2010年5月31日月曜日

新・ソフトテニスの心理学(12)

試合の心理(1)

 ソフトテニスは、相手との身体接触がなく、移動の範囲も比較的少ないが、それだけに相手のストロークや動作を読んだり、コースや戦況を予測する能力が求められる競技である。
 すなわち、ソフトテニスというスポーツ自体が、作戦的思考を媒体として行われているわけで、ボールを打つ瞬間は別として、「無心にプレーする」ことが難しい種目である。すべての瞬間に考える時間があり、後衛がストローク(サーブも含む)する時に相手と駆け引きする、前衛が相手のボールを読んでポジションを取ったり、モーションをかける、前衛同士の心理的駆け引きなどは、これこそがソフトテニスの醍醐味であると言える。
 以上のような競技特性を理解して、試合における心理、特に心理的戦略のポイントをあげてみる。

2010年5月30日日曜日

新・ソフトテニスの心理学(11)

ダブルスの心理(5)

 長所を生かし短所を補い合う(2)
 精神的には、一方が消極的であればもう一方は積極的、服従的であればもう一方は支配的といった、2人の心理的なバランスを取りながら、信頼関係を築いていくことが必要である。

2010年5月29日土曜日

新・ソフトテニスの心理学(10)

ダブルスの心理(4)

 長所を生かし短所を補い合う(1)
 コンビネーションの基本は、お互いの良さをどれだけ引き出すか、また、短所をどれだけ目立たないものにするかにある。
 技術的には、例えば、バックが苦手な後衛に対しては、センターに打たせない、あるいはストレートにロビングを上げさせないような、前衛の配慮が必要である。

2010年5月28日金曜日

新・ソフトテニスの心理学(9)

ダブルスの心理(3)

 考え方・価値観が似ていること
 スポーツに対してどのような考え方で取り組んでいるか、また勝敗に対してどのような価値観を持っているかは、ペアのお互いがうまくやっていく上で大切なことである。お互いの気持ちがひとつになるためには、同じような取り組み方が必要である。たとえ考え方や価値観が違っていても、プレーに関してどのようなコンビプレーを展開していくかは、共通なものを目指すことが大切である。

2010年5月27日木曜日

新・ソフトテニスの心理学(8)

ダブルスの心理(2)

 相性がよいこと
 「相性」とは、お互いに性格がよく合うことを言う。「馬が合う」とか「意気投合する」とか言った表現がされるものである。
 ペアが成立して、すぐに何となくうまくいく場合もあれば、多少の時間が経過してもなかなかしっくりいかない場合もある。確かに、人間であれば好き嫌いもあり、性格的にも生理的にも合う人がいれば合わない人もいるのは、ごく当然のことである。しかしお互いに相性がよいと思うことは、実力を発揮していく上で大切な要素になる。
 ただ、「相性が良くない」と思っても、1+1が2以下にならないようにお互いの努力が必要なのは言うまでもない。そこに人間としての成長がある。

2010年5月26日水曜日

新・ソフトテニスの心理学(7)

ダブルスの心理(1)

 ソフトテニスはダブルスが主体の競技である。ダブルスの面白さは、何と言っても前衛と後衛のコンビネーションである。以下に、良いコンビを生み出すための条件をあげてみる。

2010年5月25日火曜日

新・ソフトテニスの心理学(6)

ソフトテニスに必要な心理的適性(6)

性格的要素
 次に性格的な要素について見てみよう。後衛・前衛というポジションによって、必要とされる性格的特性には違いが見られる。一般的に、指導者や選手の間でよく言われるのは、次のようなものである。
 後衛は、粘り強く、協調的で、情緒が安定し、冷静沈着である。
 前衛は、積極的・攻撃的・支配的・明朗快活である。

2010年5月24日月曜日

新・ソフトテニスの心理学(5)

ソフトテニスに必要な心理的適性(5)

心理的要素(5) 自制心
 不安やプレッシャーによる緊張をいかにコントロールするかは、持っている力を十分に発揮できるかどうかにつながる。雑念を払いのけてプレーしたり、ミスによる心理的な変化を外に見せないようにして、平常心でプレーできるような態度を身につけることが大切である。

2010年5月23日日曜日

新・ソフトテニスの心理学(4)

ソフトテニスに必要な心理的適性(4)

心理的要素(4) 自信
 スポーツをすることによって自信を身につけることは、生活していく上でも勉強する上でも、試合で実力を発揮していく上でも大切な要素である。

2010年5月22日土曜日

新・ソフトテニスの心理学(3)

ソフトテニスに必要な心理的適性(3)

心理的要素(3) 集中力
 練習や試合で、いかに持っているものに集中して力を発揮するかは、重要な要素である。特に、試合で安定した力を発揮するためにも、不利な状況やプレッシャーのかかった状況で、ここ一番の強さを身につけることが大切である。

2010年5月21日金曜日

新・ソフトテニスの心理学(2)

ソフトテニスに必要な心理的適性(2)

