2008年9月30日火曜日

トーナメントで勝つために・6

強い相手と当たったときは、トスに勝ったらレシーブを選択すること

 自分より強い相手に対して、いきなり4ゲーム連取することは考えにくい。いくら善戦しても、取ったり取られたりの試合になってくる。強い選手はたいていサーブも得意なので、リードを許した状況でサーブを打たせると、思い切ってエースを狙われたりして不利である。調子に乗る前に相手のサービスゲームを終わらせた方が、自分のペースで試合を組み立てやすい。

2008年9月29日月曜日

トーナメントで勝つために・5

大きく崩れないためには、お互いの調子を冷静に見る目を持つこと

 どんな試合でも「流れ」というものがある。この「流れ」をつかめるかどうかで、試合が決まってしまうことも多い。ペアの2人とも調子がいいというときは少なく、たいてい、どちらかがいいときはもう1人は悪いものだ。このような調子のアップ&ダウンを、冷静に見極める目を持つことが出来れば、一方的に崩れるということは少ない。相手に「流れ」が行っているときは、それまでの展開を捨てて、例えばずっとロビングを上げるなど、全く違うプレーをすることも、時には大切。

2008年9月28日日曜日

トーナメントで勝つために・4

序盤で大切なのは、相手の決めたコースを覚えておくこと

 序盤に相手のチャンスボールでポイントを失ったとき、相手がどのように攻めてきたかを覚えておくことが大事だ。たとえばポーチで決められたとき、スマッシュで決められたとき、相手はチャンスボールなら自分が得意なコースへ決めてくるはず。この「得意」としているコースを覚えておけば、中盤や終盤でそのコースだけをカバーし、相手に苦手な方へ打たせてミスさせたり、場合によっては後で述べるように「得意なコースを止める」ことも可能になる。

2008年9月27日土曜日

トーナメントで勝つために・3

どんな相手と当たっても、最初の2ゲームを必死になること

 高校の大会はほとんど7ゲームマッチ。瞬発力の勝負である。そこで大事なのが最初の2ゲーム。最初の2ゲームで1-1に、そして2-2に持っていけば、もう相手とのレベルの差なんて関係なくなる。だからとにかく最初の2ゲームを頑張ることが大切。また、負けたとしても、1-1から1-3になった場合と、0-2から1-3になった場合では、相手の本気度が違う。当然、相手を本気にさせた1-1からの敗戦の方が、後につながるはずだ。

2008年9月26日金曜日

トーナメントで勝つために・2

ドローを見たときに、名前負けしないこと

 勝てるだけの実力はあるはずなのに、「名前負け」してしまう選手がよくいる。相手がシードだとか相手の実績とかは、試合前は気にしないことが一番。「どうせトーナメントなんて一発勝負、やってみなければ分からない」と思えば、有名選手相手でも勝つチャンスが生まれる。

2008年9月25日木曜日

トーナメントで勝つために・1

 技術を向上させることも重要な要素だが、試合で勝つためには戦術・戦略・使えるテクニック等も重要になってくる。ここであげるのはそのための「キーワード」集である。試合の時に思い出してほしい。

2008年9月24日水曜日

フットワークのトレーニング・24

補足

 ここまでで、ひととおりのフットワーク・ドリルは終了である。最後に補足として、各ダッシュでのスタートの仕方のバリエーションに触れておこう。座った状態や、うつ伏せに寝た状態、仰向けに寝た状態など、いろいろな姿勢からスタートしてみるのも、なかなか効果的な方法である。身体を起こす際に、腕や腹筋、背筋なども使うことになるため、フットワークのドリルに、付加価値的な要素も加わる。それぞれのドリルの効果を高めるために、試してみると良い。

2008年9月23日火曜日

フットワークのトレーニング・23

⑤.ボール・キャッチ(20球×3~5セット)
 これは2人組で行うドリル。まず球出し役が、選手のどちらかにワンバウンドするボールを送り、選手はそれを追っていってキャッチする。すぐさま球出し役は反対のサイドにボールを送り、選手はターンしてそのボールを追って、キャッチするというドリル。連続して20球ほどやったら、1セットが終了。1~2分の休憩を挟んで、これを3~5セット行う。なお球出し役は、選手が慣れてきたら単調に両サイドに出すのではなく、フェイントで逆を突いたり、ボールの長短を変えたりして、アクセントをつけると良い。

