2008年10月31日金曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・25

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向
サービス

トスと一緒に膝も伸び上がる・・・・・・ネットしやすい
打点が低い・・・・・・ネットしやすい
グリップが薄すぎる・・・・・・ネット(当たりがかすれやすい)
グリップが厚すぎる・・・・・・オーバー(回転がかかりにくい)
びびって置きにきたスピン・サーブ・・・・・・オーバーしやすい
テイクバックからフォロースルーの小さいスウィング・・・・・・打ち頃のボールが来やすい

 サービスでは、先に説明したように、のびのびと滑らかに振り切れているかどうかというのが、やはり重要な見るべきポイントとなる。サービスは精神的な影響を非常に受けやすいショットなので、スウィングに無理や不安のある人ほど、緊張感が高まってきたときに振り切れなくなってくる。そうすると、威力が落ちるだけでなく、回転のかかりも悪くなり、ますます崩れていきやすいわけである。また、打点が十分に高くとれているかどうか、無駄な動きや無理な動作がないかどうかという点も良く見ておくべきだ。

 膝は、トスを上げるとともに曲げていくのが普通だが、ときどきトスを上げる動作につられて伸び上がってしまう選手がいる。そういうクセのある選手は、タメが利かないので、サーブに威力がなく安定性にも欠けると思って良いだろう。

2008年10月30日木曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・24

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向
スマッシュ

正面を向いて打つ・・・・・・クロスにしか飛ばない
打点が頭の後ろになっている・・・・・・バック・アウトしやすい
足が止まって腰が引ける・・・・・・ネット・ミスしやすい
リストを使いすぎる・・・・・・ネット・ミスしやすい
腕の回内ができない・・・・・・威力がない
フォロースルーと一緒に左手が身体の左側に流れる・・・・・・威力のあるボールが打てない

 スマッシュの技術で最も大切な見るべきポイントは、きちんと落下点に入れているかどうかということだ。厳しいロブでもないのに、打点が頭の後ろになっていたり、腰が引けていたり、打点が低くなったりしているのは、打点をきちんと把握できずタイミングも正確につかめていない証拠である。上から来るボールに対する距離感というのは個人差が大きいので、この能力が優れているかどうかでスマッシュが好きか嫌いか分かれてくる。また、正面を向いたまま下がったり打ったりするのも、自信のなさのあらわれと言える。

 深いロブでもないのに打点が頭の後ろになるクセのある選手は、ボールを押さえ込むことができずにバック・アウトする確率が高い。スマッシュできないほどの厳しいロブを打たなくても、少し下がりながら打たせるようなロブさえ上げれば、それほど恐くはない。また、手首の使い方が極端な選手は、スウィングが小さくなりやすく、引っかけてネット・ミスしやすい。ときにはわざと浅めのロブを上げてみると、ミスを誘える可能性もある。

2008年10月29日水曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・23

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向
ボレー

スタンスの狭いボレー・・・・・・ネット・ミスしやすい
テイクバックが大きい・・・・・・バック・アウトしやすい
ラケット・ヘッドが下がる・・・・・・ネット・ミスしやすい
ラケットをフォア側に構えてボールを待つ・・・・・・バック・ボレーに自信がない
構えているときから力んでいる・・・・・・スウィート・スポットを外しやすい

 ボレーでまず見るのは、ボール・スピードの変化への対応(フットワーク)や、ボールと身体との距離感だが、それ以外にも見ておくべき点をここに示した。中でも大切なのに見落としがちなのが、レディ・ポジション(待球位置)である。1球打つたびにきちんとレディ・ポジションに戻れているかどうか、どんなボールにも反応できるようなリラックスした構え方ができているかどうかを、よく見ておかなければならない。また、肩や腕の筋肉に緊張が見られる場合、力が入っている証拠と言える。

