準備に集中する・20

相手を知らないで、自分の方が優位な場合は?・3

 本命の方の選手は、細部やレシーブでミスをしないように気をつけ、チャンスが訪れたらそれを利用できるように準備すること。これに失敗すると、劣勢の選手にチャンスを与えることになるだろう。本命の方の選手が、試合をリードする当然の地位を占める時期が来たのに、ためらってしまうことほど、劣勢の選手に自信を与えてしまうことはない。
 本命の方の選手は、断固としてチャンスを利用しなければならない。(これは未了)

2009年6月5日金曜日

試合前の準備に集中する・19

相手を知らないで、自分の方が優位な場合は?・2

 この状況において試合に備えるためのカギは、これは困難な課題だということを予測することである。これを予測していれば、自分のベストに近い状態でプレーでき、番狂わせを起こさせないようにすることができる。テニスでは、劣勢の選手の方が、より熱中して恐れを知らないプレーをするが、結局は本命の方が勝つ、ということを思い起こすことも重要である。番狂わせは、本命側の選手が油断していたり、試合のプレッシャーから逃避しているときに起こる。このような試合では、力が下である選手の方は自分のゲームを維持できているが、試合のおよそ4分の3のところでチャンスを逃し、劣勢の選手に不利な流れになっていくのが普通である。

2009年6月4日木曜日

試合前の準備に集中する・18

相手を知らないで、自分の方が優位な場合は?・1

 試合の時、選手にとって最も厳しい状況のひとつである。自分の方が優位にあるため、相手は何かを得て、自分は何かを失う。相手は、対戦相手が優位だということを、直接にではなく噂として知っているだけなので、より始末が悪い。
 相手は恐れを知らずに、普段より上手にプレーしているように見える。こうなると番狂わせが起こってしまう。これは特に新入生、つまり新しい環境に入った選手と対戦したときによく起こる。新入生は、「得るのみで、失うものはない」という状況である。力が立証されている選手は、「すべてを失い、得るものは何もない」という状況であり、それどころか、優位にある選手が相手について何も知らない場合は、もっと骨の折れる状況となる。

2009年6月3日水曜日

試合前の準備に集中する・17

試合での役割

 選手が試合で直面する明確な役割がある。それは、相手を知っているか、あるいは知らないか、のどちらかである。
 もし相手を知らなければ、次のいずれかである。
 1.自分の方が優位
 2.相手の方が優位
 3.互角
 もし相手を知っていれば、次のいずれかである。
 1.かつて対戦して勝った
 2.かつて対戦して負けた
 3.対戦したことがない。この場合も、次のいずれかである。
  1.自分の方が優位
  2.相手の方が優位
  3.互角

2009年6月2日火曜日

試合前の準備に集中する・16

近づく試合で予想される状況を見極め自分の役割のプレッシャーに対処する

 状況はどうだろうか。対戦相手はどのようにプレイするか。なにを予測すべきか。うまくプレイできるだろうか。厳しい試合に対する準備ができているか。これらは、コートに立つ前に自問する価値のある問いだ。異なった状況には、異なったプレッシャーが存在し、プレイに影響を及ぼす。よく犯しがちなミスは、試合が始まると自分の役割から逃げたり、1つの状況が残りすべての状況と同じであると考えてしまうことである。選手は疑問や、この疑問を処理できるのかという不安から、状況を見極めないでプレイを始めてしまう傾向がある。ことによると、選手はやらなければならなくなるまで、なすべきことをしないのかもしれない。しかし、問題なのは、実際に起こるのが、選手がそう合ってほしいと思うことや準備してきたこととは、まったく異なるという点である。こうなると選手は、試合の重要な局面において自分から反応者の役割を演じてしまう。しかし、多くの一流選手がこの態度を取りながらも危機を見事に脱しているのは皮肉なことではある。だがこれは、状況を処理するのに正しい方法ではない。こうなると、監督は何も計算できなくなる。総出はなくて現在の状況と役割を見極め、それに対して準備をするべきである。

2009年6月1日月曜日

試合前の準備に集中する・15

同じようなスタイルの相手との試合・3

 スタイルを変えることで効果的に攻撃できるチャンスが生まれることもあるだろうが、自分のスタイルに執着することが大切である。一流選手の最高のスタイルをどんなに完璧に真似てやったとしても、それはあくまで模倣でしかない。自分の固有のプレイスタイルでは、それぞれがナンバー1なのだ。

2009年5月31日日曜日

試合前の準備に集中する・14

同じようなスタイルの相手との試合・2

 同じようなスタイルの相手と試合をするときには、2つの選択がある。すなわち自分のスタイルに忠実でいるか、別のスタイルに変えるかである。自分の方が力が上であれば選択は明白である。力が下であれば、自分のスタイルを捨てることは作戦の第1法則を破ることになるので、自分のゲームを信頼すべきである。最良の選択は、自分のスタイルを頑固に堅持することである。相手を倒すのは大変だが、相手も同じ苦労をしているのであり、勝ち負けはたった1%の差で決まるということを思い起こすことである。

2009年5月30日土曜日

試合前の準備に集中する・13

同じようなスタイルの相手との試合・1

 同じようなスタイルの相手についてはどうか。テニスで用いられている得点方式のため、相手がほとんど同じプレイスタイルであると、力にほんの1~2%の違いしかなくても一方的なスコアで終わることが少なくない。同じようなスタイルだと、少し劣勢の選手は、少し優勢な選手になす術(すべ)もなく大敗することが多い。

2009年5月29日金曜日

試合前の準備に集中する・12

ゲームスタイルの違う相手との試合・5

 相手のサービスゲームを取り、相手の自信を打ち砕くには、サービスゲームで相手に得意なスタイルでプレイさせないことである。これは、相手がサーブするときに、その相手のスタイルでプレイすることによって達成できる。たとえば、ネットプレイが上手な相手であれば、レシーブのときにネットに出る。こうすると、重大な場面で相手は2~3ポイントを失うことになるだろう。あるいはまた、ダブル後衛がサーバーのときは、相手に長い退屈なゲームをさせることである。こうすると相手は、欲求不満をつのらせ、ネットについて早くポイントにけりをつけようとする。つまり、自分のサーブのときは自分のスタイルでプレイをし、相手がサーブのときは相手のスタイルでプレイをするということである。どのような場合でも、レシーブゲームの目的は、相手が得意とするスタイルをさせないことである。相手のスタイルで挑むことがこの方法である。

2009年5月28日木曜日

試合前の準備に集中する・11

ゲームスタイルの違う相手との試合・4

 3番目に、ネットプレイが武器の選手は、ロビング主体のテニスに苦戦する。これは相手の狙いをはずしてボールをまわすことができるからである。ボールまわしの得意な相手に対する最善のプレイは、適切なコートポジションを取るということである。このことはまた、有利なポジションを取るために、グラウンドストロークを先に攻撃的に打つということを意味する。
 スタイルの組合わせは無限にあるが、この実際的な手順が、異なったスタイルの相手と対戦する場合の試合前の作戦計画の助けになることは間違いない。

2009年5月27日水曜日

試合前の準備に集中する・10

ゲームスタイルの違う相手との試合・3

 次に、シュート主体の相手を打ち負かすには、ネットに出ることが重要である。相手がパッシングショットでミスをするのを期待していてはいけないが、前衛のプレッシャーのためパッシングショットが甘くなる。また、ネットについてからネット上の球をボレーする方が、足元に沈む球を打つよりもはるかに簡単である。

2009年5月26日火曜日

試合前の準備に集中する・9

ゲームスタイルの違う相手との試合・2

 まず最初に、ロビング主体の相手を打ち負かすには、正しい自分の打点でボールをとらえ、攻撃的なグラウンドストロークを打ち、相手が打点を外した低い位置でボールを打つようにさせる。

2009年5月25日月曜日

試合前の準備に集中する・8

ゲームスタイルの違う相手との試合・1

 ゲームスタイルの違う相手と試合する時、どのようなことに気をつけるべきか。作戦の技術的考察の多面性について、ジャンケンにたとえるとわかりやすい。グーはチョキより強く、チョキはパーより強く、パーはグーより強い。これを当てはめると、シュート主体のテニスはロビング主体のテニスより強く、ロビング主体のテニスはネットプレイより強く、ネットプレイはシュートより強いのである。

2009年5月24日日曜日

試合前の準備に集中する・7

作戦を理解し、対戦相手から予測できることを知る・3

 従って、作戦上で最優先すべきことは、選手がコントロールできること、つまり残りの50%をコントロールすることである。自分の技術への信頼が、結局は相手の自信をそぐ要因となる。もし、選手がまず初めに自分のゲームを信頼し、それをしっかり保持しようとしなければ、他の作戦はすべて価値のないものになってしまう。これは、選手が強引に一方的なプレイをしたり、調節ができなくなったりすることではなく、自分がどのようにプレイしたいのかをコントロールし、相手を自分のスタイルに反応させることである。行動を起こす者が勝ち、反応する者に勝ち目はない。選手がどのようなスタイルを取ろうと、これこそが試合における決定要因である。

2009年5月23日土曜日

試合前の準備に集中する・6

作戦を理解し、対戦相手から予測できることを知る・2

 言うまでもないことだが、試合での2つの決定的要因は、自分たち自身のプレイと対戦相手のプレイである。この2つの要因の関係は、簡単な公式によって説明できる。すならち、自分たちのポイントの数から自分たちのミスの数を引いたものが、相手のポイントの数から相手のミスの数を引いたものより大きくなければならない、ということである。

自分たちの -  自分たちの >  相手の -  相手の
ポイント数     ミスの数     ポイント数   ミスの数

 この公式は多くに適用できるが、試合の最終的な結果を50 %以上コントロールできることはほとんどない。もしそれができるなら、それはおそらく相手を下手にして自分を強くするという、神業(かみわざ)とでも呼ぶべき技術である。

2009年5月22日金曜日

試合前の準備に集中する・5

作戦を理解し、対戦相手から予測できることを知る・1

 選手の試合のやり方の違いや、そのスタイルが、自分にどのような影響を及ぼすかを理解することは、試合の作戦計画を立てる際の要点である。あらゆる状況に対する対処の方法を正確に理解することはまず不可能である。このため、選手は想定可能なさまざまな状況で、実行できる一定手順や方針を持たなければならない。

2009年5月21日木曜日

試合前の準備に集中する・4

身体的パフォーマンスに影響するコントロール可能な細目に注意する

1.試合前の一定手順に従うこと。
2.試合中のポイント間に行う一定手順を確認すること。
3.すべての身体的状況に注意すること。
 ①正しい食事
 ②十分な睡眠
 ③用具の確認
 ④十分なウォームアップとストレッチングをする。

2009年5月20日水曜日

試合前の準備に集中する・3

身体的・精神的・感情的な準備

 以下のチェックリストには、試合開始前に見直しておくべき重要な身体的・精神的・感情的な考察が含まれている。基本的で明白なものから始まり、より細目へと進んでいく。

2009年5月19日火曜日

試合前の準備に集中する・2

 試合に向けて、身体・精神・感情のすべての準備を整えておかなくてはならない。身体はウォームアップし、戦略を再検討し、感情的なバランスに注意すること。試合の前日は食事と休息に特別の注意を払うこと。試合前の48 時間は厳しい練習を行わないこと。そして軽い身体的な練習を前日に行うこと。試合当日は、試合開始1時間前までに会場へ行き、30 分はウォームアップに当てることが望ましい。次の15 分は、試合で予測されることや対戦相手への対処の仕方など、簡単な作戦時間に当てる。最後の数分は、試合に向けて感情を整えるために使う。

2009年5月18日月曜日

試合前の準備に集中する・1

 試合の準備は、試合の数日前から始めても早すぎることはない。テニスは個人スポーツなので、試合に至るまでのさまざまなことをコントロールしなければならず、試合前の準備には一定の手順を作っておくこと。その手順がどのようなものであっても、選手の個性ややり方に合っていて、選手がその手順に従うことによって安心でき、自信が持てるものであればよい。チームの手順においてもほとんど同様である。手順はチームのイメージや個性に合ったものであり、選手が信頼感と自信を得られるような一定したガイドラインであること。

2009年5月17日日曜日

正しい水分補給・18

身体作りのためにはいつ何を飲めば良いか・2

 ただ、寝る前の飲食は、胃腸に負担を強いることにもなる。そのために朝、顔がむくむなど、体調を崩すケースもある。胃腸が弱い人や疲れがたまっているとき場合などは、避けた方がよい。
 それに成長ホルモンは、運動後すぐにも分泌されている。身体作りを考えているなら、まずこちらを試してみるべきだ。さらに効果を高めたい人は、寝る前に飲むもの良い。(未了ですが、次は「試合前の準備に集中する」です)

2009年5月16日土曜日

正しい水分補給・17

身体作りのためにはいつ何を飲めば良いか・1

 ここでは水分補給から少し離れるが、身体作りのためには、何をいつ飲めば良いのだろうか。
 就寝後1~2時間すると、成長ホルモンが分泌される。このときにタンパク質やカルシウムがあると、生成の効率が高くなる。その効果を狙って、寝る1時間くらい前に、牛乳やプロテインパウダーを取る方法がある。また牛乳やヨーグルトは安眠を促進するので、このタイミングでそれらを飲むことは、身体作り以外にも意味があるといえる。