2008年9月22日月曜日

フットワークのトレーニング・22

④.ライン・ダッシュ&スプリット・ステップ(片サイド3セット、計6セット)
 これもコートのラインを利用したドリルで、今度はラインに沿って各種のダッシュを行う。まずベースラインとサイドラインの交差点からスタートし、サイドラインに沿ってネットまでダッシュ。ネットにタッチしたら、今度は後ろ向きのダッシュで、サービスラインまで下がる。そこでスプリット・ステップし、次はサービスラインに沿ってセンターまでサイドステップで移動。そしてセンターライン沿いにネットまでダッシュする。ネット・タッチ後、後ろ向きのダッシュで再びサービスラインまで下がり、スプリット・ステップ。サービスライン沿いに、サイドステップでサイドラインまで移動し、またネットまでダッシュする。そしてネットタッチしたら、後ろ向きのダッシュでベースラインまで下がり、ゴールという手順。複雑に思うかもしれないが、前への移動はダッシュ、後ろへの移動は後ろ向きのダッシュ、横への移動はサイドステップで、常に身体はネットに向いている、と考えると覚えやすい。これが終わったら、1~2分の休憩後、今度は逆方向から同じ要領で行う。休憩を挟みながら片サイド3セットずつ、計6セット行ったら、すべて終了。これは非常にポピュラーなドリルで、バリエーションも自在に変えられる。たとえば後ろ向きのダッシュをサイドステップにしたり、サイドステップをクロスステップにしたりと、いろいろ応用が利く。

2008年9月21日日曜日

フットワークのトレーニング・21

③.ライン・タッチ(5セット)
 これはパターンBの⑦のドリルを、テニス・コートのラインを使って行うバージョンである。サイドラインからスタートし、まず手前のサービスサードラインまでダッシュ。スタート地点まで戻って、次はセンターラインまで、その次は反対側のサービスサイドラインまで、最後は反対側のサイドラインまでというように、1本ずつ先のラインまで伸ばしていく。各ラインでは、その都度しゃがんで、片手もしくは両手でラインをタッチするように。これも1~2分の休憩を挟んで、5セット行う。ここではコート1面で行っているが、疲れがないときならば、2面を使って行っても良い。また、ダッシュばかりでなく、サイドステップで行っても効果的だ。

2008年9月20日土曜日

フットワークのトレーニング・20

②.ボール運び(ボール5~6個×5セット)
 ラケットを両サイドライン付近に置いておき、片方のラケット面にボールを5~6個置いておく。反対側からスタートし、ダッシュでボールを1個ずつ運ぶというドリル。途中でボールがラケット面からこぼれたらやり直し。ボールを全部運んだら1セットが終了する。これも1~2分の休憩を挟んで、5セット行う。2~3人で競争して行うのも良い。このドリルは、ただ走るだけではなく、しゃがんで起き上がるという動作も加わるので、足腰のトレーニングにもなる。基本的にはV字ダッシュと似た性質のトレーニングだが、遊びの要素も入っているので、選手が練習に飽きているときに用いると効果的。

2008年9月19日金曜日

フットワークのトレーニング・19

パターンC・試合の1カ月~4日前までに行うメニュー

毎日この中から1つか2つをピックアップして行う
①.V字ダッシュ(V字往復5回×5セット)
 その名前の通り、V字を描くようにダッシュするドリル。センターマークからスタートし、まず片方のネットの端までダッシュする。そしてネットにタッチしたら、今度は後ろ向きのダッシュでセンターマークまで戻り、続いて逆サイドも同じように行う。これでV字を1回往復したことになる。連続して5回往復したら、1セットが終了。1セットの所要時間はだいたい60~75秒。1~2分の休憩を挟んで、これを5セット行い、ドリルは終了。試合前の仕上げとして用いると良い。ハムストリング(大腿の裏側の筋肉)を鍛えるのに有効なトレーニングで、女子選手には特に必要なトレーニング。ラケットを持って走るとなお良い。

2008年9月18日木曜日

フットワークのトレーニング・18

⑨.Gボールを使ったドリル
 最後はコーンを使わず、Gボールを使ったドリル。コーチがコートの中央に立ち、選手はサービスラインの中央からスタート。ネットの方向に走って行く。選手がネット付近まで来たら、コーチはGボールをサービスラインぐらいにバウンドするように空中に投げる。選手はターンしてGボールを追い、バウンド後のGボールをキャッチする。これをひとり5セットずつ行い、フットワーク・ドリルはすべて終了。ドリルの終盤は、このような遊びの要素の多いメニューを組むようにし、集中力が途切れないようにする。