2008年10月28日火曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・22

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向
グラウンド・ストローク

打点が後ろ気味・・・・・・クロスが弱い
 フォアでもバックでも、打点が後ろ気味の選手は、クロス打ちが苦手な場合が多い。試合中に一度クロス方向を空けてみて、それでもクロスに打ってこないようなら、その後は思い切りストレートに的を絞って良いだろう。
テイクバックが小さい・・・・・・強いボールが打てない(但しコントロールは良い)
テイクバックが高い・・・・・・流し打ち気味のボールが多い
テイクバックが低い・・・・・・引っ張るボールが多い
踏み込んだ脚の膝が伸びている・・・・・・ネット・ミスをしやすい
 踏み込んだ脚の膝が伸びていると、重心が高くなり、下から上のスウィングができにくいので、ネット・ミスをしやすい。膝が柔らかく使えているかどうか、きちんと身体を回転させて打てているかどうかというのも、よく見ておきたい点だ。
テイクバックで面が上を向いている・・・・・・アウトのミスをしやすい
 テイクバックで面が上を向いている選手は、インパクトでの面も上向きになりやすく、アウト・ミスをしやすい傾向がある。
脇が開いてボールを巻き込むようなスウィング・・・・・・ネット・ミスしやすい
打点が身体に近い・・・・・・サイド・アウト(逆クロス方向)しやすい
 初級者・中級者の中には、いつも打点が身体に近くなっている選手もいる。そういう選手はサイド・スピンがかかって逆クロスに切れるミスが多い傾向がある。また、スウィング自体が、きちんとインサイド・アウトになっているかどうか、巻き込むようなスウィングや、腹切りスウィングになっていないかどうかという点もチェックする

 先に説明したように、グラウンド・ストロークがうまいかどうかは、まず最後まで振り抜いているかどうかで判断できる。そして次に大切なポイントは打点である。打点の取り方が打つたびにバラバラだと、ボールとの距離感が悪く、ミスが多いと予想できる。また、打点が後ろだったり、身体に近かったりすると、上で示したようなクセが出やすい。テイクバックが小さい選手は、自分からは強打しにくいが、ライジング打ちはうまく、コントロールも良いので、速いボールで攻めるよりも遅いボールで揺さぶる方が効果的だ。また、ここで言うテイクバックの高さとは、上から引くか下から引くかということではなく、フォワード・スウィング開始時の高さのことである。

2008年10月27日月曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・21

技術的な特徴からみたミスや弱点の傾向

 ウォーミング・アップから序盤戦にかけて、相手の基本技術をよく見ておけば、どのようなミスをしやすいか、どこを攻めればショットが乱れるかを知ることができ、中盤以降の戦いをかなり有利に進められる。そのために、ここではショット別に選手の技術的な特徴やクセと、そこから発生しやすい弱点やミスの傾向を、具体的にまとめてみた。
 どのショットにも共通して大切なのは、いつも打点にきちんと入れているかどうか、つまりボールと身体の距離感がしっかりしているかどうかを見ることである。見落とされがちな要素だが、この能力によって試合でのミスの数が大きく違ってくるので、よく見ておかなければならない。
 初めは細かい所まで観察する余裕はないだろうが、ちょっとしたクセをひとつでも発見し、試合の終盤になってもそれを忘れずに戦略に生かせるようになったら、かなり自分の観察力が上がったと考えて良いだろう。

2008年10月26日日曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・20

スマッシュ
得意コースはどこか

観察するポイント
 最初(1球目)に打ったボールのコースと球種を覚えておく。スマッシュは、苦手な選手が多いショットだから、最初は得意なボールから打ってきやすい。つまり、ゲームで大事な場面になるほど最初に打ったコースに来る可能性が高いので、そのコースを覚えていればいちかばちか大胆に動くことができる。もしそれが成功したら、相手に与えるダメージは非常に大きい。

その他
 スマッシュが好きかどうかは、必ず見ておく。ウォーム・アップで自信なさそうに打っていたり、打点や当たりが安定していない選手は、苦しくなったらロブでかわせる可能性が高い。

2008年10月25日土曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・19

サービス
滑らかなスウィングができているかどうか

観察するポイント
 スピードや回転よりも、まずスウィングが滑らかかどうかを見る。無理のない滑らかなスウィングで安定して振り切れている選手は、サーブが崩れる可能性は低い。だが、ボールは速くても動きに無理がある相手は、長続きしないと見て良い。
 上級者の強力なサーブを意識して膝を極端に深く曲げたり、ボールの回転を意識してトスがかなり頭の後ろに上がっていたりして、無理なスウィングになっている選手が意外に多いが、そういう選手のサーブは終盤で崩れやすい。むしろスピードはそれほどなくても、滑らかに振り切るスウィングをしている選手の方が要注意だ。

