2010年9月30日木曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(12)

本来の正しい感情のバランス(2)

 人の感情面の技量がどのくらいのものかを計るためには、危険と逆境に立たせてみればよい。つまり、テニスで言えば、誤ったコール、試合コンディションの不良、ばかげたミス、多大なプレッシャーなどを受けた場合である。物事が自分の思うようにいっているときは、理想的な感情を持っているときよりもスムーズにはかどるものだ。物事が困難になり、世界中が敵となったとき、それに対抗できるものは、「感情の技量」だけである。

2010年9月29日水曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(11)

本来の正しい感情のバランス(1)

 強く積極的な感情は、喜び、高いエネルギー、決定力や楽観主義の感覚と強く結び付いている。また、穏やかさ、リラクゼーション、自信などの感覚も、感情の浮き沈みに影響を与える。この非常に簡単な相関関係は、プレイを安定させるためのカギとなる。

2010年9月28日火曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(10)

冷静さを失うと身体面にも悪影響を及ぼす(3)

 その人の技術と才能の限界までプレイするためには、正しい化学作用を必要とする。ソフトテニス界で「一定の地位」を得ようとするなら、最初に感情面の「精神コントロール」をしなければならない。なぜなら、本来の冷静な感情を持っていれば、身体的にも正常な化学作用をもたらし、良い調子を保っていることができるからだ。

2010年9月27日月曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(9)

冷静さを失うと身体面にも悪影響を及ぼす(2)

 人は、幸せなときと悲しいとき、怒っているときと神経質になっているとき、リラックスしているときと悩んでいるときとでは、それぞれ化学的には別の身体になっているのである。冷静さを失ったとき、化学的変化は、身体のすべての細胞に影響を与えている。筋肉の緊張、血圧、心拍数、体温、そして集中力などに、ただちに劇的な変化が現れる。驚くべきことに、感情の微妙な変化でさえ、プレイの内容に突然の変化をもたらす。そして同じ理由から、アドレナリン、ノラドレナリン、セヨトニン、エンドルフィンなどのホルモンや神経伝達媒体に化学変化が起こる。逆に考えれば、本来の正しい化学的バランスを維持すれば、めったに「調子の悪い日」はないということになる。

2010年9月26日日曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(8)

冷静さを失うと身体面にも悪影響を及ぼす(1)

 選手の精神状態にジェットコースターのような波があるとき、プレイにも同様に、そのジェットコースターのような現象が起きている。これは生化学的な理由から説明される。神経心理学は、いくつかの神秘のカギを開ける助けとなっている。

2010年9月25日土曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(7)

感情トレーニングにより、プレイの一貫性を向上させる(2)

 精神的な粘り強さは、訓練されて初めて、特定の「感情面のテクニック」と結び付き、その技術は、他の選手と競い合って成功するためには不可欠である。このことは自信を持って断言できる。つまり、重要なのは、精神的に弱い人でも絶対に強くなれるということだ。そのためにしなければならないことは、特別な「感情面のテクニック」を使えるように訓練するだけである。誰でも、プレイのレベルがどれくらいであっても、人は感情面のトレーニングをすることによって、プレイの一貫性(安定性)を向上することができるのだ。

2010年9月24日金曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(6)

感情トレーニングにより、プレイの一貫性を向上させる(1)

 ほとんどの選手にとって、感情トレーニングの概念は、まったく新しいものだろう。ほとんどの選手は、身体的トレーニングをすることが、フォアハンド、バックハンド、サーブ、ボレーなどの、より効果的な上達につながることは知っている。そしてほとんどの選手が理解していないのは、感情トレーニングが、より効果的な「感情面のテクニック」を上達させるということである。

2010年9月23日木曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(5)

「調子の悪い日」を、いかにコントロールするか(2)

 プレイの一貫性こそ、チャンピオンになる資格である。チャンピオンになるには、「調子の悪い日」をコントロールすることを学ばなければならない。それでは、どのようにすれば常に調子を保つことができるのだろうか。一言で言ってしまえば、それは「感情のコントロール」である。その証拠として、プレイの一貫性と感情の一貫性は、非常に密接に結び付いているのである。