2009年5月15日金曜日

正しい水分補給・16

運動に適しているお茶は?・2

 カフェインには、神経を刺激し、気分を高揚させる作用があり、興奮剤の一種である。しかし、ドーピング違反とされるのは、純粋な成分を意図的に服用しなければ達しないほどの量である。現実に運動に影響する要素は、ほぼない。
 また緑茶には、ポリフェノールという、抗酸化作用を持つ成分が多い。運動をすると体内で酸化作用が進み、乳酸(疲労成分)が溜まってくる。身体や細胞にとって酸化作用は悪影響があるのだが、ポリフェノールはその酸化を妨げてくれる物質なのだ。緑茶以上にポリフェノールを多く含む食品は、赤ワインかカカオ(チョコレート)しかない。

2009年5月14日木曜日

正しい水分補給・15

運動に適しているお茶は?・1

 お茶には大別して、紅茶・ウーロン茶・緑茶(日本茶)などがある。どれも原則的に使用する葉は同じで、発酵の度合いが異なるだけだ。発酵の度合いが異なると、カフェインとタンニンという成分の含有量に差が出てくる。
 このうち、運動に影響があるとすれば、タンニンの方だ。タンニンは苦みの元で、鉄分の吸収を阻害する。ただでさえ、運動による発汗でミネラルが失われる。貧血気味など、これ以上の鉄分不足を避けたい人には、タンニンは要注意。その意味で、タンニンの多いウーロン茶や紅茶(緑茶の2倍)は、運動には不向きだ。

2009年5月13日水曜日

正しい水分補給・14

ミネラルウォーターの賢い使い方・2

 しかし、ミネラルウォーターには、たくさん飲めるという利点がある。牛乳やスポーツドリンクと違って、味に癖がなく、それにノンカロリーでもある。また、今ではかなり普及していることもあり、ミネラルウォーターをおいしいと感じる人も多いようだ。
 そういう意味では、ミネラルウォーターは、運動時だけでなく、普段の水分補給にも適していると言える。

2009年5月12日火曜日

正しい水分補給・13

ミネラルウォーターの賢い使い方・1

 ミネラルウォーターには、カルシウム・鉄分・亜鉛など、約10種類のミネラルが含まれている。そのミネラル分が多いものを硬水、少ないものを軟水という。一般的に言って、日本のミネラルウォーターは軟水系で、ヨーロッパのミネラルウォーターは硬水系が多い。
 硬水の場合であっても、運動によって失われるミネラルの補給に、過大な効果は期待できない。それを補うほどのミネラルは含まれていないからだ。同じ容量なら、牛乳やスポーツドリンクの方が多く含まれている。

2009年5月11日月曜日

正しい水分補給・12

スポーツドリンクは運動後に

 次に運動後。疲労回復のためにはどうすれば良いか。運動後は筋肉分解が進み、また神経も消耗している。それら全ての身体機能の早期回復の手段として、まず身体の中で枯渇しているエネルギー(デキストリン)を補うことが最優先となる。これらを含んでいるスポーツドリンクは、運動後に飲むためのものだ。プロのスポーツ選手の中には、この中にプロテインパウダーを入れて、筋肉の回復や強化を行う人もいる。

2009年5月10日日曜日

正しい水分補給・11

運動直前と運動中には・2

 では何を飲めば良いのか。汗をかいて水分が失われるのだから、当然ながら水分を補給しなければならない。また、血液には多くのミネラルが含まれているが、汗はそのミネラルを薄めたものと言っても良い。従って、運動中の水分補給には、ミネラルウォーターやお茶が良いと言えるだろう。とはいえ、汗で失われたミネラルなどの補給には、ミネラルウォーターでは不十分。普段から野菜などでカバーすべきだ。

2009年5月9日土曜日

正しい水分補給・10

運動直前と運動中には・1

 次に、運動直前と運動中について。何度も述べているが、水分補給はのどが渇いたと自覚してからでは遅い。従って、運動によって失われるであろう水分量を、あらかじめ補給しておくことが大切だ。また、人間の身体は心拍数が高くなるだけでも、水分を蒸発させてしまう。そう考えると、運動の1~2時間前から200cc程度、30分前に現地で同量、直前にコートで同量ぐらい飲むと良い。1時間ぐらい前から実際にボールを打つまでの間に、多い人では600cc程度飲むべきだ。

2009年5月8日金曜日

正しい水分補給・9

日常で注意すること・2

 また、炭酸飲料の飲み過ぎも、感心できない。炭酸系は胃を膨らませる。それが食欲を阻害するからだ。もちろん、ほとんどの炭酸飲料には、多量の糖分が含まれている。この点からも、疲労予防には不適当だ。運動選手であれば、炭酸飲料は飲むべきではない。
 日常では、以上のことに注意していれば、後はそれほど難しく考える必要はない。自分の好みもあるだろうし、また、食事に合った飲み物を飲めばよい。とは言っても、牛乳やヨーグルトなどの乳製品系、ミネラルウォーターやお茶などのノンカロリー系、果汁100%ものなど、色々な飲み物をバランスよく取るようにすると良い。また、まとめてではなく、こまめに。その合計として多量になる分には構わない。

2009年5月7日木曜日

正しい水分補給・8

日常で注意すること・1

 日常では、疲労予防を心がけなければならない。前述のように、糖分の多いドリンクを愛飲していると、予防どころか、かえって疲労が促進されてしまう。従って、何を飲むにしても、日頃から成分表示からカロリーや糖分などをチェックすることが重要。たとえば、甘い清涼飲料の中には、およそ10%の糖分が含まれている。350ccならば35gの砂糖を飲んでいることになる。甘い清涼飲料の飲み過ぎが良くないのは明らかだ。また、それほど甘いと感じなくても、意外にカロリーが高い場合もある。それらを飲み過ぎないためにも、常に成分表示をチェックする。これは基本中の基本だろう。

2009年5月6日水曜日

正しい水分補給・7

スポーツドリンクはどう活用すべきか

 先に述べたように、水分補給は、運動中だけでなく、その前後にも行う必要がある。そこで、運動前・運動中・運動後、それぞれの目的と、それに適した飲み物は何かを考えていこう。ただ、運動前と言っても、大きく2つに分けられる。日常と、運動直前である。まず日常から述べる。

2009年5月5日火曜日

正しい水分補給・6

いつ何をどのくらい飲めば良いのか・2

 しかし、量については、単純でわかりやすい目安はない。適量には個人差があるからである。その個人差は、発汗量に由来している。
 汗の量には、人によって大きな隔たりがある。1日のプレーでの体重減が500gですむ人もいれば、2~3kgの人もいる。それだけ発汗量が異なるのだ。当然、水分補給の適量は、それに準じている。
 従って、水分補給は、自分の汗の量を知ることから始まる、と言っても過言ではない。もちろん発汗は、気温や湿度など、外的環境によっても左右される。体調によっても違ってくるだろう。あらゆる状況で、自分の発汗量を計っておくことが大切だ。

2009年5月4日月曜日

正しい水分補給・5

いつ何をどのくらい飲めば良いのか・1

 では、何をどのくらい、そしていつ飲めば良いのか。いずれもおろそかにできないとは言え、質と量、そしてタイミングに関する疑問の中で、最も重要なのは、量についてである。
 質については、ノンカロリー系(糖分を含まないもの)であれば、それほど神経質にならなくても良い。運動中にはとにかく水分を取ることが最優先だ。何を飲むかは、そのときの気分や状況、好みに応じて変えても構わない。運動をしていない場合は、色々なものをバランスよく飲めば良い。
 またタイミングについても、原則はこまめに。これだけが重要だ。運動中、のどが渇いたからといって、もしくは汗で失われた分を一気に取り戻そうと多量の水を飲んでも、効果は薄い。吸収がそれに追いつかず、胃の中に溜まるだけだからだ。それだけ負担になってしまう。のどが渇いたからといって、一度に多量に飲むのではなく、計画的に少量に分けて飲む。特に運動中はこれが鉄則だ。

2009年5月3日日曜日

正しい水分補給・4

自分がどれだけ汗をかくか知ることが基本・3

高温多湿の夏に注意すべきこと・2
 ちなみに、湿度と暑さの関係についても説明しておく。湿度が高いとなぜ暑く感じるのか。それは汗が蒸発しにくくなるからである。身体は汗をかいて蒸発させることで体温を下げようとするが、湿度が高い場合にはその汗の蒸発が妨げられる。汗が蒸発せず気化熱が放出されないので、熱が体内にこもりがちになる。その結果として暑く感じるという仕組みだ。
 従って、むっとするような暑い日にプレーするときは、こまめに着替えたり、風に身体をさらすなどして、汗の蒸発を促進させると良い。また、体表面の温度を下げるため、冷やしたタオルで身体を拭くのも良い。もちろん、発汗を促すため、運動中に水分を十分取ることも重要だ。

2009年5月2日土曜日

正しい水分補給・3

自分がどれだけ汗をかくか知ることが基本・2

高温多湿の夏に注意すべきこと・1
 特に、これから始まる高温多湿の夏には、普段からの水分補給が非常に重要な意味を持ってくる。何をどのくらい、そしていつ飲むか。それによって夏バテ予防や解消につながることもあるし、逆に促進することもある。炎天下での運動中には、熱中症や熱けいれん、脱水症状とも関わってくる。
 糖分の多い清涼飲料水の飲み過ぎは、夏バテの原因になることが多い。多量の糖分が血糖値を高め、それが空腹感を抑制するからだ。空腹感が乏しいと、偏食になりがち。それがビタミン不足などを招き、身体はさらに消耗する。寝付きが悪くなり、消化器官の働きが悪化し、体調もさらに悪化する。清涼飲料の飲み過ぎで、このような悪循環に陥ってしまうのだ。

2009年5月1日金曜日

正しい水分補給・2

自分がどれだけ汗をかくか知ることが基本・1

意識的かつ積極的に水分を取る
 水分が不足している状態では、パフォーマンスを100%発揮できないし、運動の効率も悪い。練習中だとすると、学習効果も薄くなる。つまり、運動選手にとって、水分不足は何も良い結果をもたらさない、ということである。
 水分補給の原則は「のどが渇いてからでは遅い」ということだ。のどが渇いたと身体が感じる前に体内に水分を補給してやらないと、運動のパフォーマンスはどんどん落ちる。従って、運動中はもちろんのこと、運動前、そして疲労回復のために運動後にも、失った水分を十分補給しなければならない。つまり水分補給は、運動をしている間だけの話ではなく、日常から実践しなくてはならない、ということだ。しかし、この点がまだおろそかにされていることが多い。

2009年4月30日木曜日

正しい水分補給・1

疲労の予防と回復のために何をどのくらい飲めばよいのか

 いよいよ本格的に夏が始まる。夏は大きな大会が続くが、いっぽう脱水症状や熱中症などにかかりやすい、危険な季節でもある。これらを未然に防ぐには、いかに水分を補給するかが大切。それには、緑茶やウーロン茶、ミネラルウォーターのどれが適しているのか。それともスポーツドリンク系が良いのか。何をどれくらい、そしてどのタイミングで飲めば良いのだろうか。

2009年4月29日水曜日

弁解や防衛規制を避ける・15

まとめ

 勝利、敗北または試合の時の正しいものの見方には、この各々にともなう感情をコントロールできることが不可欠である。自分のプレイに対する責任と向かい合い、自分と対戦相手のプレイ以外の理由を当てにせず、勝っても負けても相手のプレイを称賛できる選手だけが強くなれる。

2009年4月28日火曜日

弁解や防衛規制を避ける・14

テニス選手の使う弁解

1.昼食を食べ過ぎた。
2.食事を十分とらなかった。
3.水を飲みすぎた。
4.お気に入りのラケットが使えなかった(ガットが切れた、など)
5.コートの状態が悪かった。
6.ボールが軽すぎた(空気が足りなかった)。
7.ボールが重すぎた(空気が入り過ぎていた)。
8.ボールが古かった(ツルツルだった)。
9.ネットが高すぎた。
10.ネットが低すぎた。
11.ラケットが滑った。
12.相手の方が実績があり、自分より上手だった。
13.相手は自分の知っている選手を打ち負かしているので、自分もやられる。
14.相手が本気で勝負をしなかった(ボールを打ち返していただけだった)。
15.相手の調子が悪かったので、本気でやったらかわいそうだと思った。

2009年4月27日月曜日

弁解や防衛規制を避ける・13

防衛規制・13

12.拒否
 現実のある面を認めたり、受け入れたりすることを拒むこと。ヘビースモーカーは、喫煙の害についての科学的報告を否定する。体力に自信のある人は、自分が年をとるということを認めない。

2009年4月26日日曜日

弁解や防衛規制を避ける・12

防衛規制・12

11.回避
 不安を生じさせ、抑圧された感情を引き起こす状況から遠ざかること。自信のない人は、要求されたことを回避する。体力に自信のない人ほど運動を回避する。学力に自信のない生徒ほど勉強しない。

