大きな大会を観戦していると、時に選手がとてつもない大声を出したり、大げさすぎると思えるほどのポーズをとることがある。それは、相手との肉体的な交錯のないスポーツだけに、そうすることによって自分の試合に対する集中力と意欲を昂揚しているのだ。1日のうちに何試合も戦わなければならないだけに、心理的なスタミナも大いに必要となる。
テニスやバドミントン、卓球など、コートの中央のネットをはさみ、ラケットを使ってボールを打ち合う競技は、多分に相手との根比べの要素を持っている。また、コート上で瞬時にして攻撃と守備が入れ替わり、それが繰り返されるので、前のプレイにこだわっていたのでは良い結果は出ない。
どんな選手であってもミスをしてしまうものである。良い選手、強い選手の条件というのは、ミスをした状態の気持ちをいかに早く切り替えて、新しい気持ちで次のプレイに入っていけるかにかかっている。そして、テニスなどの場合その気持ちの切り替えの方法としても、自分で自分に気づかせるためにも、声を出したり、アクションを起こすということがある。
また、ミスにこだわっていたのでは次の戦局は見えてこない。たとえミスをしても、次のプレイでそれを取り返す余地はいくらでもあるのだから、絶えずプラス思考でものを考えられるように努めるべきだ。このことは、練習や試合の時ばかりではなく、日常生活の中でも自分の周りに起きた現象に対してできる限りプラス方向へ考えるようにするのだ。そうすれば試合でのミスは気にならなくなり、そのことが結果としてミスを少なくしていくことにつながってくる。
そして、自分がそうした精神的に安定した状態でプレイすることができて、コンディションが良ければ相手の動きもよく読めるようになる。
試合は相手との相対関係における精神的な状態を競い合うという要素が強く、それだけに相手の心理状態を理解して試合を進めることが必要になってくる。その点がこれらのスポーツが精神的要素の強いスポーツと言われる理由である。そして、競り合えば競り合うほど、技術よりも精神力が勝負を左右してくるスポーツでもある。
相手に対する集中力が途切れてしまっては決して勝てない。試合を続けたとしても、とても勝利に向かって戦える状態にはなれない。それくらいに精神的な要素に左右されるスポーツだと言うことができる。
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