その他
 何種類のサーブを持っているか見ておく。回転のかけ具合をきちんと調節できるか、左右にワイドに打ち分けることができるかどうかもチェックしておきたい。

2008年10月24日金曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・18

ボレー
ボール・スピードの変化に対応できるかどうか

観察するポイント
 速いボールと遅いボールを混ぜながら打たせる。そして速いボールに対する反応や面の作り方、遅いボールに対するフットワークを見る。どんなスピードに対しても同じように足が動いて打つ選手は、ボレーがうまいと見るべきだ。

遅いボールに対するフットワークを観察する
 遅いボールに対しても、よく足が動いて打てる選手は、チャンスボールはしっかり前に詰めて決められるし、スピードの変化による揺さぶりにも強いので要注意。逆にフットワークがボールのスピードによって変わる人は、リズムを変えるとミスを誘いやすい。

その他
 ボールと身体との距離感を見る。高い・低い・遠い・近いと、どんなボールに対しても、顔とラケットの間隔があまり変わらずに打てる選手は、動きも良く、ミスが少ないと考えるべきだ。ボールに切れがあるかどうかよりも、そうしたことの方が、試合では重要になる。

2008年10月23日木曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・17

グラウンド・ストローク
フォアとバックのどちらが得意か

観察するポイント
 ある程度ウォーミング・アップができたら、相手の身体の正面にボールを集める。そうすると、バックが苦手な選手はフォアに回り込む傾向が出るので、バックが得意そうかどうか見ておく。それによってゲームでの攻め方を考える。

最後まで振り切っているかどうか
 グラウンドストロークがうまいかどうかを知るには、つねに最後まできちんと振り抜きながら、安定したボールが打てているかどうかを見る。ボールの威力はあまり問題ではない。いつも振り切って打てる選手は、打点も安定していて、揺さぶりにも強く、大事な場面でも自信を持って打ってくるので要注意。

その他
 いろいろな打ち方をさせてみる。トップ打ちが得意かどうか。短いボールもうまく処理できるかどうか。ボールのスピードの変化にも対応できるかどうか。また、ストロークがうまいかどうかは、つねに最後まで振り切れているかどうかを見る。

2008年10月22日水曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・16

ウォーミング・アップの間に観察する点

 ウォーミング・アップの時には、メンタル面やコンビネーションを観察することはあまりできないが、相手の基本技術はかなり観察することができる。したがって、ここでは観察のポイントを技術に絞り、相手のクセを見抜くことを意識するべきだろう。
 その時に注意しなければならないのは、あまり相手が打ったボールに気を取られないということだ。ボールに威力があっても、ミスを誘うことさえできれば恐くはないので、そのこと自体で「やばい」と感じる必要はない。あくまで相手の動きやスウィングを冷静に見て判断したほうが、正確にクセや弱点を見抜くことができるはずだ。
 さらに細かい技術的な観察ポイントについては、後ほど述べる。

2008年10月21日火曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・15

より良い観察のためのコツ

3.失敗した次や、ゲームの節目の行動をよく見る
 流れが変わりやすい場面では、その人の地の部分、本音の部分が出やすいので、それを見逃さない

2008年10月20日月曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・14

より良い観察のためのコツ

2.ちょっとした違いを見逃さない
 少しでも「えっ」と思ったこと、「へーっ」と思ったことを忘れないように心がけていれば、すぐには役に立たなくても、他のこととの比較で新たな発見をすることもあり、観察力も自然に向上していく

2008年10月19日日曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・13

より良い観察のためのコツ

1.始めは相手に自由にプレイさせる
 好きなようにプレイをさせることで、相手の手の内をすべて出させてしまえば、後で作戦が立てやすい
●終盤までに相手の手の内をすべて出させてしまう
 序盤では、こちらからどんどん仕掛けるというよりも、相手に好きなようにプレイさせ、手の内をすべて出させて、じっくりと観察するように心がける。そうすれば、終盤では自分たちのほうが有効な戦略を用意でき、かなり有利な戦いになる。