2009年4月25日土曜日

弁解や防衛規制を避ける・11

防衛規制・11

10.投射
 自尊心を保つために自分の否定的な感情や問題を、誰か他の人に移すこと。他人の嘘、ごまかし、偏見を責める人は、投射を行っていることが多い。

2009年4月24日金曜日

弁解や防衛規制を避ける・10

防衛規制・10

9.合理化
 あるできごとに対して代わりの理由を見つけること。これは失敗やミスを包み隠し、打撃を和らげようとするものである。よくある合理化には、「時間さえあればもっと勉強できたのに」「先生はぼくのことを好きではないんだ」「試合はインチキだった」「気を散らすものが多すぎた」「ちょっと試してみただけだったから、たいしたことはない」などが含まれる。

2009年4月23日木曜日

弁解や防衛規制を避ける・9

防衛規制・9

8.同一化
 理想としてある人を選んで、その人を見習おうとすること。高校生などは、有名タレントやロックスターの成功を自分のことのように共有するために同一化を行う。そしてこのスターの服装をまねたり、記事の載った雑誌などを買いあさったりする。

2009年4月22日水曜日

弁解や防衛規制を避ける・8

防衛規制・8

7.反動形成
 否定的な感情をその逆のものに置き換えること。たとえば、教師に対して敵意を感じている生徒が、この受け入れられない感情の反動として教師に過度にべたべた接するようなことである。

2009年4月21日火曜日

弁解や防衛規制を避ける・7

防衛規制・7

6.退行
 人生の最も初期の段階に後戻りすること。たとえば、何か壊したといって、自分に怒鳴り散らしたりするような夫を持つ妻が、自分の行動に対する責任を回避するために、赤ちゃん言葉でしゃべって、夫を「パパ」と呼んだりすることである。

2009年4月20日月曜日

弁解や防衛規制を避ける・6

防衛規制・6

5.逃避
 白昼夢(はくちゅうむ)、想像、本、映画または過度の睡眠などによって、問題から逃げること。たとえば、家庭の事情がひどく悪い子どもたちは、手の込んだ空想の世界を作ることがある。

2009年4月19日日曜日

弁解や防衛規制を避ける・5

防衛規制・5

4.昇華
 「受け入れられない」欲求を受け入れられるものに変換すること。たとえば、番長になりたいとか、攻撃的になりたいという社会的に受け入れられない欲求を、競争的な種目の部活動などの分野で生かすことである。

2009年4月18日土曜日

弁解や防衛規制を避ける・4

防衛規制・4

3.置き換え
 何か嫌なことが起こったときに、それを引き起こした状況以外のものに感情を発散させること。たとえば、先生にしかられた生徒が、先生を蹴飛ばす代わりにごみ箱を蹴飛ばすようなものである。

2009年4月17日金曜日

弁解や防衛規制を避ける・3

防衛規制・3

2.代償
 ある分野での失敗を別の分野での成功で埋め合わせること。たとえば、部活動をする人でいえば、自分の失敗で試合に負けた後、実績のあるクラブにかわったり、マネージャーの仕事を一生懸命したりすることである。

2009年4月16日木曜日

弁解や防衛規制を避ける・2

防衛規制・2

1.抑圧
 わざと忘れること。つまり自分の意識から、恥ずべき嫌(イヤ)な経験や思考を追い出し、そんなものがなかったかのように振る舞うことである。抑圧は、通常無意識的に行われるが、防衛規制の最も基本的なものである。

2009年4月15日水曜日

弁解や防衛規制を避ける・1

防衛規制・1
弁解は人の背中のようなものだ-誰もが持っているものなのだ

 心理学者として有名なジグムント・フロイトは、「失敗という状況はとても苦痛なので、人は自尊心を守るための防衛規制が必要になることがある」と述べている。けれども不幸にも、防衛規制は選手の成長を著しく阻害する。なぜなら、そのため、選手は自分の技術を上達させようという努力をやめてしまうからである。しかし実際は、いったんコートに入ったら、「相手が自分より上手なプレイをした」ということ以外に負ける理由はない。何かに悩んでいても、いったんコートに入ったら、それをコートに持ち込まないこと。
 選手は、勝ったときは謙遜(けんそん)し、負けたときはどんなにつらくても対戦相手を大いに称賛すること。しかし、敗北がとても耐えられないときもある。そんなときは、少なくとも「弁解」の客観的な臨床名を知っておくこと。

2009年4月14日火曜日

勝利を得るための精神コントロール・10

4.選手が挑戦するようになる場合

 この場合が、精神的粘り強さ(メンタル・タフネス)の意味するところである。危機的状況や逆境を、感情的な挑戦意欲に変えるのである。あきらめたり、落ち着きを失ったりせずに、積極的な感情をしっかりととどめておくことが重要である。それは、試合に勝つことやスコアより、プレイすることや苦しみに勝とうとすることを愛さなければできないだろう。この挑戦的意欲が、偉大な選手とそうでない者との境い目である。そして、最も重要なことは、この感情的反応が「訓練によるもの」であるということだ。

2009年4月13日月曜日

勝利を得るための精神コントロール・9

3.選手が不安になる場合

 言い換えれば、この状態は、息の詰まるような心理的圧迫を感じることである。試合などのプレッシャーの中で不安や恐れを抱くと、とてももろくなってしまうものだが、あきらめてしまったり、落ち着きを失ってかんしゃくを起こすよりは、はるかにマシである。
 選手が息詰まっているときは、まだその時点では、感情的には引き下がっていない。精神的粘り強さまで、後一歩の段階である。どんなに優れた選手でも、息の詰まるような思いをするのだ。しかし彼らは、それをわずかな、非常に短い時間内で消化してしまう。

2009年4月12日日曜日

勝利を得るための精神コントロール・8

2.選手が怒ってしまう場合

 また選手は、すぐに否定的な感情に押し流されて、気分の成り行きにまかせてしまう。すると、実際にプレッシャーは感じなくなるものだ。「もし負けても、落ち着きを失っていたからで、実際に負けたことにならない」からである。ほとんどの選手はこのような否定的感情の犠牲となる。

2009年4月11日土曜日

勝利を得るための精神コントロール・7

1.選手があきらめてしまう場合

 まず最初に考えられるのは、選手は一生懸命に戦おうとしなくなり、すぐに感情を引っ込めてしまう場合である。そうすれば、もし試合に負けたとしても、それほどプライドは傷つかない。もし負けるはずのない相手に負けても、自分が100%の努力をしなかったことにすれば、実際にその相手に負けたことにならないし、それほど傷つかないというわけである。
 風や、不正行為をした相手や、コートの悪さなどの言い訳をすることは、すべての意味であきらめということと同じである。このような言動は、回避行動の中では最も初歩的で、最も感情を崩壊させるものである。

2009年4月10日金曜日

勝利を得るための精神コントロール・6

試合の勝敗と自分の価値を同一化しない

 テニスは競争的なものである。そして、そこで受けるプレッシャーの根源は、自己尊重とともに潜在能力まで失ってしまうことにある。ある硬式のプロ選手は、次のように言っている。「自分がどれほどのプレイができたかで自分を判断されてしまうため、プレイがうまくいかなかったり、相手に負けてしまうことは、とても恐ろしいことです。もし私が良いプレイをすれば、幸せで自分自身に満足するでしょう。もしまずいプレイをすれば、私はみじめです。つまり、私のテニスで私の人生も決まってしまうようなものです」       
 選手にとって大事なことは、試合の中でどれだけ良いプレイをするかということと、選手個人の人間としての価値とを、できるだけ分けて考えることである。その2つが結び付きやすいのは確かだ。つまり、自分の自信におよぶ危険が大きければ大きいほど、自分自身で感情をコントロールするのに時間がかかるのである。理想的な感情をコントロールするのが困難になってしまうわけだ。特に、感情をコントロールする技量が欠けている選手は、自分自身を見失わないように、それを防御する行動を取り始める。これらの回避行動は、選手の競争心や勝利へのチャンスを奪ってしまうものである。プレッシャーや危険と出会ったときに、選手が最もよく取る回避行動は、その選手自身が、どんなタイプの競技者であるかを証明している。つまり、その回避行動は、感情の反応として外に現れてくるのである。
 プレッシャーに対する選手の感情の反応は、主に4つに分類できる。

2009年4月9日木曜日

勝利を得るための精神コントロール・5

本来の正しい感情のバランス

 強く積極的な感情は、喜び、高いエネルギー、決定力や楽観主義の感覚と強く結び付いている。また、穏やかさ、リラクゼーション、自信などの感覚も、感情の浮き沈みに影響を与える。この非常に簡単な相関関係は、プレイを安定させるためのカギとなる。
 人の感情面の技量がどのくらいのものかを計るためには、危険と逆境に立たせてみればよい。つまり、テニスで言えば、誤ったコール、試合コンディションの不良、ばかげたミス、多大なプレッシャーなどを受けた場合である。物事が自分の思うようにいっているときは、理想的な感情を持っているときよりもスムーズにはかどるものだ。物事が困難になり、世界中が敵となったとき、それに対抗できるものは、「感情の技量」だけである。

2009年4月8日水曜日

勝利を得るための精神コントロール・4

冷静さを失うと身体面にも悪影響を及ぼす

 選手の精神状態にジェットコースターのような波があるとき、プレイにも同様に、そのジェットコースターのような現象が起きている。これは生化学的な理由から説明される。神経心理学は、いくつかの神秘のカギを開ける助けとなっている。
 人は、幸せなときと悲しいとき、怒っているときと神経質になっているとき、リラックスしているときと悩んでいるときとでは、それぞれ化学的には別の身体になっているのである。冷静さを失ったとき、化学的変化は、身体のすべての細胞に影響を与えている。筋肉の緊張、血圧、心拍数、体温、そして集中力などに、ただちに劇的な変化が現れる。驚くべきことに、感情の微妙な変化でさえ、プレイの内容に突然の変化をもたらす。そして同じ理由から、アドレナリン、ノラドレナリン、セヨトニン、エンドルフィンなどのホルモンや神経伝達媒体に化学変化が起こる。逆に考えれば、本来の正しい化学的バランスを維持すれば、めったに「調子の悪い日」はないということになる。
 その人の技術と才能の限界までプレイするためには、正しい化学作用を必要とする。テニス界で「一定の地位」を得ようとするなら、最初に感情面の「精神コントロール」をしなければならない。なぜなら、本来の冷静な感情を持っていれば、身体的にも正常な化学作用をもたらし、良い調子を保っていることができるからだ。

2009年4月7日火曜日

勝利を得るための精神コントロール・3

感情トレーニングによりプレイの一貫性を向上させる

 ほとんどの選手にとって、感情トレーニングの概念は、まったく新しいものだろう。ほとんどの選手は、身体的トレーニングをすることが、フォアハンド、バックハンド、サーブ、ボレーなどの、より効果的な上達につながることは知っている。そしてほとんどの選手が理解していないのは、感情トレーニングが、より効果的な「感情面のテクニック」を上達させるということである。
 精神的な粘り強さは、訓練されて初めて、特定の「感情面のテクニック」と結び付き、その技術は、他の選手と競い合って成功するためには不可欠である。このことは自信を持って断言できる。つまり、重要なのは、精神的に弱い人でも絶対に強くなれるということだ。そのためにしなければならないことは、特別な「感情面のテクニック」を使えるように訓練するだけである。誰でも、プレイのレベルがどれくらいであっても、人は感情面のトレーニングをすることによって、プレイの一貫性(安定性)を向上することができるのだ。

2009年4月6日月曜日

勝利を得るための精神コントロール・2

「調子の悪い日」をいかにコントロールするか

 一流と呼ばれる選手の中でも、精神的に強いとか弱いとか言われる場合はある。その選択基準は、決してテクニックや才能ではない。一流選手は、その両方を有り余るほど持っている。決定基準は、おそらく「プレイの一貫性」という重大な予想によって決められるだろう。すなわち、常に調子を保っているかどうか、である。持っている才能やテクニックを、限界まで、常に出し切れるかどうかが、精神的に強い選手と弱い選手との分かれ目である。
 プレイの一貫性こそ、チャンピオンになる資格である。チャンピオンになるには、「調子の悪い日」をコントロールすることを学ばなければならない。それでは、どのようにすれば常に調子を保つことができるのだろうか。一言で言ってしまえば、それは「感情のコントロール」である。その証拠として、プレイの一貫性と感情の一貫性は、非常に密接に結び付いているのである。

2009年4月5日日曜日

勝利を得るための精神コントロール・1

 どんな人でも、1年の内の何日かは、他の日に比べて調子の良い日がある。素早く、活発に、力強く、難しいことも簡単に解決できる日である。そういう日には、かならず目と手は一緒によく動き、足は文字通り飛ぶようである。テニス選手にとっても、「調子の良い日」と「調子の悪い日」があるという事実には、疑う余地はないだろう。
 なぜ、このような問題が起こるのか。どうして人は、すばらしい人間から間抜けな人間へと、調子の良い日から次の日はダメになってしまうのか。選手の調子が一定していない原因は何なのか。ある程度の答えは予想できる。それは、体調の悪さ、ケガ、睡眠不足、不適当な栄養状態、不完全な装備(ラケットなど)、照明の不足などの身体的原因が非常に大きいだろう。
 しかしながら、何回にもわたって思い通りにいかないプレイの良し悪しは、そのような身体的原因と結び付けるわけにはいかない。本当の原因は、感情の変化に伴う化学的反応にあるのだ。それは、過去何年もの調査と研究で証明されている。

