2009年4月10日金曜日

勝利を得るための精神コントロール・6

試合の勝敗と自分の価値を同一化しない

 テニスは競争的なものである。そして、そこで受けるプレッシャーの根源は、自己尊重とともに潜在能力まで失ってしまうことにある。ある硬式のプロ選手は、次のように言っている。「自分がどれほどのプレイができたかで自分を判断されてしまうため、プレイがうまくいかなかったり、相手に負けてしまうことは、とても恐ろしいことです。もし私が良いプレイをすれば、幸せで自分自身に満足するでしょう。もしまずいプレイをすれば、私はみじめです。つまり、私のテニスで私の人生も決まってしまうようなものです」       
 選手にとって大事なことは、試合の中でどれだけ良いプレイをするかということと、選手個人の人間としての価値とを、できるだけ分けて考えることである。その2つが結び付きやすいのは確かだ。つまり、自分の自信におよぶ危険が大きければ大きいほど、自分自身で感情をコントロールするのに時間がかかるのである。理想的な感情をコントロールするのが困難になってしまうわけだ。特に、感情をコントロールする技量が欠けている選手は、自分自身を見失わないように、それを防御する行動を取り始める。これらの回避行動は、選手の競争心や勝利へのチャンスを奪ってしまうものである。プレッシャーや危険と出会ったときに、選手が最もよく取る回避行動は、その選手自身が、どんなタイプの競技者であるかを証明している。つまり、その回避行動は、感情の反応として外に現れてくるのである。
 プレッシャーに対する選手の感情の反応は、主に4つに分類できる。

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