2008年9月17日水曜日

フットワークのトレーニング・17

⑧.ボール・スクランブル
 これはやや遊びの要素を取り入れたメニューで、4人でテニスボールを奪い合うというドリル。正方形を作るようにコーンを4つセットし、中央にボールを12個置く。5人いるうちの4人が参加し、それぞれ4つのコーンの位置につく。そのコーンの周囲を自分の陣地として、そこから中央のボールに向かって、4人同時にスタート。ボールをひとつずつ自分の陣地に運び、先に4個ボールを集めた者が勝ちとなる。ただしボールは12個しかないので、通常4個集める前に中央のボールはなくなってしまう。そのため、他人の陣地からボールを持ってきてもOK。その代わり他人のボールを取ったときは、必ず中央を経由してから自分の陣地に運ばなければいけないというルールだ。要するに、他人が4個集めるのを阻止しながら、自分が4個先に集めるという、駆け引きの要素を持ったゲーム。ボールを運びながら終始他人の収集状況を見ておき、それにとっさに反応しなければならないので、単に脚力を鍛えるだけでなく、状況判断能力も養えるというトレーニングである。こうして、勝った者は次は抜けて、待っていた者が入る。そのローテーションで10セットほど行う。

2008年9月16日火曜日

フットワークのトレーニング・16

⑦.ダッシュ&ストップ、およびサイドステップ&ストップ
 再開後は、まずダッシュとストップを組み合わせたメニューから入る。一番手前のコーンからスタートし、まずひとつ前のコーンまでダッシュ。そこでストップして素早く向きを変え、再びダッシュでスタート地点まで戻る。戻ったらまたターンし、今度はもうひとつ先のコーンまでダッシュ。またターンしてスタート地点まで戻る。この繰り返しで、ひとつずつコーンを先に伸ばしていき、ゴールまで行く。これを2~3人競争して行い、ダッシュ、ストップ、ターンのスピードを養う。足のスライドをうまく使って、素早く方向転換することが大切。これが終わったら、今度は同じ要領で、行きはサイドステップ、帰りはダッシュというようにバリエーションを変えて、もう1本行う。

2008年9月15日月曜日

フットワークのトレーニング・15

⑥.ダッシュと後ろ向きダッシュのコンビネーション
 今度は、ダッシュと後ろ向きダッシュに、コーン・タッチとジャンプを組み込んだコンビネーション・メニュー。一番手前のコーンからスタートし、斜め前のコーンまで前向きでダッシュ。そこで両手でコーンをタッチする。そして次のコーンまでは、後ろ向きでダッシュ。着いたらその場でジャンプする。その繰り返しで、コーンを伝ってジグザグに進んでいく。これは筋力強化ではなく、動きを良くするトレーニングなので、タッチとジャンプはしっかり行う。このドリルも2本行う。ここまで終わったら、かなり疲れているはずなので、少し休憩を入れる。水分を補給して、2~3分後に再開。

2008年9月14日日曜日

フットワークのトレーニング・14

⑤.ダッシュ&サイドステップ(パターン2)
 これもダッシュとサイドステップを組み合わせたドリルだが、今度はコース取りが異なっている。スタートしてまず前方のコーンまでダッシュで移動したら、次は斜め後ろのコーンにサイドステップで移動する。またダッシュで直進して、サイドステップで斜め後ろに戻る。これの繰り返しである。④のドリルと比べると走る距離がかなり長くなるので、ハードなドリルだが、やはり素早く、小刻みに足を動かすことが大切。このドリルも2本行う。

2008年9月13日土曜日

フットワークのトレーニング・13

④.ダッシュ&サイドステップ(パターン1)
 今度は、ダッシュとサイドステップをミックスしたドリル。スタートしたら、前方のコーンまでダッシュで移動し、次に斜め前のコーンへサイドステップで移動する。後は交互にその繰り返しである。「直進はダッシュ、ラインを還るときはサイドステップ」と覚えると良いだろう。サイドステップは、なるべく小刻みに行うように心がける。なおこのドリルは2本行う。

2008年9月12日金曜日

フットワークのトレーニング・12

③.サイドステップ(コーン・タッチ)
 これはサイドステップの別のバリエーション。要領は②と同じだが、②よりももう少し早くサイドステップで移動し、ターンの時にコーンを片手でタッチする。これだと、一度しゃがんで起きあがるという動作が加わるので、足腰のトレーニングにもなる。②よりもトレーニング要素がひとつ増えたというパターン。

2008年9月11日木曜日

フットワークのトレーニング・11

②.サイドステップ
 ①の要領でサイドステップを行うドリル。ただし今度はコーンの外側を回るのではなく、コーンの内側を移動する。コーンを1個ずつ伝って、ジグザグにサイドステップで進んでいく。コーンからコーンの間は、サイドステップ2歩で移動。クレーコートで行う場合は、ターンで足をスライドさせてしっかり止まるようにする。

2008年9月10日水曜日

フットワークのトレーニング・10

パターンB

試合の1~2カ月前に行うメニュー
①.ダッシュ
 コーンの置き方は、コート2面ほどの長さに、片側8本ずつ、互い違いにして2列に並べる。コーンの縦の間隔はだいたい歩いて4歩ぐらい、横幅は3歩ぐらい。その日の疲れ具合によってコーンの数は減らしても良い。なお、このコーンの置き方は、この後のメニューにも共通である。最初のメニューは、まず基本的なダッシュのドリルから始める。1番手前のコーンからスタートし、コーンを1本ずつ外側から回り、ジグザグにダッシュする。適当な間隔を空けて次の選手がスタートし、手順良く行う。ターンでは小刻みなフットワークを心がけるのがポイント。大回りしないように注意して行う。