2009年4月4日土曜日

集中力を高める視線のコントロール・8

まとめ

1.プレイの合間(ポイントとポイントの間)にボールに視線を集中しておくことは、プレイ中のボールへの集中力を高める。
2.プレイの合間に視線をボール、ラケット、ガットに集中させておくことは、感情のコントロールに役立つ。
3.プレイの合間に視線をボール、ラケット、ガットに集中させておくことは、精神的な集中力を高めることにつながる。

2009年4月3日金曜日

集中力を高める視線のコントロール・7

プレイ中の視線をチェック…精神的な集中力を高めよう・2

 次に、プレイしていないときも、視線をボール、ガット、ラケットに集中しておくようにする。このとき、視線が安定していないときに比べて、集中の度合がどのように変化したか比べてみる。視線を常に集中しているときには、精神的な集中と感情のコントロールは、無意識のうちにうまくいくはずである。また、調子がよく精神的にもプレイに集中できているとき、視線がどのように動いているか、気を付けてみるのもよい。自分の視線が安定していること(ボールやガットに集中していること)に気付くだろう。
 視線がうまくコントロールされていれば、精神的にも安定した良いプレイができる。プレイに集中できないとき、感情の高ぶりをうまくコントロールできないと、自分の視線をチェックしてみよう。かならず何らかのきっかけがつかめるはずである。

2009年4月2日木曜日

集中力を高める視線のコントロール・6

プレイ中の視線をチェック…精神的な集中力を高めよう・1

 視線の集中と精神の集中の結び付きは、きわめて直接的なものである。どのような場合においても、精神的に何に集中しているかは、視線が何に集中しているかによって決まる。先生の話を聞くときにも、視線が安定していないと、話が頭に入らない。よりよく理解するためには、先生の顔をじっと見つめることである。
 コートに立って、次のような実験を行なうとよくわかる。プレイの合間、視線をできるだけあちこちに移すようにし、プレイ中はボールに集中するように試すのだ。十分な精神集中はまず得られない。視線が安定していないと、集中力もままならなくなってしまうのである。

2009年4月1日水曜日

集中力を高める視線のコントロール・5

一流選手の感情コントロール・2

 もしもこんな状況に陥ったときは、視線をラケットやガットに戻してみよう。こうすることにより、感情の高ぶりを抑え、冷静さを取り戻すことができるはずだ。ラケット、ボール、ガットは、感情を持たない中立的なものなので、否定的で不安定な感情をそれ以上に刺激することはない。
 また、視線をコントロールする(ラケット、ガット、ボールに視線を移す)ことは、怖れという感情をコントロールするのにも大きな効果を期待できる。選手にとって、周囲の状況に神経質になりすぎたり、怖れの感情を抱くことは、プレイにマイナスの影響を及ぼすものだが、これは視線のコントロールによって抑えられるのだ。自分のプレイや相手にたいする怖れの感情は、まず選手の目に現われる。不安気にほとんど絶え間なく動く視線は、選手の心の中をあらわしていると言えるだろう。その様子は、まるで隠れ場所や逃げ場所を探しているかのようである。このとき、選手の視線がとらえるものは、相手選手から観衆へ、ベンチから審判へといった具合に次々と変化する。こうなると、気持ちを落ち着かせるどころではなく、感情はさらに否定的な方へ向かい、怖れを増長させてしまうのだ。しかし、ここであわてずに、できるだけ早く視線をボールやラケットに戻せば、事態はそれ以上に悪化することはない。逆に冷静さを取り戻すことができ、プレイも良い状態に持っていくことができる。

2009年3月31日火曜日

集中力を高める視線のコントロール・4

一流選手の感情コントロール・1

 プレイ中の感情をうまくコントロールすることは、一流選手になるために必要な条件である。一流選手の感情のコントロール法にも、いくつかのパターンがある。まず感情を表面にあらわさずにコントロールするタイプ。次に、特殊な例ではあるが、感情をむき出しにすることによって、逆に集中力を高めていくタイプである。
 常に安定したプレイを生み出すための感情のコントロールは、視線のコントロールが大きな役割を果たしている。プレイの合間にも、ガットやボールに視線を集中させ、他の物にはめったに視線を移さない。試合が緊迫し、プレッシャーが増大するような時こそ、集中しなければならない。審判のミスジャッジや、相手が故意にいらつかせようとした時でも、チラッとそちらを見たら、すぐに視線をラケット面に戻すようにする。
 感情をうまくコントロールできない選手の場合、審判の目に悪意を感じたり、相手選手が怒りに満ちた表情で自分を脅かしているように感じたり、観衆がすべて自分の敵であるように感じてしまうことがよくある。これは視線をうまくコントロールできていないことが原因となっている。自分に不利なコールをした審判や、いやがらせをする相手選手や、自分のミスに拍手をする観衆に目を向けることは、自分自身の怒りを誘い、冷静さを失う結果となる。コントロールを失った視線は、不安定な感情につながる。

2009年3月30日月曜日

集中力を高める視線のコントロール・3

プレイの合間にボールを見ることがプレイ中の集中力につながる

 初歩の段階として、プレイ中にボールを見るよりも、プレイの合間にボールに視線を集中しておくことを意識するとよい。実際には、プレイが始る前に視線をボールに集中するように努力しなければならない。プレイの前にボールに視線を集中しておくという作業は、集中すべきものに注目しておくという点で、プレイ中に速いスピードで行き交うボールを視線で追うことを非常に楽にしてくれる。プレイが始った途端、速いスピードで行き交うボールに視線を集中しようとしても、なかなかうまくいくものではない。そうするためには事前の下準備が必要というわけだ。
 一流選手が、試合前やポイントの合間に、ボールをラケットの上で弾ませたり、コートについたりしているのを見たことがあるだろう。このとき彼らは、自分の集中すべき目標物(ボール)に、的を絞っているのである。読売ジャイアンツのエース・桑田真澄投手が、マウンド上でボールに向かって話しかけているように見えるのも、ボールを見つめて集中力を高めているのだ。こうした事前の動作によって、プレイ中に視線をボールに集中させることが可能になる。

2009年3月29日日曜日

集中力を高める視線のコントロール・2

一流選手の視線は常に何かに集中している

 一流選手の試合を見る機会があったら、彼らがプレイ中やプレイの合間に、視線をどこに集中しているか注意して見るとよい。もし実際の試合のそばで選手の視線を観察することができれば、プレイに非常に役立つだろう。
 精神的にも安定した一流選手の視線の動きには、共通している部分が多い。基本的な視線の動きのパターンは皆ほとんど同じである。彼らの視線は、常に彼らの意識によってうまくコントロールされており、ボール、ガット、コートのいずれかに集中している。
 こうした一流選手の視線の動きを観察したら、次に弱い選手あるいは精神的なもろさを持った選手の視線の動きと比べてみよう。精神的な集中を必要とする場面、追い詰められた状況での視線の動きを見比べることによって、一流選手の強さの秘密が次第にわかってくるはずだ。より強く、精神的にも安定した選手の視線は、きわめて正確にコントロールされているものである。

2009年3月28日土曜日

集中力を高める視線のコントロール・1

 テニスの指導において、「ボールを見なさい」ということがよく言われる。これは、単にボールを真っ芯でとらえるためだけでなく、精神的な集中力や粘り強さに良い影響を与える。一般的に見ても、プレイ中、インパクトの瞬間まで視線がボールに集中している選手ほど、精神的にも安定しており、良いプレイをしていると言える。
 選手の視線がどこに向いているかという問題は、精神的な強さに大きな影響を及ぼす。一流選手のプレイを分析すると、視線をうまくコントロールすることは、試合などの競争的な場面でよいプレイをするための大きな手助けとなることがわかる。また視線は、プレイ中だけでなく、プレイの合間(ポイントとポイントの間)にもコントロールすることが重要である。

2009年3月27日金曜日

ピンチから脱出する方法・17

パートナーのミスが続くとき

気分良く次の1本に集中できるような配慮を
 パートナーとの「ペアワーク」は、ソフトテニスの一番の醍醐味だろう。試合中よく「2人で1本」という言葉を聞くが、相互信頼・相互補助は、長いトーナメントを勝ち抜くには、なくてはならないものである。
 パートナーのミスが続いたとき、すねた態度をとる選手もいる。会話もなく、励ましの言葉もない。しかし試合展開も戦略も、2人で考えなければ勝利はないのだ。勝った負けたという前に、まず2人で協力し合い、勝つための努力をすることが大切。その結果として勝利がついてくればベストである。
 パートナーのミスが続くときは、逆の立場で考えればよい。自分がミスばかりしたとき、パートナーからどういう反応を受ければ、気分良く次の1本に集中できるか…、それをよく考えるべきだ。パートナー同士の気配りが大事である。
 前衛がポーチにいってミスを連発した場合、「ドンマイ、ドンマイ」と言うだけで全然違うもの。また試合の序盤なら、後衛が「もう1本同じボールを打つから、もう1回行けよ」とか、「取れるまで行けよ」といったアドバイスをすれば、前衛もずいぶん楽になるだろう。前衛の力を引き出すのは後衛であり、後衛の力を引き出すのは前衛なのだ。

2009年3月26日木曜日

ピンチから脱出する方法・16

競ったゲームが取れないとき

得意パターンで単純攻撃
 このような場合、ここ1本という大事なポイントを取れないまま、試合が流れていく。競ったときや、ここ1本というときは、「単純攻撃」が有効だ。
 まずレシーブでは前衛攻撃を徹底する。相手前衛の足元を狙い、ネットに詰めてこなければ前衛とのラリーに持ち込み、ミスを誘うと良い。また、相手前衛がサーブのときは、攻撃範囲が広く、カウントとしての大事なポイントが多い。いろいろなパターンを想定し、練習しておくこと。
 逆にサーブ側は、ここ1本というときに、コースを狙ったサーブを確実に入れることが大切。サーブ練習は毎日コンスタントに行うべきだ。

2009年3月25日水曜日

ピンチから脱出する方法・15

ロビングがバックアウトするとき・2

技術面…ヒザを柔らかく・中途半端は禁物
 相手のスピードボールに手だけで合わせようとすると失敗する。ヒザを柔らかく使った打ち方を心掛けること。
 また、自分が打つロビングが攻撃的なのかつなぎなのかを意識し、中途半端な打ち方は避ける。攻撃のロビングは、高い打点で打つ場合(中ロブに有効)と、ひと呼吸打点を落とし、相手前衛をみて打つ場合がある。
 つなぎのロビングは、少々打点を落としても構わないので、しっかりとボールを引きつけて、ヒザを柔らかく使い、縦方向への面使いでドライブをかけると良い。このとき、長さ(距離)よりも高さを意識した方が、大きなミスにつながる確率は低い。

2009年3月24日火曜日

ピンチから脱出する方法・14

ロビングがバックアウトするとき・1

精神面…逃げない気持ち・我慢強さが大切
 ロビングがバックアウトするときは、気持ちが逃げている場合がほとんど。相手前衛に「取られてはいけない」「取られたらどうしよう」と思ったり、苦しい状況から逃げるためにコースを変えたりすると、ミスしてしまう。
 苦しいときこそ我慢が大切。相手から打ち込まれたボールを、また打たれるのを避けるために前衛の頭を越そうとするとミスのもと。相手後衛の前に何本でも何本でもロビングでつなぐよう、意識すべきだ。

2009年3月23日月曜日

ピンチから脱出する方法・13

スマッシュが決まらないとき

技術面…早めにボールの下へ手首の使いすぎに注意
 精神面に関しては、ボレーの場合と同様。
 技術面では、ミスする原因として、フットワークが悪くボールの下へ入っていないことが、まず考えられる。早くボールの落下点へ入ることを意識しよう。
 足運びとしては、クロスステップで下がること。ネットミスが重なる場合、打点が少し前過ぎるか、重心よりも右側で打っていることが多く、逆にバックアウトが多い場合は、打点が低いか、あるいは重心よりもかなり左寄りで打っていることが多い。
 また、手首を使いすぎても、スマッシュをミスしやすい。サーブの時のようにスピンを意識せず、フラットに打ち下ろせばよい。なおグリップは、ネットに近ければウエスタングリップのままで、ネットから遠くなればややイースタン気味にすると、面が安定する。
 それと、身体に開き過ぎにも気をつけよう。インパクトするときに左足が下がっていると、身体が開き過ぎ、軸もぶれてしまう。どうしても開いてしまう選手や、なかなかタイミングの合わない選手は、ジャンピングスマッシュにすると、結構うまく打てる場合がある。

2009年3月22日日曜日

ピンチから脱出する方法・12

ボレーが決まらないとき・4

技術面(3)…最初からネットに詰めることを意識
 ネットへの詰めが甘いと、ボレーミスしやすい。最初から詰めていないとか、ラリーが続いてだんだん遠ざかった場合、フォローに下がってそのまま詰めていない場合など、状況はいくつかあるが、常にネットに詰めることを意識したポジションを取るべきだ。
 フォローしたり、やや深いスマッシュを追うよりも、まずネットに詰めてボールを追うこと。こうして横方向への動きがある程度できてから、次の段階へ進めばよい。