2010年9月22日水曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(4)

「調子の悪い日」を、いかにコントロールするか(1)

 一流と呼ばれる選手の中でも、精神的に強いとか弱いとか言われる場合はある。その選択基準は、決してテクニックや才能ではない。一流選手は、その両方を有り余るほど持っている。決定基準は、おそらく「プレイの一貫性」という重大な予想によって決められるだろう。すなわち、常に調子を保っているかどうか、である。持っている才能やテクニックを、限界まで、常に出し切れるかどうかが、精神的に強い選手と弱い選手との分かれ目である。

2010年9月21日火曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(3)

 しかしながら、何回にもわたって思い通りにいかないプレイの良し悪しは、そのような身体的原因と結び付けるわけにはいかない。本当の原因は、感情の変化に伴う化学的反応にあるのだ。それは、過去何年もの調査と研究で証明されている。

2010年9月20日月曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(2)

 なぜ、このような問題が起こるのか。どうして人は、すばらしい人間から間抜けな人間へと、調子の良い日から次の日はダメになってしまうのか。選手の調子が一定していない原因は何なのか。ある程度の答えは予想できる。それは、体調の悪さ、ケガ、睡眠不足、不適当な栄養状態、不完全な装備(ラケットなど)、照明の不足などの身体的原因が非常に大きいだろう。

2010年9月19日日曜日

新・勝利を得るための精神コントロール(1)

 どんな人でも、1年の内の何日かは、他の日に比べて調子の良い日がある。素早く、活発に、力強く、難しいことも簡単に解決できる日である。そういう日には、かならず目と手は一緒によく動き、足は文字通り飛ぶようである。ソフトテニス選手にとっても、「調子の良い日」と「調子の悪い日」があるという事実には、疑う余地はないだろう。

2010年9月18日土曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(16)

まとめ

1.プレイの合間(ポイントとポイントの間)にボールに視線を集中しておくことは、プレイ中のボールへの集中力を高める。
2.プレイの合間に視線をボール、ラケット、ガットに集中させておくことは、感情のコントロールに役立つ。
3.プレイの合間に視線をボール、ラケット、ガットに集中させておくことは、精神的な集中力を高めることにつながる。

2010年9月17日金曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(15)

プレイ中の視線をチェック……精神的な集中力を高めよう(4)

 視線がうまくコントロールされていれば、精神的にも安定した良いプレイができる。プレイに集中できないとき、感情の高ぶりをうまくコントロールできないと、自分の視線をチェックしてみよう。かならず何らかのきっかけがつかめるはずである。

2010年9月16日木曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(14)

プレイ中の視線をチェック……精神的な集中力を高めよう(3)

 次に、プレイしていないときも、視線をボール、ガット、ラケットに集中しておくようにする。このとき、視線が安定していないときに比べて、集中の度合がどのように変化したか比べてみる。視線を常に集中しているときには、精神的な集中と感情のコントロールは、無意識のうちにうまくいくはずである。また、調子がよく精神的にもプレイに集中できているとき、視線がどのように動いているか、気を付けてみるのもよい。自分の視線が安定していること(ボールやガットに集中していること)に気付くだろう。

2010年9月15日水曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(13)

プレイ中の視線をチェック……精神的な集中力を高めよう(2)

 コートに立って、次のような実験を行なうとよくわかる。プレイの合間、視線をできるだけあちこちに移すようにし、プレイ中はボールに集中するように試すのだ。十分な精神集中はまず得られない。視線が安定していないと、集中力もままならなくなってしまうのである。

2010年9月14日火曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(12)

プレイ中の視線をチェック……精神的な集中力を高めよう(1)