2008年10月18日土曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・12

時間の流れとともに、見えるもの・見なければならないものが変わる

 ここからは、さっそく良い観察のための具体的なポイントやコツを紹介していこう。まず、理解してほしいのは、時間帯によって、見えるもの、そして見ておくべきものが変わるということ。それは大きく分けると、次のようになる。
 1.ウォーミング・アップ(コートサイドの練習、試合前の乱打)
 2.序盤戦(第2ゲーム終了まで)
 3.中盤戦(どちらかが3ゲーム取るまで)
 4.終盤戦(どちらかが3ゲーム取った後)
 おおまかに言って、ウォーミング・アップから序盤戦はデータ収集の時間、中盤は変化への対応を見る時間、終盤は作戦実行の時間、と分けられるが、相手によっては、または試合の流れによっては、もっと早く終盤の対応をしなければならないこともある。観察のポイントとしては、技術的な側面、コンビネーション的な側面、メンタル的な側面があるが、どの面を重点的にみるかということも、この時間帯によって変わってくる。特に序盤戦までは、自分の調子のことばかり考えず、相手の観察に意識を注ぐべきだろう。

2008年10月17日金曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・11

5.応用

 原理を知って、それをさまざまな場面に利用する姿勢を持つ。「それなら、こうすればいい」「こうすれば、こうなるはずだ」 それによっていろいろな場面で使える知識となる

具体的な作戦を立てる
 「相手がこうきたら、こうしよう」「あの場所をこのように攻めてみよう」

2008年10月16日木曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・10

4.原理・原則

 分析や工夫から大まかな原理を知る。「そうだったのか」「こういう理由があったのか」と気づく、判断する

違うことにも当てはめてみる
 「ここでも言える」「あれの原理と似ている」「あれとは対照的だ」

2008年10月15日水曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・9

3.分析

 収集した情報を分析する。「どうして」「なぜそんな打ち方になるのか」

仕組みを探る
 発展させたり、変形したり、工夫と試行錯誤をしながら「こういうことかな?」「こうかもしれないぞ」と考える

2008年10月14日火曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・8

2.比較

 自分の知っていることと比較し、共通点や相違点を探す。「ここが同じ」「ここが違う」「あの人のクセと似ている」など、いろいろな観点から情報を吟味する

2008年10月13日月曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・7

1.観察

 情報を収集する。「あれっ」「おやおや」「変わったクセがあるぞ」と思うこと、未知のこと、あるいは今まで観たものに似ていることなどに出会うさらに、逆のことを試してみる、確認してみる

観察における態度はどうあるべきか
×悪い=能動的(自分を出す)
 先入観を持って見る、決めつける、自分の知っている枠組みにムリヤリ当てはめる
○良い=受動的(自分を出さない)
 自分の枠にはめないで、心を広くして、ありのままを見る

2008年10月12日日曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・6

表1

 試合の中で観察した知識・経験を元に作戦を立てるまでの過程は、以下のようになる。まず最初にしっかりとした「観察」によって情報収集ができてこそ、比較・分析によって原理を解明し、作戦を立てることが可能になる。逆にこのプロセスさえ身につければ、誰にも教わらなくても、自分なりの勝ち方・戦略を身につけることができるようになる。

2008年10月11日土曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・5

観察と余裕と集中力の微妙な関係

 ここまで読んで、「試合中に相手のことを観察する余裕なんてない」とか「技術が足りなくて作戦を立てる余裕がない」と感じる人もいるだろう。たしかに最初から、相手のフットワークの細かいクセまで見ることは不可能だし、そこに弱点を発見したからといって、即座にそこを攻撃できるというものではないだろう。
 しかし、観察にも初級から上級までレベルがあり、初級の人には初級の人なりの見方、その人の技術レベルなりの攻め方があるわけだ。だから無理せずできることから始めていけばよい。
 また、もうひとつ重要なのは、「余裕がないから観察できない」のではないということだ。逆に「観察することで余裕も生まれてくる」という面もある。観察と余裕は、そのように相互に影響を及ぼす関係なのである。
 集中力も同様で、集中していなければよい観察はできないが、しっかりと観察しようという姿勢があると、逆に集中力も高まる。よく観察しようとすることで、余計なことを考えず、試合の世界に入り込むことができるわけだ。そうして集中力が高まれば、当然のように余裕も生まれてくる。
 一番もったいないのは、まだ技術的に未熟だから、練習不足だからといって、また、何回やっても負けるからといって、試合を、特に強い相手との試合を敬遠してしまうことだ。そのような考え方だと、いつまでたっても納得のいく試合ができるようにはならないし、試合を楽しめるようにもならない。繰り返すが、試合をしながら、楽しみながら強くなるという姿勢を大切にするべきだ。