2009年3月21日土曜日

ピンチから脱出する方法・11

ボレーが決まらないとき・3

技術面(2)…左手を意識しラケットを安定させる
 ボレーをミスする原因としては、しっかりラケット面ができていない、ということも考えられる。そうならないよう、左手(右利きの場合)をイチョウの部分に軽く添えて、面を確認するように心掛けよう。
 また、インパクトの瞬間にラケットを「操作してしまう」選手がよくいるが、これも要注意。飛球線上にラケット面を出し、そのまま素直にインパクトしよう(面を残す意識)。ちなみにグリップは、バックボレーの時はウエスタングリップのままで、フォアボレーの時はややイースタングリップ気味にすると、面が安定しやすい。

2009年3月20日金曜日

ピンチから脱出する方法・10

ボレーが決まらないとき・2

技術面(1)…ステップやフットワークをチェック
 ミスの原因としてまず考えられるのは、ステップを含めたフットワークができていない、ということ。まずボールの所まで行けているかどうかをチェックすることが大切。ポジションを取り、間合いを計ってポーチに行くというのは、やや高度な技術になるので、スタートが少々早めでも、ボールの所まで確実に行くことを心掛ける。抜かれることを恐れてはいけない。抜かれることによって間合いを覚えていくのだ。
 なお、ステップに関しては、基本的にフォアボレーの時は左足から踏み出すこと(右利きの場合)。右足を方向転換のために多少ずらすのはいいが、大きく踏み出してはいけない。バックボレーの時は、反対に右足から踏み出す。サイドステップにも利点はあるが、「走る」ことを意識しよう。

2009年3月19日木曜日

ピンチから脱出する方法・9

ボレーが決まらないとき・1

精神面…自信のなさ・余裕の持ちすぎに注意
 まず第一に、相手のボールに対して自信がないと、ミスにつながりやすい。どうしても逃げ腰でボレーしに行ってしまうからだ。また逆に、相手を(ボールを)甘く見過ぎても、雑なプレーや横着なプレーになり、ミスにつながる場合が多い。余裕がありすぎ、ボールを見過ぎて足を動かさないとか、ラケットを大振りする、あるいはボールを落とす場所に先に目が行ってしまう(ボールから目が離れる)と、せっかくのチャンスをみすみす逃すことになる。甘いボールの時ほど、丁寧なプレーを心掛けよう。

2009年3月18日水曜日

ピンチから脱出する方法・8

トップ打ちが決まらないとき・2

技術面…前に詰めて打点を高くリズムとフットワークが大切
 技術的にはほとんど、レシーブの場合と同様。その中で、できるだけ前に詰めて、高い打点で打つことを特に意識しよう。
 練習で気をつけることはいくつかあるが、やはりリズムとフットワークが最も重要だろう。普段から乱打や1本打ちでしっかりと心掛けて打つことが大切。その際、「軸足(後足)を決めて踏み込み足(前足)を決める」ことを意識する。

2009年3月17日火曜日

ピンチから脱出する方法・7

トップ打ちが決まらないとき・1

精神面…逃げずに前衛のいる場所に打ち込む
 トップ打ち、ライジング、チャンスボールなどをミスする場合、原因として考えられるのは2つ。「決めなければ」というプレッシャーが強いか、「相手前衛に対する意識」が強いか、である。
 まず、「決めなければ」というときは、失敗を恐れずに思い切って打っていくことが大事。そして後は、打点を落としていないかどうかチェックすれば大丈夫だ。
 それに対して「相手前衛に対する意識」が強いとき、こちらの方が状況としては多い。相手前衛があまり上手でない場合は、こちらも余裕ができ、通常のリズムで打てるものだが、相手前衛が上手なときは、「取られないだろうか」とか、「取られないようにしなければ」と考えてしまい、いつものリズムを崩したり、前衛から遠い、難しいコースを狙ってミスしてしまいがちだ。また、うとうとしたコースに相手前衛がポーチしに来て、あわててコースを変えたりしてミスをすることもある。
 相手前衛に取られる恐さからミスが続くときは、逃げて打とうとせずに、逆に相手前衛のいる場所(ポジション)に、思い切り打ち込む方が良い。上級者になるほど、このような場合で「センター攻撃」に挑戦するものだ。
 決めのボールを打つときは当然、勝負にいくのだから、文字通り「勝つか負けるか」の割り切りが必要。「取れるものなら取ってみろ」という気持ちが大切だろう。至近距離からのアタック攻撃では、相手前衛の顔にぶつけるくらいの気持ちが欲しい。

2009年3月16日月曜日

ピンチから脱出する方法・6

レシーブが入らないとき・3

技術面…バックアウトするときは無理せずロビングで返すのも大切
 バックアウトする状況としては、(1)短いボールを深く返球しようとしたとき、(2)相手のスピードのあるボールを無理して返球したとき、(3)腰が高く手打ちで振り回したとき、などが代表的だ。
 まず(1)の場合は、ネットにかかるときと同様、無理せずに短く返すことを心掛ける。(2)のような場合では、通常の打ち方では打ち返せないと判断したら、ロビングで相手後衛に1本返すこと。無理をせず、臨機応変な考えで、柔軟に対応していこう。
 (3)の場合は、(2)とも連動するが、腰を落とし、タイミング良く振ることが大切。フットワークのリズムを取り、軸足(後足)を意識して、早くバックスイングをしよう。

2009年3月15日日曜日

ピンチから脱出する方法・5

レシーブが入らないとき・2

技術面…ネットにかかるときは手打ちになっていないかチェック
 レシーブがネットにかかるのは、(1)短いボールを無理して打ったとき、(2)上体が突っ込んでいるとき、(3)バックアウトを恐れて振りが小さくなっているとき、などである。
 (1)の場合、短いボールは無理せずに短く返し、次の返球に対処した方がよい。
 また(2)の場合については、フットワークのリズムが崩れて、最初から前足に重心がかかっていることが多いので、軸足(後足)を意識したフットワークをすること。
 (3)の場合、たいていバックスイングの遅い「手打ち」が原因。自分の意識よりバックスイングをワンテンポ早く行うようにしよう。ネットにかけるよりも、バックアウトする方がましだ、ということも頭に入れておく。

2009年3月14日土曜日

ピンチから脱出する方法・4

レシーブが入らないとき・1

精神面…ポジティブなイメージ作りを
 サーブの場合と一緒で、「入れなければ」というプレッシャーから、振りが鈍くなったり、フットワークのリズムが崩れたりしがちだ。相手のサーブに対する意識が悲観的になり、身体に力みが生じてしまうのだ。
 こんな場合は「強気に」とか「思い切って」とかではなく、相手のサーブを予測し、頭の中で冷静に自分のレシーブのイメージを作ってみると良い。

2009年3月13日金曜日

ピンチから脱出する方法・3

サーブが入らないとき・3

練習では
 トスを上げたとき、軸足(右利きの場合は左足)が動いてしまうと、身体の軸も動き、安定感とパワーを兼ね備えたサーブにならないので気をつけよう。また、サーブのフォームがある程度固まったら、身体に完全に覚え込ませることが大切。毎日100 球くらいは徹底的に打ち込むこと。

2009年3月12日木曜日

ピンチから脱出する方法・2

サーブが入らないとき・2

技術面…ネットするならスピンをかける
 サーブがネットにかかるときは、トスをやや後ろに上げ、ボールを押す感覚で、スピンをかけるといいだろう。逆にサーブが長い場合は、トスをやや前方に上げて、インパクト後に右足(右利きの場合)を1歩踏み出すようにしよう。
 なお、サーブが打ちにくい状況としては、風が強い場合も考えられる。そういう時は、風の影響を受けないようにするため、トスをいつもより低めにし、風上からは速いサーブよりも、スピンをかけることを意識する。風下からは、ボールをフラットに押す感じで、意識としてはオーバーするくらいの感覚で打とう。

2009年3月11日水曜日

ピンチから脱出する方法・1

サーブが入らないとき・1

精神面…リラックスがすることが第一
 ファーストサービスを「絶対に入れなければ…」というプレッシャーから、リズムを崩すことが多いもの。その結果、トスが乱れたり、ボールを置きに行ったりしてしまう。
 固くならないためには、試合の早い段階で、思い切りサーブを打ってみると良い。この時は、入るか入らないかにこだわらないこと。別に入らなくても構わないので、とにかく思い切り打ってみよう。また、ヒザの屈伸運動を5~6回くらい行い、トスとリズムだけに集中するのも良いだろう。

2009年3月10日火曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・23

焦りの心理・3

行動のレベルでの解決策
練習および試合前の対策
1.焦って失敗しがちな局面を想定し、その解決策を考える
2.焦っている自分を想像し、キーワードや呼吸法で成功しているイメージトレーニング

試合中の対策
1.ポイント間の間を取り、深呼吸や筋の緊張を素早くほぐす
2.ミスをした後も冷静に振る舞い、動作をゆったりと行う
3.焦ったり自滅したりする自分に早く気づき、キーワードや深呼吸で自分本来のプレーに戻す

2009年3月9日月曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・22

焦りの心理・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.じっくり粘っていこう
2.自分自身を見失わず、今やるべきプレーに専念しよう
3.自分ひとりで試合しているのではない
4.あくまでパートナーを信頼しよう
5.大事な場面はコンビプレーで
6.勝ち負けという結果は後からついてくるもの

2009年3月8日日曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・21

焦りの心理・1

試合における問題状況
1.相手のペースにはまってしまう
2.予期しないことが起こる
3.大事なカウントで、絶対決めてやろうと力んでしまう
4.パートナーの調子が良くないと、自分で決めようと焦って自滅する
5.勝ちが見えてくると、勝ち急ぎが出てしまう

2009年3月7日土曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・20

弱気の心理・3

行動のレベルでの解決策
練習での対策
1.ノミの心臓だからこそ、納得のいくまで練習し、相手のことを研究する
2.技術的なチェックポイントをしっかり持っておく
3.99%勝てるようにコンディショニングを実施する
4.弱気になってミスしそうな状況をあらかじめ想定し、強気に向かっている自分・成功している自分の姿を思い描く

試合前の対策
1.弱気になりそうな自分に気づいたら、自己暗示・深呼吸・精神集中

試合中の対策
1.ポイント間に気持ちを新たにできる癖
2.いいプレーでもミスプレーでも常に堂々と振る舞う
3.自分自身への悲観的な言葉は避ける
4.呼吸に注意を向け、前向きの考え方をする

2009年3月6日金曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・19

弱気の心理・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.試合はミスがつき物、恐がることはない
2.逃げてはいけない、向かっていこう
3.思い切ってミスをしよう
4.今はここに集中して、自分のプレーをしよう
5.勝ちを意識せず、あくまで今やる1本に集中しよう
6.真の闘争は相手に勝つことではなく、相手が作り出してくれる障害に勝つことである
7.消極的な逃げのテニスで勝っても、本当の満足は得られない

2009年3月5日木曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・18

弱気の心理・1

試合における問題状況
1.大事なカウントで過去のミスが頭に浮かぶ
2.ミスが続くとまたミスをするのではないかと思う
3.勝ちが見えてくると過度に慎重になる
4.弱気になって神経質に考えすぎる

2009年3月4日水曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・17

あきらめの心理・3

行動のレベルでの解決策
練習での対策
1.苦痛や困難を克服する練習を行い、自信をつける
2.目標達成への意欲を高める練習を行う
3.練習中も可能性を信じて積極的に挑戦

試合前の対策
1.相手の実力を客観的に判断し、名前負けしない
2.苦手意識をはねのけるだけの闘志をみなぎらせる
3.自分なりに作戦・戦術を立てて臨む

試合中の対策
1.ポイントの間を十分にとって、次にやるべきプレーの方針をしっかり立てる
2.思い切りのいいプレーを心がける

2009年3月3日火曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・16

あきらめの心理・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.勝負は最後の最後まで分からない
2.最後の1本を取られるまでは負けではない
3.この相手を倒せばヒーロー(ヒロイン)である
4.まだまだあきらめるのは早い
5.強い相手ほど燃えてくる
6.相手も人間、どこかでプレッシャーを感じるはず
7.強い相手でも最悪の状態がある

2009年3月2日月曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・15

あきらめの心理・1

試合における問題状況
1.有名選手や実力が数段上の選手と対戦する時
2.一方的にリードされた時
3.強いチームといいゲームが出来ると満足してしまう

2009年3月1日日曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・14

迷い・注意力散漫・集中力欠如・3

行動のレベルでの解決策
練習での対策
1.イメージトレーニングを通じて、どんな局面でも集中力を発揮でき実力が出せるようにする
2.プレッシャーや集中を妨げる条件を練習に導入する

試合前の対策
1.自信を持ってプレーしているイメージを瞬時に描く
2.会場の雰囲気にのまれないよう、自分の注意の仕方をうまくコントロールする

試合中の対策
1.余分な考えが浮かんだら、まず呼吸に注意を向け、自分のキーワードを用いて集中状態を作る
2.ポイント間で次に何をするべきか素早く決断する

2009年2月28日土曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・13

迷い・注意力散漫・集中力欠如・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.ミスを恐がらず迷わず決め打ちでいこう
2.的を絞ってチャンスを狙え
3.考えすぎずもっと単純になろう
4.周囲の評価のためにやっているのではない
5.相手の応援がうるさいのは自分が強いから
6.相手も同じ条件、風がイヤだという自分の気持ちに挑戦しよう