 視線の集中と精神の集中の結び付きは、きわめて直接的なものである。どのような場合においても、精神的に何に集中しているかは、視線が何に集中しているかによって決まる。先生の話を聞くときにも、視線が安定していないと、話が頭に入らない。よりよく理解するためには、先生の顔をじっと見つめることである。

2010年9月13日月曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(11)

一流選手の感情コントロール(5)
 また、視線をコントロールする(ラケット、ガット、ボールに視線を移す)ことは、怖れという感情をコントロールするのにも大きな効果を期待できる。選手にとって、周囲の状況に神経質になりすぎたり、怖れの感情を抱くことは、プレイにマイナスの影響を及ぼすものだが、これは視線のコントロールによって抑えられるのだ。自分のプレイや相手にたいする怖れの感情は、まず選手の目に現われる。不安気にほとんど絶え間なく動く視線は、選手の心の中をあらわしていると言えるだろう。その様子は、まるで隠れ場所や逃げ場所を探しているかのようである。このとき、選手の視線がとらえるものは、相手選手から観衆へ、ベンチから審判へといった具合に次々と変化する。こうなると、気持ちを落ち着かせるどころではなく、感情はさらに否定的な方へ向かい、怖れを増長させてしまうのだ。しかし、ここであわてずに、できるだけ早く視線をボールやラケットに戻せば、事態はそれ以上に悪化することはない。逆に冷静さを取り戻すことができ、プレイも良い状態に持っていくことができる。

2010年9月12日日曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(10)

一流選手の感情コントロール(4)
 もしもこんな状況に陥ったときは、視線をラケットやガットに戻してみよう。こうすることにより、感情の高ぶりを抑え、冷静さを取り戻すことができるはずだ。ラケット、ボール、ガットは、感情を持たない中立的なものなので、否定的で不安定な感情をそれ以上に刺激することはない。

2010年9月11日土曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(9)

一流選手の感情コントロール(3)
 感情をうまくコントロールできない選手の場合、審判の目に悪意を感じたり、相手選手が怒りに満ちた表情で自分を脅かしているように感じたり、観衆がすべて自分の敵であるように感じてしまうことがよくある。これは視線をうまくコントロールできていないことが原因となっている。自分に不利なコールをした審判や、いやがらせをする相手選手や、自分のミスに拍手をする観衆に目を向けることは、自分自身の怒りを誘い、冷静さを失う結果となる。コントロールを失った視線は、不安定な感情につながる。

2010年9月10日金曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(8)

一流選手の感情コントロール(2)
 常に安定したプレイを生み出すための感情のコントロールは、視線のコントロールが大きな役割を果たしている。プレイの合間にも、ガットやボールに視線を集中させ、他の物にはめったに視線を移さない。試合が緊迫し、プレッシャーが増大するような時こそ、集中しなければならない。審判のミスジャッジや、相手が故意にいらつかせようとした時でも、チラッとそちらを見たら、すぐに視線をラケット面に戻すようにする。

2010年9月9日木曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(7)

一流選手の感情コントロール(1)
 プレイ中の感情をうまくコントロールすることは、一流選手になるために必要な条件である。一流選手の感情のコントロール法にも、いくつかのパターンがある。まず感情を表面にあらわさずにコントロールするタイプ。次に、特殊な例ではあるが、感情をむき出しにすることによって、逆に集中力を高めていくタイプである。

2010年9月8日水曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(6)

プレイの合間にボールを見ることが、プレイ中の集中力につながる(2)
 一流選手が、試合前やポイントの合間に、ボールをラケットの上で弾ませたり、コートについたりしているのを見たことがあるだろう。このとき彼らは、自分の集中すべき目標物(ボール)に、的を絞っているのである。読売ジャイアンツのエース・桑田真澄投手が、マウンド上でボールに向かって話しかけているように見えるのも、ボールを見つめて集中力を高めているのだ。こうした事前の動作によって、プレイ中に視線をボールに集中させることが可能になる。

2010年9月7日火曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(5)