2008年10月10日金曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・4

すべては「観察」から始まる

 このような姿勢で試合に臨み、勝ち方を学ぼうとするとき、まず最初にやるべきこととして大切なのが「観察」という行為である。対戦相手を観察するだけでなく、自分のパートナーや自分自身、そして周りの環境など、試合に関係するあらゆるものを五感を使って観察するのだ。そして観察によって得たデータや新たな発見から、表1で説明しているような過程で作戦の立て方を考え、勝ち方を覚えていくのである。
 また、初めての相手と戦うときは、お互いに相手のクセも知らず、対等な立場である。ソフトテニスには、野球での満塁ホームランのようなショットがなく、1ポイント1ポイントの積み重ねしかないので、自分の出す一手がどれだけ相手よりも優位な一手になっていくかということが問題になる。だから、自分の持っている技術を効果的に出し、同じ1球をより有効に使えるようにするためには、観察によってどれだけ有効な情報を得るかということにかかってくる。
 だから、観察力が足りなければ、それだけ勝ち方を覚えるのも遅くなるのだ。以下には、こうした考え方から、「観察」上手になるための具体的なノウハウを述べていく。

2008年10月9日木曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・3

「価値観」次第で楽しみながら強くなれる

 たしかに技術が上達するとうれしいし、打ちやすいボールを送ってくれる相手とテンポ良く打ち合うのも楽しい。しかし、それだけで満足してしまい、試合の中での戦術や駆け引きを楽しむ余裕をなくしてしまってはいないだろうか。人間相手のゲームとしてのソフトテニスを楽しむ心の余裕があれば、さらにソフトテニスの世界は広がり、成熟した楽しみ方ができるようになるはずだ。
 そうなると、当然ながら試合をするのがとても楽しくなってくる。そして、次の作戦を考えたり、相手の弱点を探したりすることが楽しくなってくる。勝負に負けても、そこから何かを学ぶことができる。また、「あ、こうすれば強い人からもポイントが取れるのか」といった新しい発見をし、それが大きな楽しみにもなる。
 こうした過程の積み重ねで、楽しみながら自然に「勝ち方」をいくつも覚えてくる。気がつくと自分はいつの間にか試合に強くなっていて、ますますソフトテニスが楽しくなる。そういう良循環ができるのだ。思議に試合に強いという人の秘密は、まさにここにある。練習や試合での「価値観」をどこにおくか。もっと試合に強くなりたいと思っている人は、その点をもう一度振り返ってみてほしい。

2008年10月8日水曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・2

君は本当にソフトテニスを楽しめているか

 一緒に練習していると、技術的には自分と大きな差がないように感じるのに、試合をすると、なぜかいつも完敗してしまう。そういう相手が、君の身の回りにもいるのではないだろうか。もし君のソフトテニス歴が浅かったら、その人の存在はとても不思議に感じられるはずだ。
 そうした実戦に強い人たちと、そうでない人たちとの違いはどこにあるのだろうか。それは単純に言えば、試合に強い人は、勝ち方を他の人よりもよく知っているということに尽きる。問題なのは、彼らがどうやって勝ち方を覚えたかである。
 それは、誰かに教わったのではなく、ほとんどが自分の経験の中で、考え、試行錯誤しながら身につけたものだと言っていいだろう。彼らは、勝つためにはどうすれば良いか考え、工夫する。そうしたことを楽しみながらやっているのだ。
 これを読んでいる君は、今一度自分のソフトテニスの楽しみ方を分析してほしい。無意識のうちに、美しいフォームや威力のあるボールを身につけることばかり考えてはいないだろうか。試合でも「次はどう打ったら良いボールが返るか」ということを考えてはいないだろうか。もしそうだとしたら、君はソフトテニスの楽しみのごく一部しか味わっていないことになる。