2009年2月27日金曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・12

迷い・注意力散漫・集中力欠如・1

試合における問題状況
1.自分の技術に自信がもてない
2.どうもひらめきが良くない
3.観衆の応援が気になる
4.相手の応援やヤジが気になる
5.風が気になる

2009年2月26日木曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・11

油断の心理・3

行動のレベルでの解決策
練習での対策
1.練習中も、自分より下の選手とやるときに決して気を抜いたり遊んだりしない
2.大逆転された苦い経験を心して、その対策を考えたトレーニングを行う

試合前の対策
1.相手の捨て身の攻撃に備えて対策を講じる
2.ウォーミングアップも、集中力を高めるように持っていく

試合中の対策
1.自分のペースで試合を進める
2.気のゆるむ自分に早く気づく
3.相手の戦術変更を素早く見抜く
4.エネルギーがみなぎるように行動する

2009年2月25日水曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・10

油断の心理・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.同情も油断も禁物
2.ホッとしたときが一番危険な時間帯
3.決して相手をあなどるな
4.どんな相手でも100 %の力で倒せ
5.油断は思い上がりの行為
6.威勢を張らず謙虚に戦え
7.手を抜いて戦うのは失礼な行為
8.勝負はやってみなければ分からないし、最後の1本まで分からない

2009年2月24日火曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・9

油断の心理・1

試合における問題状況
1.明らかに実力の低い相手と戦う時
2.一方的にリードしてホッとする時
3.大事なゲームを苦労して取ったのに、次のゲームを簡単に落とす
4.一度気がゆるむと元に戻すのが大変

2009年2月23日月曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・8

不安の心理・3

行動のレベルでの解決策
練習での対策
1.練習での緊張感を試合と同等なものにする
2.自己分析によって不安の正体が何かをはっきりさせ、日頃から不安を軽くする対策を講じる
3.あらゆる場面を想定したイメージトレーニングで、不安を克服し成長する姿を描く

試合前の対策
1.時間・用具・ウェア・会場などを確認し、万全の準備をしておく
2.前日の睡眠時間・当日の食事・ウォーミングアップの時間を十分に行う
3.会場ではリラックスし集中できるよう配慮する

試合中の対策
1.不安を見せず、落ち着いた雰囲気を養う

2009年2月22日日曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・7

不安の心理・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.人間である以上、誰でも不安は感じるもの
2.大事な勝負をするのだから、プレッシャーを感じて当たり前と開き直るしかない
3.不安やプレッシャーはプラスのもの
4.不安やプレッシャーの克服こそ自己の成長
5.試合にミスはつきもの、避けることはできない
6.やるだけのことはやった、後はベストを尽くす
7.自分は自分以上のものでも自分以下のものでもない

2009年2月21日土曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・6

不安の心理・1

試合における問題状況
1.不安の対象は、自分・パートナー・相手・周囲・監督・自然条件
2.不安を抑制するとかえって不安がつのる(努力逆転の法則)
3.勝敗にこだわりすぎることから起こる不安
4.過度の不安はプレーを妨害する
5.不安やプレッシャーは自分自身で作る(状況のとらえ方の問題)

2009年2月20日金曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・5

あがりの問題・3

行動のレベルでの解決策
練習での対策
1.あがって実力を発揮できない状況を想定し、その対策を日頃からトレーニングしておく
2.イメージトレーニングでプレッシャーを克服
3.失敗を恐れない気持ちを養う

試合前の対策
1.相手の実力を客観的に判断し、対策を講じる
2.会場の雰囲気にのまれないように、注意のコントロールの仕方を身につける

試合中の対策
1.雑念・余分な考えが浮かんだら、自分の呼吸に注意を向ける
2.ポイント間に視線を身近なものに置く
3.堂々と自信にあふれた態度で臨む

2009年2月19日木曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・4

あがりの問題・2

心・気持ちの持ち方による解決策
1.楽な気持ちでリラックスしよう
2.相手も人間なんだから不安がっている
3.自分の力以上のものを出そうと思うな
4.周囲の評価にこだわるな
5.勝敗を意識しすぎるな
6.結果は後からついてくるもので、ベストを尽くそう
7.試合は練習の成果を出すもの
8.闘いを愛し、試合を大いに楽しもう

2009年2月18日水曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・3

あがりの問題・1

試合における問題状況
1.重要な試合
2.負けることのできない状況
3.周囲の期待が大きすぎる状況
4.体調・技術の調子が悪い状況

2009年2月17日火曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・2

 基本的には対処療法的な方法によって、対処することが必要になるだろう。ただしこの方法は、その状況における特効薬的な処方としては位置づけられるが、きわめて一時的、あるいはその場限りでしか適用できないものもあり、長期の効用は期待できないものもある。
 選手自身が持つ心の特性として、心理的な試合での不適応に対しては、通常の練習場面やコートから離れたところで、長期的な展望のもとに、心のトレーニング、心のセルフコントロール技法の習得に期待することができる。
 次に、試合における心理的トラブルとその対処法一覧をまとめた。その方法には、気持ちや心の持ち方を変えるものと、実際に行動を変えるものとが含まれている。

2009年2月16日月曜日

試合での心理的トラブルとその対処法・1

 選手というのは、技術レベルや大会の規模のいかんに関わらず、試合中には何らかの心理的問題を抱えながらプレーしている。トップレベルの選手も、初・中級の選手も、男子でも女子でも、1回戦でも決勝戦でも、トーナメントでもリーグ戦でも、団体戦でも個人戦でも同じである。その心理的問題を問題として意識しつつプレーするか、無意識のレベルに閉じこめてプレーするかは、個人の心の強さのレベルの違いによるものと思われる。
 一般的には、それらはプレーの発揮にマイナスに作用すると考えられるが、心理的な問題は何もプレーにマイナスの影響を与えるとは限らず、それを克服的課題として乗り越えることによって、効果的に作用することも考えられる。
 試合というのは、いつもの練習場面とは異なる心理的緊張下で行われるので、その緊張の度合いをいかにコントロールするか、そしてそのようなトラブルに対してどのように対応し、かつ試合の中で方向性を見いだすか、解決するかが、ここでの課題となる。

2009年2月15日日曜日

ソフトテニスの心理学・25

セルフコントロールの養成:コートでできるセルフコントロール法(5)

個人的なクセ(儀式)を持つ
 ピンチの時に、精神的なよりどころを自分で意図的に作り出せるわけで、個人的なクセを持っていてそれをすぐに実行できると言うことは、トラブル時に重要である。
 例えば、プレーの前に手をブラブラさせたり、意図的にフットワークを大げさにしたりすることで、自分のリズムを取り戻したり、心や体(脳や神経・筋肉)に待球の準備を知らせる効果もある。
 また、靴のひもを結び直したり、軽く屈伸運動やストレッチすることも効果的な方法である。

2009年2月14日土曜日

ソフトテニスの心理学・24

セルフコントロールの養成:コートでできるセルフコントロール法(4)

ラケットのヘッドアップ
 ラケットをブラブラさせて歩いたり、うつむいて肩を落とし歩くことが、やる気のなさや失望をイメージさせ、プレーに悪影響を及ぼすことがよくある。
 相手にとってみれば、やる気のなさを明らかに示している選手を相手にするほど楽なことはないし、パートナーにしてみれば、はなはだ迷惑なことである。常にラケットヘッドを上に向けて歩くことによって、自分にも相手にも、まだ試合を投げていないという意志表示をする。常に前向きな気持ちの表現が大切である。

2009年2月13日金曜日

ソフトテニスの心理学・23

セルフコントロールの養成:コートでできるセルフコントロール法(3)

視線のコントロール
 落ち着きがなかったり、イライラしているときなどは、意外と視線に落ち着きがないことが多い。このような場合には、ラケット・ボール・ラインといった具体的な用具や施設に視点を絞るのが良い方法である。視覚上の焦点がより明確であれば、精神上の焦点もより明確になる。
 このように視線をコントロールすることで集中力を高め、可能な限りの緊張度を維持できる。集中する対象(注意の対象)を明確にすることで、意識水準をコントロールできる。

2009年2月12日木曜日

ソフトテニスの心理学・22

セルフコントロールの養成:コートでできるセルフコントロール法(2)

呼吸法
 呼吸とボールを打つ動作を一致させることによって、ストロークや試合運びに安定したリズムを保つ方法である。
 一般に、ピンチの時は深呼吸をするが、ここでは息を吸うことよりも、むしろ吐くことに意識を向ける方がよい。
 息を止めて打つ場合、筋肉は緊張を増し、ストロークは正確さを失う。ボールを打つ瞬間に息を吐くようにすると、プレーにリズムが生じ、リラックスと十分な酸素補給ができる。相手にプレッシャーを与えるためにも、声を出して打つのがよい。
 セルフコントロール法としての呼吸法は、目を閉じて腹部に手を当て、呼吸に合わせて上下する手に注意を集中させる。心の中で号令をかけ、それに合わせると良い。例えば、「鼻で吸って(1、2、3)止めて(1、2)吐く(1、2、3)」というように行う。

2009年2月11日水曜日

ソフトテニスの心理学・21

セルフコントロールの養成: コートでできるセルフコントロール法(1)

筋弛緩法
 緊張していると思われる筋肉について、意識的に筋緊張と筋弛緩を作り出すことによって、リラックスする方法である。
 たとえば肩に力が入っている場合には、両肩が首につくぐらい無理に上の方へギュッと押し上げ、顔が赤くなるぐらいの緊張状態を作り、その後で一気に脱力し肩を落とす。それを何度も繰り返す。肩に限らず、手先が震えている場合などには、力一杯こぶしを握り、その後に手のひらを開いてリラックスする、ということになる。
 これらの動作にイメージや暗示的な用語を口ずさむことで、緊張を解きほぐすことができることもある。ギュッと締めることで「力が満ちてきて」、それを解放することで「不安や弱気が体から出ていき」、「新鮮な気持ちで試合に臨める」というものである。

2009年2月10日火曜日

ソフトテニスの心理学・20

セルフコントロールの養成・あがり

 スポーツの大事な場面で、普段の力の半分も出せずに悔やむことが往々にしてある。このように人の面前や観衆の中で行動するとき、過度の緊張によって普段の冷静さを欠き、精神を集中したり自分を統制することができずに、思うようにプレーできなくなる状態のことを、一般に「あがり」と呼んでいる。
 あがりの状態とは、具体的には次のような症状が現れる。のどが詰まったような感じになったり、唾液がネバネバしたり、やたらとトイレに行きたくなる。また、頭がボーッとしたり、落ち着こうとしてかえって焦ったりして、注意力の低下を引き起こす。他によく起こる症状として、手足が思うように動かなかったり、無駄な力が入って動きがぎこちなくなる。さらに、失敗をしないかと気になるとか、勝敗にこだわりすぎて負けることに対して不安を抱いたり、相手が落ち着いて見えて劣等感を抱いたりする。

2009年2月9日月曜日

ソフトテニスの心理学・19

セルフコントロールの養成・火事場の馬鹿力

 人間は、過緊張や危機的場面では、信じられない力を発揮することがある。これを「火事場の馬鹿力」と呼んでいる。
 これに関連して、「生理的限界」と「心理的限界」という言葉が用いられる。普通の状態での筋力発揮は、大脳で抑制されており、生理的限界の90%しか発揮されていないのが、緊急な場面では大脳の抑制がはずれて、100%に近い筋力が発揮される。
 一方、心理的限界とは、「とてもできない」といった自分の意識で決める限界のことで、生理的限界の約20%程度だと言われている。

2009年2月8日日曜日

ソフトテニスの心理学・18

セルフコントロールの養成・スポーツと緊張

 どんな課題においても、大事な場面では緊張がつきまとう。最高の力を発揮するためには最適の緊張水準があるが、以下で、緊張がプラスに働く「火事場の馬鹿力」と、マイナスに働く「あがり」についてみてみよう。

2009年2月7日土曜日

ソフトテニスの心理学・17

試合の心理・平常心で戦う(2)

 この場合の平常心というのは、日常生活のそれではなく、試合という緊張した状況における平常心のことである。従って、これを身につけるためには、日常の練習から常に試合を想定して、試合中に近い興奮状態を経験しておくことがポイントになるだろう。
 また、自分たちが不利な状況下では、下記の点が必要になってくるので、日頃から訓練しておくこと。
  困難な状況下で混乱状態にならないための、楽観的態度の習慣化
  他者から見た自己を考える、自己客観視の能力
  意外性のある解決策を思いつく、中心転換的思考力
 ソフトテニスというスポーツは、ただ単に技術と体力だけのものではなく、勝つためには心理的な戦略が大きな比重を占めているのである。

2009年2月6日金曜日

ソフトテニスの心理学・16

試合の心理・平常心で戦う(1)

 心理的戦略を効果的に行う場合、最終的に重要になってくるのは、「平常心、不動心」と呼ばれるものである。当然ながら勝つために自分たちも相手も心理的作戦と技術的作戦を駆使して戦うわけであり、こちらの戦略に対して相手も応戦して攻めてくる。このとき、予想外の展開、不利な状況下になっても決して動揺しないことが、自分たちのペースで試合を乗り切るために必要なことである。