プレイの合間にボールを見ることが、プレイ中の集中力につながる(1)
 初歩の段階として、プレイ中にボールを見るよりも、プレイの合間にボールに視線を集中しておくことを意識するとよい。実際には、プレイが始る前に視線をボールに集中するように努力しなければならない。プレイの前にボールに視線を集中しておくという作業は、集中すべきものに注目しておくという点で、プレイ中に速いスピードで行き交うボールを視線で追うことを非常に楽にしてくれる。プレイが始った途端、速いスピードで行き交うボールに視線を集中しようとしても、なかなかうまくいくものではない。そうするためには事前の下準備が必要というわけだ。

2010年9月6日月曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(4)

一流選手の視線は常に何かに集中している(2)
 こうした一流選手の視線の動きを観察したら、次に弱い選手あるいは精神的なもろさを持った選手の視線の動きと比べてみよう。精神的な集中を必要とする場面、追い詰められた状況での視線の動きを見比べることによって、一流選手の強さの秘密が次第にわかってくるはずだ。より強く、精神的にも安定した選手の視線は、きわめて正確にコントロールされているものである。

2010年9月5日日曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(3)

一流選手の視線は常に何かに集中している(1)
 一流選手の試合を見る機会があったら、彼らがプレイ中やプレイの合間に、視線をどこに集中しているか注意して見るとよい。もし実際の試合のそばで選手の視線を観察することができれば、プレイに非常に役立つだろう。
 精神的にも安定した一流選手の視線の動きには、共通している部分が多い。基本的な視線の動きのパターンは皆ほとんど同じである。彼らの視線は、常に彼らの意識によってうまくコントロールされており、ボール、ガット、コートのいずれかに集中している。

2010年9月4日土曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(2)

 選手の視線がどこに向いているかという問題は、精神的な強さに大きな影響を及ぼす。一流選手のプレイを分析すると、視線をうまくコントロールすることは、試合などの競争的な場面でよいプレイをするための大きな手助けとなることがわかる。また視線は、プレイ中だけでなく、プレイの合間(ポイントとポイントの間)にもコントロールすることが重要である。

2010年9月3日金曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(1)

 ソフトテニスの指導において、「ボールを見なさい」ということがよく言われる。これは、単にボールを真っ芯でとらえるためだけでなく、精神的な集中力や粘り強さに良い影響を与える。一般的に見ても、プレイ中、インパクトの瞬間まで視線がボールに集中している選手ほど、精神的にも安定しており、良いプレイをしていると言える。

2010年9月2日木曜日

新・ピンチから脱出する方法(31)

パートナーのミスが続くとき(2)

気分良く次の1本に集中できるような配慮を(2)
 パートナーのミスが続くときは、逆の立場で考えればよい。自分がミスばかりしたとき、パートナーからどういう反応を受ければ、気分良く次の1本に集中できるか…、それをよく考えるべきだ。パートナー同士の気配りが大事である。
 前衛がポーチにいってミスを連発した場合、「ドンマイ、ドンマイ」と言うだけで全然違うもの。また試合の序盤なら、後衛が「もう1本同じボールを打つから、もう1回行けよ」とか、「取れるまで行けよ」といったアドバイスをすれば、前衛もずいぶん楽になるだろう。前衛の力を引き出すのは後衛であり、後衛の力を引き出すのは前衛なのだ。

2010年9月1日水曜日

新・ピンチから脱出する方法(30)

パートナーのミスが続くとき(1)

気分良く次の1本に集中できるような配慮を(1)
 パートナーとの「ペアワーク」は、ソフトテニスの一番の醍醐味だろう。試合中よく「2人で1本」という言葉を聞くが、相互信頼・相互補助は、長いトーナメントを勝ち抜くには、なくてはならないものである。
 パートナーのミスが続いたとき、すねた態度をとる選手もいる。会話もなく、励ましの言葉もない。しかし試合展開も戦略も、2人で考えなければ勝利はないのだ。勝った負けたという前に、まず2人で協力し合い、勝つための努力をすることが大切。その結果として勝利がついてくればベストである。