2008年10月7日火曜日

試合に強くなるために試合を観察する方法・1

 一見、技術的なレベルでは自分と変わらないように見えるのに、なぜか試合になると断然強いという人がいる。その秘密を理解するためには、まず相手を観察することから始めなければならない。なぜ「観察」すると試合に強くなれるのか、そして相手のどこを観察すれば効果的な戦略を立られるのか、試合に強くなるための観察力の向上法を徹底的に解説する。

2008年10月6日月曜日

トーナメントで勝つために・12

大事なポイントでは、今までと違ったボールを打つこと

 たとえば2オールの2-2で、今まで打っていなかったストレートに思い切りレシーブを打てる選手は、試合で強い選手である。こうした大事な場面では「今まで成功してきたことをやろう」と考える人と、「今までと違ったことをやろう」と考える人の2通りあるが、後者の方が強い。もちろん性格的なこともあるが、ここ1本というとき今までと違った方向に打つには、相当な技術も必要。大事な場面でのスペシャルショットも、普段から練習しておくべきだ。

2008年10月5日日曜日

トーナメントで勝つために・11

試合が競ったときには、次の1本のことだけを考えてプレーすること

 試合が競ってくると、いろんなことを考えがちだ。精神的には「勝ちたい、負けたくない」と思うほど力んでくるし、また「相手の苦手なところを攻めよう」として無理なプレーに走ってしまうこともある。そんな競った状況で楽にプレーする秘訣は、「次の1本」のことだけを考えることだ。プレッシャーがかかるような状況では特に、あれこれ考えず、たとえば「レシーブはセンターを狙う」と決めたら、それだけを頭に置いてプレーするとよい。

2008年10月4日土曜日

トーナメントで勝つために・10

格下の相手に取りこぼさないためには、自分たちのミスを減らすこと

  自分たちよりレベルが下の相手と当たったときには、いろんな勝ち方があるが、最も取りこぼしが少ないのは、「自分たちのミスを減らす」勝ち方だ。レベルに差があるときにはすべての局面で平均値が上なのだから、無理をしないで1本余計につないでいけば、局面での差はさらに大きくなる。無理すれば1本で決まるところでも、もう1本つないで確実に決めるようにした方が、取りこぼしは少ない。

2008年10月3日金曜日

トーナメントで勝つために・9

レベルが近ければ、得意なプレーを徹底すること

 少しレベルが上の話になるが、一進一退の攻防となったら、相手の弱いところだけを攻めるのではなく、相手の得意なところで勝負するのもひとつの作戦だ。相手が得意なプレーや作戦を止めることが出来れば、一気に流れが来るものである。相手とのレベル差がある場合には違う戦い方があるが、レベルが近いときには「ここ一発」という勝負の場所が必ずある。それを自分たちのものにするのが、試合に勝つひとつのコツと言える。そのためにも、最初の2ゲームの戦い方は重要だ。

2008年10月2日木曜日

トーナメントで勝つために・8

もっと強い相手と当たったときは、普段通り自分のプレーをすること

 自分たちより明らかに強い相手と当たったとき、変に意識して自滅する選手も多い。「どうせ負ける」のなら、普段通り自分たちのプレーをやってみる方が、その後につながる。強い相手とやった方が精神的に楽だし、ラリーもいつもより続くので自分がうまくなったような気がするものだ。大事なのは、「相手が強いから」と意識せず、自分たちのプレーを崩さないこと。それでどこまで通用するか体感しよう。

2008年10月1日水曜日

トーナメントで勝つために・7

強い相手と当たったときには、より攻撃的なプレーを目指すこと

 ソフトテニスの試合は短いので、攻撃的に戦った方が有利である。一般的に、試合は強い相手のペースで進む。これは自分たちのプレーが徹底しやすいからである。そしていったん相手のペースにはまると、なかなか修正できない。「負けてもともと」と開き直って、自分たちのもっとも得意とするプレーでぶつかっていった方が、むしろいい結果がでるものだ。