2008年9月9日火曜日

フットワークのトレーニング・9

⑩.スパイダー・ドリル
 コート上に横に並べられたコーンにそれぞれ意味を持たせ、指示に従って選手は動き回るドリル。真ん中の2つのコーンがそれぞれフォアとバックのロー・ボレー、遠い2つがフォアとバックのストローク、そして頭上への指示がジャンピング・スマッシュとなっている。コートには2人同時に入り、指示に従って振り回されるが、こうすることによって選手のトータル的な反応スピード、筋力の強さを2人比較して見る。

2008年9月8日月曜日

フットワークのトレーニング・8

⑨.両足同時のサイドジャンプ
 同じドリルを今度は両足ジャンプで行う。足が疲れてくるとラインまでちゃんと飛べなくなってくるが、声をかけて最後まで頑張らせる。休まず、連続して行うことによって脚力は強さを増すからだ。

2008年9月7日日曜日

フットワークのトレーニング・7

⑧.片足ずつのサイドジャンプ
 サービスサイドラインに立ち、右足で蹴って、左足でサイドラインに着地。今度は、その左足で蹴って、右足でサービスサイドラインに着地するという動作を連続して行うトレーニング。このときにもベースラインから初めてネットまでというように、徐々に前進しながら行うのがポイント。

2008年9月6日土曜日

フットワークのトレーニング・6

⑥.オープンスタンス・スウィング・ドリル(フォア)
 サービスサイドラインをまたいで立ち、右への一歩の踏み込みでサイドラインを踏むようにしながらオープンスタンスで連続してフォアのスウィングを行う。このドリルでは、同じ所でステップとスウィングを繰り返すのではなく、ネット付近からベースラインまで徐々に前進していくことがポイントとなる。現在では頻繁に行われるオープンスタンスでのショットにおけるステップを身につける練習。
⑦.オープンスタンス・スウィング・ドリル(バック)

2008年9月5日金曜日

フットワークのトレーニング・5

⑤.サイドステップ&スウィング
 両サービスサイドラインの内側に1メートル間隔でコーンを置き、左右にサイドステップで動きながらフォア、バックのスウィングを行う。激しく左右に振られたときにもバランスを保つためのトレーニング。連続して横に振られたときでも正確にサイドステップを踏めるように1メートル間隔でコーンを置いてある。2人同時に始めると、徐々に2人の差が現れてくるので、それで選手の能力を計ることもできる。

2008年9月4日木曜日

フットワークのトレーニング・4

④.サーブ、スマッシュ&ボレー
 ベースラインからサーブの素振りをし、すばやくボレー・ポジションまで詰めてファースト・ボレー、さらにネット近くまで詰めたところでロブが上がったと想定しジャンピング・スマッシュする連続ドリル。テニスでの前後の動きをすべて取り入れたメニュー。

2008年9月3日水曜日

フットワークのトレーニング・3

③.ミラー(シャドウ)・ドリル
 3メートルほどの距離にコーンをおき、2人が向かい合わせに立ってフェイクを入れながら左右に動き、相手を振りきった方が勝ちというトレーニング。交互に主導権を握りながら行う。このトレーニングでは、左右へのすばやい対応とステップの切り替え、それに伴う反射神経を鍛えることができる。

2008年9月2日火曜日

フットワークのトレーニング・2

パターンA

試合の2カ月以上前に行うメニュー
①.ウォーミング・アップ
②.ペッパー・ドリル
 2人が1組になり、ひとりが手でボールを投げ、もうひとりはそのボールをラケットで打ち返すというトレーニングを交互に行う。ノー・バウンドで返球するバージョンとワン・バウンドで返球するバージョンがあるが、投げる方はどちらも相手がやっと届くところにボールを出すのがポイント。このトレーニングは反応の速さ、大腿部の筋力強化に有効である。

2008年9月1日月曜日

フットワークのトレーニング・1

 このトレーニング・メニューは、パット・エッチェンベリー氏の考案したものである。彼はチリ生まれの元陸上オリンピック代表選手で、引退後はフットワーク・トレーナーとして、東京オリンピック100メートルの金メダリスト、ヘインズのフットワーク・ドリルを担当した。テニスの世界に入ってからは、ボルグのフットワーク・トレーナーを経て、現在はサンプラス、クーリエ、ブルゲラ、メドベデフといった世界トップ10の内4人のフットワークを担当している。