2010年9月13日月曜日

新・集中力を高める視線のコントロール(11)

一流選手の感情コントロール(5)
 また、視線をコントロールする(ラケット、ガット、ボールに視線を移す)ことは、怖れという感情をコントロールするのにも大きな効果を期待できる。選手にとって、周囲の状況に神経質になりすぎたり、怖れの感情を抱くことは、プレイにマイナスの影響を及ぼすものだが、これは視線のコントロールによって抑えられるのだ。自分のプレイや相手にたいする怖れの感情は、まず選手の目に現われる。不安気にほとんど絶え間なく動く視線は、選手の心の中をあらわしていると言えるだろう。その様子は、まるで隠れ場所や逃げ場所を探しているかのようである。このとき、選手の視線がとらえるものは、相手選手から観衆へ、ベンチから審判へといった具合に次々と変化する。こうなると、気持ちを落ち着かせるどころではなく、感情はさらに否定的な方へ向かい、怖れを増長させてしまうのだ。しかし、ここであわてずに、できるだけ早く視線をボールやラケットに戻せば、事態はそれ以上に悪化することはない。逆に冷静さを取り戻すことができ、プレイも良い状態に持っていくことができる。

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