2009年2月5日木曜日

ソフトテニスの心理学・15

試合の心理・自分やパートナーに暗示をかける

 試合中の選手というのは、いつもと違う緊張状態のもとでプレーしている。当然その緊張によって、情緒も不安定である。このような状況下では、選手によっては他人への依存傾向が強まることがある。他人に励まされたり、自分の行動の指針を自分以外の人に求める傾向が出てきて、何か具体的な指示を誰かにして欲しくなる。
 このような状態では、パートナーや監督、チームメイトの存在が重要となる。彼らが、自信に満ちた態度で見守り、支持・賞賛・激励の言葉を与えることによって、選手自身の自分に対する評価を平常の水準以上に保たせることは、戦略上で大切な課題といえる。
 選手は、監督や仲間の「今日は調子がいいぞ」とか、「相手に打ち勝っているぞ」「その調子で頑張れ」といった支持的評価によって、精神の安定を回復していくのである。いかに自己の緊張のレベルをコントロールできるかどうかが試合の鍵を握るならば、気持ちを盛り上げたり、過緊張の状態から適度なレベルへ沈静化を試みたりするとき、暗示(自己暗示を含めて)は効果を発揮する。

2009年2月4日水曜日

ソフトテニスの心理学・14

試合の心理・相手に心理的負担をかける(2)

 試合の中では、相手のウィークポイントを見極めて、徹底的にそこを攻めたりすることで、プレッシャーをかけることもできる。
 相手のウィークポイントだけを狙って繰り返し何度も攻め続けると、たとえ明らかな弱点のようなものでなくても、「どちらかというと苦手のようだ」といった程度のものでも十分に効果が期待できる。バックハンドとフォアハンドを比較してみてとか、右に移動してのストロークと左に移動してのストロークを比較してとか、スマッシュの追い方がフォアとバックではどうか、アタック止めとポーチの違いはどうか、といったことなどである。
 このように、自分の弱点をしつこく攻められると、相手は技術的にも体力的にも心理的にも消耗してくる。自分の弱点をしつこく攻められると、それだけ自分に対して不安感情を持つことになり、当然のように自信がなくなっていき、それをカバーするために余分な精神的努力を必要とするので、その結果として精神的消耗が促進する。
 時として意識的に相手の意表をつくことや、油断させることも一種のプレッシャーとなる。予想もしなかったことをされたり、不意をつかれたり、セオリーを度外視したプレーなどをされることで、相手は自分たちに対する注意の幅を広げなければならず、警戒心は強まり、それだけ精神的エネルギーを消耗する。

2009年2月3日火曜日

ソフトテニスの心理学・13

試合の心理・相手に心理的負担をかける(1)

 いわゆるプレッシャーを、いろいろな形で相手にかけることである。
 試合前というのは、普通どんな選手でも緊張し、不安を持つが、相手のそのような精神的傾向に便乗して、対戦相手の目の前でデモンストレーションを行うことも、ひとつの戦法である。
 試合前のアップや最初の乱打の際に、意図的に高度なテクニックを見せつける。高い打点・力強いスマッシュ・安定したバックハンド・スピードあふれるストロークといった技術的なものから、体格の良さまで、アピールできるものを大いに主張するのである。それによって相手に少しでも劣等感を植え付けられれば、相手の行動は無意識のうちに妨害を受け、スムーズなプレーは難しくなり、ミスの可能性が出てくる。状況の認知・判断といったものが、プレッシャーをかけられたために動揺し、平常心を持って試合に臨めなくなるのである。

2009年2月2日月曜日

ソフトテニスの心理学・12

試合の心理・先制攻撃で精神的に優位に立つ

 相手の気力・体力・精神力・技術・作戦といったものが総合的に最高の状態に達する前に、先制攻撃を掛けることによって、相手を動揺させ、その技術や作戦的展開における予想を崩すというものである。
 特にソフトテニスでは、試合時間が短い部類に入るため、この戦略は有効である。短期決戦で前半をリードできると、その後の展開が極めて有利なことは明らかで、自分たちの得意なパターンや戦法で、相手より先にリズムに乗ることができる。
 これが成功し、さらに休まず攻め続けることができれば、相手が体勢を立て直したり、作戦を変更する余裕がなくなっていくために、相手の精神的動揺は続き、一方、自分たちは精神的に安定し、余裕を持ってマイペースで試合を続けることができる。

2009年2月1日日曜日

ソフトテニスの心理学・11

試合の心理

 ソフトテニスは、相手との身体接触がなく、移動の範囲も比較的少ないが、それだけに相手のストロークや動作を読んだり、コースや戦況を予測する能力が求められる競技である。
 すなわち、ソフトテニスというスポーツ自体が、作戦的思考を媒体として行われているわけで、ボールを打つ瞬間は別として、「無心にプレーする」ことが難しい種目である。すべての瞬間に考える時間があり、後衛がストローク(サーブも含む)する時に相手と駆け引きする、前衛が相手のボールを読んでポジションを取ったり、モーションをかける、前衛同士の心理的駆け引きなどは、これこそがソフトテニスの醍醐味であると言える。
 以上のような競技特性を理解して、試合における心理、特に心理的戦略のポイントをあげてみる。

2009年1月31日土曜日

ソフトテニスの心理学・10

長所を生かし短所を補い合う(ダブルスの心理)

 コンビネーションの基本は、お互いの良さをどれだけ引き出すか、また、短所をどれだけ目立たないものにするかにある。
 技術的には、例えば、バックが苦手な後衛に対しては、センターに打たせない、あるいはストレートにロビングを上げさせないような、前衛の配慮が必要である。
 精神的には、一方が消極的であればもう一方は積極的、服従的であればもう一方は支配的といった、2人の心理的なバランスを取りながら、信頼関係を築いていくことが必要である。

2009年1月30日金曜日

ソフトテニスの心理学・9

考え方・価値観が似ていること(ダブルスの心理)

 スポーツに対してどのような考え方で取り組んでいるか、また勝敗に対してどのような価値観を持っているかは、ペアのお互いがうまくやっていく上で大切なことである。お互いの気持ちがひとつになるためには、同じような取り組み方が必要である。
 たとえ考え方や価値観が違っていても、プレーに関してどのようなコンビプレーを展開していくかは、共通なものを目指すことが大切である。

2009年1月29日木曜日

ソフトテニスの心理学・8

相性がよいこと(ダブルスの心理)

 「相性」とは、お互いに性格がよく合うことを言う。「馬が合う」とか「意気投合する」とか言った表現がされるものである。
 ペアが成立して、すぐに何となくうまくいく場合もあれば、多少の時間が経過してもなかなかしっくりいかない場合もある。確かに、人間であれば好き嫌いもあり、性格的にも生理的にも合う人がいれば合わない人もいるのは、ごく当然のことである。しかしお互いに相性がよいと思うことは、実力を発揮していく上で大切な要素になる。
 ただ、「相性が良くない」と思っても、1+1が2以下にならないようにお互いの努力が必要なのは言うまでもない。そこに人間としての成長がある。

2009年1月28日水曜日

ソフトテニスの心理学・7

ダブルスの心理

 ソフトテニスはダブルスが主体の競技である。ダブルスの面白さは、何と言っても前衛と後衛のコンビネーションである。以下に、良いコンビを生み出すための条件をあげてみる。

2009年1月27日火曜日

ソフトテニスの心理学・6

ソフトテニスに必要な心理的適性・6

性格的要素
 次に性格的な要素について見てみよう。後衛・前衛というポジションによって、必要とされる性格的特性には違いが見られる。一般的に、指導者や選手の間でよく言われるのは、次のようなものである。
  後衛は、粘り強く、協調的で、情緒が安定し、冷静沈着である。
  前衛は、積極的・攻撃的・支配的・明朗快活である。

2009年1月26日月曜日

ソフトテニスの心理学・5

ソフトテニスに必要な心理的適性・5

5.自制心(心理的要素)
 不安やプレッシャーによる緊張をいかにコントロールするかは、持っている力を十分に発揮できるかどうかにつながる。雑念を払いのけてプレーしたり、ミスによる心理的な変化を外に見せないようにして、平常心でプレーできるような態度を身につけることが大切である。

2009年1月25日日曜日

ソフトテニスの心理学・4

ソフトテニスに必要な心理的適性・4

4.自信(心理的要素)
 スポーツをすることによって自信を身につけることは、生活していく上でも勉強する上でも、試合で実力を発揮していく上でも大切な要素である。

2009年1月24日土曜日

ソフトテニスの心理学・3

ソフトテニスに必要な心理的適性・3

3.集中力(心理的要素)
 練習や試合で、いかに持っているものに集中して力を発揮するかは、重要な要素である。特に、試合で安定した力を発揮するためにも、不利な状況やプレッシャーのかかった状況で、ここ一番の強さを身につけることが大切である。

2009年1月23日金曜日

ソフトテニスの心理学・2

ソフトテニスに必要な心理的適性・2

2.努力(心理的要素)
 人より多く練習するとか、最後まであきらめないとか、自分の限界までやり抜くといった、どんなことでも努力することの価値は大きい。もちろん結果も大切であるが、努力すれば必ず報われると考える態度、また結果が良くならないのは努力が足りないといった考え方で取り組むことが重要である。

2009年1月22日木曜日

ソフトテニスの心理学・1

ソフトテニスに必要な心理的適性・1

技能の上達に必要な心理的要素を、以下にあげてみる。

心理的要素
1.勝利達成要求・やる気
 勝ちたいとか上手になりたいという意欲は、上達するために基本的に必要な要素である。もちろんスポーツに取り組む態度には色々あり、友達を作ることや体力を付けることやストレスを発散することなど、必ずしも勝つことだけではないが、強くなりたい気持ちは誰でも持っており、上達する意欲は欠かせないものである。

2009年1月21日水曜日

メンタルトレーニングについて・18

セルフイメージの改善の暗示・5
暗示文の作り方の例(続き)

 3は意識と潜在意識が統合された特別なアルファ状態で行うので、抗暗示障壁がゆるみ、潜在意識に強く効果的に暗示を作用する。この時大切なのは、願望と確信、そして期待の気持ちである。つまり改善の願望が強いこと、改善されることに確信を持ち、そしてそのことへの期待が大きいことだ。これらが自己暗示の効果を高める条件になっている。選手は「僕のプレーは日ごとに良くなっていく。どんどん良くなる」とか「僕の能力は日ごとに良くなっていく。どんどん良くなる」など、自分なりに言語公式を作り、試してみると良い。
 4は自分の可能性、能力、チャンス、問題解決、目標、すべきことに心のエネルギーを向けさせる文章を書いたり、書いたものを見ることだ。実行してみると分かるが、文章化しているときはかなり心のエネルギーが集中しているはずである。

2009年1月20日火曜日

メンタルトレーニングについて・17

セルフイメージの改善の暗示・4
暗示文の作り方の例(続き)

 1の実際に声を出して行う暗示をセルフトークと言い、肯定的な独り言、気合い入れ、掛け声的なもので気軽に実践できる。ポイントは、肯定的・積極的な方向に自分を意識させる、簡単で気持ちが入る言葉を、実際に声を出して話すことである。セルフトークのコツは、行動のつなぎ目・変わり目に行うことだ。例えば、家を出てドアを閉める時、着替えでユニフォームから首が出た瞬間、靴のひもを締めた瞬間、コートに入る時、ボールを持った瞬間、点を取ったり取られたりした時など、「よしやるぞ」「リラックスして落ち着いていこう」「さあこれから挑戦だ」など、口に出すと良い。ピンチの時こそ、セルフトークは大切なテクニックである。
 2は1のように実際に声を出さずに、心の中で言語化することで、プラス思考を実践することである。

2009年1月19日月曜日

メンタルトレーニングについて・16

セルフイメージの改善の暗示・3
暗示文の作り方の例(続き)

 暗示の意義は、運動選手の否定的なセルフイメージを肯定的なものに変えることである。試合でほとんど勝ったことがなく否定的なセルフイメージを持っている選手でも、自己暗示によって肯定的なセルフイメージを作り出すことができる。
 自己暗示とは、広い意味では言語・イメージ・シンボルなどを応用するものであるが、一般的には暗示というと言語を用いたものを意味する場合がほとんどである。
    1.実際に声に出して行う言語化
    2.普段心の中で行う言語化(言葉で考えること)
    3.意識と潜在意識が統合された状態(アルファ状態)で行う言語化
    4.文章化すること。または、それを見ること

2009年1月18日日曜日

メンタルトレーニングについて・15

セルフイメージの改善の暗示・2
暗示文の作り方の例

・一度に1ポイントだけに集中している。
・プレッシャーを感じたらすぐに対処している。
・大切なポイントはリラックスしてラインを狙っている。
・僕はプレッシャーを楽しんでいる。
・リラックスし落ち着いてサーブを打っている。
・ボールをよく見て、リラックスしてレシーブしている。
・たとえリードされていても積極的に果敢に戦っている。
・ミスをしてもすぐに次に集中している。

これらの言葉を、心を落ち着かせながら繰り返してみよう。

2009年1月17日土曜日

メンタルトレーニングについて・14

セルフイメージの改善の暗示・1

セルフイメージ改善のための自己暗示文の作り方

1.言葉は短く、具体的なものにすること。
2.一人称・現在形を用いること。そうすれば、潜在意識が暗示を文字通り受け取ってくれる。
3.自分が望む具体的な形容、内容を表現する。
  精神面 「冷静に」「あわてない」「集中している」など
  技術面 「ボールをよく見ている」「コーナーを狙っている」など

2009年1月16日金曜日

メンタルトレーニングについて・13

イメージのコントロール

1.自分の得意プレイを想像する。
2.ライバルや難敵に対して自分が好プレイをしている場面を何度も想像する。

2009年1月15日木曜日

メンタルトレーニングについて・12

行動のコントロール・3

試合での態度のチェック

試合が始まる前の自分の態度
試合開始のためにコートへ向かって歩いていくときの態度
ミスをしたときの自分の態度
ゲームとゲームの間での自分の態度
相手のサーブがフォールトの時の自分の態度
納得できないジャッジや汚い反則に対する態度
サービスエースをとられた直後の態度
相手のゲームポイントでの自分の態度

 これらをチェックし、勝者にふさわしい態度・行動をしているか考えてみよう。もし勝者にふさわしくなければ、今すぐ勝者らしく行動すること。

2009年1月14日水曜日

メンタルトレーニングについて・11

行動のコントロール・2

行動のチェック

基本的な生活習慣
食事に関して(栄養や取り方、栄養補助食品など)
試合や練習の準備
健康管理・コンディショニング(休養、ストレス管理、マッサージ、アイシング等)
プレイに対する技術・戦術・トレーニング法などの勉強や研究
  (大会見学、講習会、書籍、雑誌、先生への質問など)
チームメイトや先生とのコミュニケーション、チーム作り

2009年1月13日火曜日

メンタルトレーニングについて・10

行動のコントロール・1

 勝者は勝者らしく考え、振る舞い、行動するものである。勝者になりたければ勝者らしく考え、歩き、食事をし、練習をし、試合に向かい、戦うことが必要である。行動は自分の動機・やる気を強化し、行動は成果を作り出す。果たして、今の自分は勝者にふさわしい態度・行動をしているだろうか。もうしそうでなければ、勝者らしく行動することだ。

2009年1月12日月曜日

メンタルトレーニングについて・9

リラクセーション訓練

1.ゆっくりと呼吸して、おなかや足の力を抜き、全身をリラックスさせる。
2.気持ちが落ちるいていると自分に言い聞かせる。意識を額(おでこ)の真ん中に集中させる。
3.大きくのびをして全身に刺激を与え、さわやかな気分になる。

2009年1月11日日曜日

メンタルトレーニングについて・8

プラス思考への転換・6

プラス思考の例(マイナス思考 → プラス思考)
  「ダブルフォルトだ、しまった」 →  「僕も時にはダブルフォルトもする。次は肩の力を抜いてリラックスしていこう」
  「決勝戦だ。ここまで来て負けた →  「こんな決勝の場に立てるなんてらどうしよう」自分は幸せだ。精一杯よいプレイをしよう」
  「ミスしてしまった。せっかく調子よくなってきたのに」 →  「まだ勝負はこれからだ。さっきは相手がツイていたけど、こんどはそうはさせないぞ」
  「なんだこの審判は。絶対ミスジャッジだ。こんな審判では信用できない」 →  「ドンマイ。1回のミスジャッジで試合は決まらない。落ち着いて全力を尽くそう」
  「風が強くなってきた。風のある試合は苦手だ」 →  「コンディションが悪いのはお互い様だ。こんな時ほど集中力の勝負だ」

2009年1月10日土曜日

メンタルトレーニングについて・7

プラス思考への転換・5

1.マイナス思考の停止
  (主に未来に対する不安、恐怖、心配に対し用いる)
  否定的な状況の受容、中和、観点の転換
  (マイナス思考を引き起こす過去の出来事、現在の状況に用いる)
2.心のエネルギーをプラスの方向、すべきこと、問題解決、可能性、目標に向ける

2009年1月9日金曜日

メンタルトレーニングについて・6

プラス思考への転換・4

 自分のありがちなマイナス思考を書き出して、プラス思考に書き換えてみよう。
 まず、自分の自動化されたマイナス思考に気づくことが大切だ。そして、未来に対する不安、恐怖、心配を生む思考に対しては、思考停止法が必要である。
 自分でそれらのマイナス思考に気づいたとき、心の中で、あるいは小声で、「ストップ」とか「やめろ」と自分に命令するのだ。つまり、マイナス思考の流れを途切れさせ、プラス思考に切り替えるのである。
 また、マイナス思考を引き起こすような過去の出来事や現在の状況に対しては、それらを受け入れてマイナスの意味合いを中和することも必要になる。そして思考の流れをプラス思考に切り替える。これらは初歩的な暗示の実践でもあるのだ。

2009年1月8日木曜日

メンタルトレーニングについて・5

プラス思考への転換・3

 様々な競技分野を通して、チャンピオンやオリンピック級の優秀な選手、トップレベルの選手は、ほとんど例外なく、物事を肯定的・前向きにとらえる「プラス思考」を行っている。
 普段から積極的に前向きにプラスの方向に考える習慣をつけていくことが必要だ。自分次第で肯定的にも否定的にもとらえることができる。現実の出来事、つまり客観的情報に意味づけするのは、その人の考えなのである。

2009年1月7日水曜日

メンタルトレーニングについて・4

プラス思考への転換・2

 一流選手は、物事を前向き・肯定的に考える。これらの選手は失敗の可能性や不安に心のエネルギーを向けず、自分の可能性・能力・チャンス・問題解決・目標・すべきことに、心のエネルギーを向けるのだ。
 一流選手は、困難や障害に出会っても、敗退や敗北、ミスや失敗に意識を向けることは少ない。それらのマイナス思考は、否定的・悲観的感情を引き起こし、プレイに対して好ましくない心理的・生理的変化を与える。このような状態では本来の力を発揮できない。
 困難や障害に出会ったとき「できないかもしれない」「失敗したらどうしよう」と考えることもできるが、「できるかもしれない」「うまくいくのでは」と考えることもできる。どちらの思考が良いプレイや勝利を呼び込むだろうか。

2009年1月6日火曜日

メンタルトレーニングについて・3

プラス思考への転換・1

 選手が自分自身、あるいは自分のプレイについて考えるのは、主に試合の前・最中・後に、自分自身に語りかけることによって行われることが多い。このとき、集中力・自信・闘争心・意欲を向上させるために、プラス思考で考えていることより、マイナス思考で自分を攻めたり、不安や恐れを強化していることの方が多いかもしれない。
 このようにマイナス思考で自分を考えることは、集中力をなくし、自信を失い、不安を生み、緊張を増し、本来持っている力を発揮できなくしてしまう。
 自分の実力を発揮して優れたプレイをするためには、プレイを制限している、心の中で習慣化したマイナス思考を克服しなければならない。

2009年1月5日月曜日

メンタルトレーニングについて・2

セルフチェック

 ネットをはさんでの競技は、自己満足に陥らないように気をつけなければならない。先生や先輩、友人のアドバイスに耳を傾けて自己分析をしてみよう。新たな自分の欠点を発見できることもある。

プレッシャーを感じるのはどんなとき、どんな場合か
 例 相手のサーブが速いと感じたとき
   大事な大会の最初の試合
   マッチポイントを握られたとき
   ファーストサーブが入らなかったとき
プレッシャーを感じたときはどのようになるか
 例 自分でも分かるくらいにフットワークが悪くなる
   サーブのトスを上げたときから、距離感がなくなる
   肩に力が入ってしまい、ボールが浮いてしまう
プレッシャーに対してどのように対処したのか、しなかったのか
 例 声を出して自分を励ます
   先生の方を見て指示をしてもらう
自分の精神面での問題は、どんなことがあるのか
 例 試合前の乱打で相手のボールが速かったりすると、ドキッとしてしまう
   試合が始まって最初のサーブが入らないと気持ちが焦ってしまいミスが続く
どのような時に精神面で良い状態で試合に臨めるか
 例 試合前のウォーミングアップで「いける」と感触をつかむことができたとき
   試合のことを気にしないで、前の日にすんなりと眠りにつくことができたとき

2009年1月4日日曜日

メンタルトレーニングについて・1

 大きな大会を観戦していると、時に選手がとてつもない大声を出したり、大げさすぎると思えるほどのポーズをとることがある。それは、相手との肉体的な交錯のないスポーツだけに、そうすることによって自分の試合に対する集中力と意欲を昂揚しているのだ。1日のうちに何試合も戦わなければならないだけに、心理的なスタミナも大いに必要となる。
 テニスやバドミントン、卓球など、コートの中央のネットをはさみ、ラケットを使ってボールを打ち合う競技は、多分に相手との根比べの要素を持っている。また、コート上で瞬時にして攻撃と守備が入れ替わり、それが繰り返されるので、前のプレイにこだわっていたのでは良い結果は出ない。
 どんな選手であってもミスをしてしまうものである。良い選手、強い選手の条件というのは、ミスをした状態の気持ちをいかに早く切り替えて、新しい気持ちで次のプレイに入っていけるかにかかっている。そして、テニスなどの場合その気持ちの切り替えの方法としても、自分で自分に気づかせるためにも、声を出したり、アクションを起こすということがある。
 また、ミスにこだわっていたのでは次の戦局は見えてこない。たとえミスをしても、次のプレイでそれを取り返す余地はいくらでもあるのだから、絶えずプラス思考でものを考えられるように努めるべきだ。このことは、練習や試合の時ばかりではなく、日常生活の中でも自分の周りに起きた現象に対してできる限りプラス方向へ考えるようにするのだ。そうすれば試合でのミスは気にならなくなり、そのことが結果としてミスを少なくしていくことにつながってくる。
 そして、自分がそうした精神的に安定した状態でプレイすることができて、コンディションが良ければ相手の動きもよく読めるようになる。
 試合は相手との相対関係における精神的な状態を競い合うという要素が強く、それだけに相手の心理状態を理解して試合を進めることが必要になってくる。その点がこれらのスポーツが精神的要素の強いスポーツと言われる理由である。そして、競り合えば競り合うほど、技術よりも精神力が勝負を左右してくるスポーツでもある。
 相手に対する集中力が途切れてしまっては決して勝てない。試合を続けたとしても、とても勝利に向かって戦える状態にはなれない。それくらいに精神的な要素に左右されるスポーツだと言うことができる。

2009年1月3日土曜日

ワンランク上の前衛になる・17

前衛として伸び悩みを感じたら
自分の得意なショットで練習を締めくくる

 自分自身でスランプだと感じているときは、普段の練習のメニューをこなすのもおっくうになりがち。しかしそれでは、いつまでたってもその状態から抜け出すことはできない。
 そんな場合は、自分の得意なショットや、好きなショットで練習を締めくくるのがいいだろう。もちろんこれは、不得意なショットや、調子の良くないショットをしっかりと練習した上での話。それらをきっちりとこなしてから、好きなショットの練習で練習の仕上げをするということだ。
 ポーチボレーの好きな人、スマッシュの好きな人など、さまざまだと思う。このような練習メニューの組み方をすれば、気持ちよく1日を終えることができるので、ぜひ実践してみよう。逆に、調子のいいときは、苦手なショットの練習で締めくくるようにすれば効果的だ。

2009年1月2日金曜日

ワンランク上の前衛になる・16

前衛として伸び悩みを感じたら
勝つことによって自信を回復

 前述のポイントを心掛けても、どうしてもスッキリしない人は、実戦を通して自信を回復させること。勝つことによって、スランプから脱出するのだ。調子のすぐれない時の白星は、何よりの良薬になる。
 だが、ここでいきなり同レベルもしくはそれ以上の相手に挑んではいけない。人によっては少し躊躇してしまうかもしれないが、自分より実力の劣る(絶対に勝てそうな)選手と対戦するのもひとつの手だ。下級生や新入生と練習試合をするのもいい。確実に自信につなげるために、ここはひとつ割り切って、プラス思考で試合に臨もう(戦術が意図的に試合に出しやすい)。

2009年1月1日木曜日

ワンランク上の前衛になる・15

前衛として伸び悩みを感じたら
プレーの楽しさを見つめ直そう

 「前衛として今ひとつ伸び悩んでいる」という悩みは、技術のある中級者くらいなら誰でも1度は抱くもの。そういうときは再度、プレーの楽しさを見つめ直そう。すなわち、勝敗にこだわりすぎず、ボレーをする、スマッシュを打つなど、「前衛をしてプレーすること自体を楽しむ」気持ちを大切にするということ。たまには大きなミスをしてもいい(動きに勢いをつけるイメージ+プレーの切れ)。このような心構えで試合すれば、終わったあと気分はスカッとするし、たとえ思うような結果が出なくても、次の練習や試合に向けての意欲が湧いてくるだろう。
 また、プレーを楽しむという意味では、他の選手の試合を積極的に見るのもお勧めだ。大きな大会の準決勝や決勝だけでなく、自分と同じくらいのレベルでも、ラリーの多い試合を見るのは楽しいし、実戦でのリズム感などを養えたりして勉強になる。技量のない選手ほど、単発になりやすい。