心理的要素(2) 努力
 人より多く練習するとか、最後まであきらめないとか、自分の限界までやり抜くといった、どんなことでも努力することの価値は大きい。もちろん結果も大切であるが、努力すれば必ず報われると考える態度、また結果が良くならないのは努力が足りないといった考え方で取り組むことが重要である。

2010年5月20日木曜日

新・ソフトテニスの心理学(1)

ソフトテニスに必要な心理的適性(1)

心理的要素(1) 勝利達成要求・やる気
 勝ちたいとか上手になりたいという意欲は、上達するために基本的に必要な要素である。もちろんスポーツに取り組む態度には色々あり、友達を作ることや体力を付けることやストレスを発散することなど、必ずしも勝つことだけではないが、強くなりたい気持ちは誰でも持っており、上達する意欲は欠かせないものである。

2010年5月19日水曜日

新・メンタルトレーニングについて(40)

セルフイメージの改善の暗示(7)

 4は自分の可能性、能力、チャンス、問題解決、目標、すべきことに心のエネルギーを向けさせる文章を書いたり、書いたものを見ることだ。実行してみると分かるが、文章化しているときはかなり心のエネルギーが集中しているはずである。

2010年5月18日火曜日

新・メンタルトレーニングについて(39)

セルフイメージの改善の暗示(6)

 2は1のように実際に声を出さずに、心の中で言語化することで、プラス思考を実践することである。
 3は意識と潜在意識が統合された特別なアルファ状態で行うので、抗暗示障壁がゆるみ、潜在意識に強く効果的に暗示を作用する。この時大切なのは、願望と確信、そして期待の気持ちである。つまり改善の願望が強いこと、改善されることに確信を持ち、そしてそのことへの期待が大きいことだ。これらが自己暗示の効果を高める条件になっている。選手は「僕のプレーは日ごとに良くなっていく。どんどん良くなる」とか「僕の能力は日ごとに良くなっていく。どんどん良くなる」など、自分なりに言語公式を作り、試してみると良い。

2010年5月17日月曜日

新・メンタルトレーニングについて(38)

セルフイメージの改善の暗示(5)

 1の実際に声を出して行う暗示をセルフトークと言い、肯定的な独り言、気合い入れ、掛け声的なもので気軽に実践できる。ポイントは、肯定的・積極的な方向に自分を意識させる、簡単で気持ちが入る言葉を、実際に声を出して話すことである。セルフトークのコツは、行動のつなぎ目・変わり目に行うことだ。例えば、家を出てドアを閉める時、着替えでユニフォームから首が出た瞬間、靴のひもを締めた瞬間、コートに入る時、ボールを持った瞬間、点を取ったり取られたりした時など、「よしやるぞ」「リラックスして落ち着いていこう」「さあこれから挑戦だ」など、口に出すと良い。ピンチの時こそ、セルフトークは大切なテクニックである。

2010年5月16日日曜日

新・メンタルトレーニングについて(37)

セルフイメージの改善の暗示(4)

 自己暗示とは、広い意味では言語・イメージ・シンボルなどを応用するものであるが、一般的には暗示というと言語を用いたものを意味する場合がほとんどである。
  1.実際に声に出して行う言語化
  2.普段心の中で行う言語化(言葉で考えること)
  3.意識と潜在意識が統合された状態(アルファ状態)で行う言語化
  4.文章化すること。または、それを見ること

2010年5月15日土曜日

新・メンタルトレーニングについて(36)

セルフイメージの改善の暗示(3)

 暗示の意義は、運動選手の否定的なセルフイメージを肯定的なものに変えることである。試合でほとんど勝ったことがなく否定的なセルフイメージを持っている選手でも、自己暗示によって肯定的なセルフイメージを作り出すことができる。

2010年5月14日金曜日

新・メンタルトレーニングについて(35)

セルフイメージの改善の暗示(2)

暗示文の作り方の例
 ・一度に1ポイントだけに集中している。
 ・プレッシャーを感じたらすぐに対処している。
 ・大切なポイントはリラックスしてラインを狙っている。
 ・僕はプレッシャーを楽しんでいる。
 ・リラックスし落ち着いてサーブを打っている。
 ・ボールをよく見て、リラックスしてレシーブしている。
 ・たとえリードされていても積極的に果敢に戦っている。
 ・ミスをしてもすぐに次に集中している。
これらの言葉を、心を落ち着かせながら繰り返してみよう。

2010年5月13日木曜日

新・メンタルトレーニングについて(34)

セルフイメージの改善の暗示(1)

セルフイメージ改善のための自己暗示文の作り方
 1.言葉は短く、具体的なものにすること。
 2.一人称・現在形を用いること。そうすれば、潜在意識が暗示を文字通り受け取ってくれる。
 3.自分が望む具体的な形容、内容を表現する。

精神面 「冷静に」「あわてない」「集中している」など
技術面 「ボールをよく見ている」「コーナーを狙っている」など

2010年5月12日水曜日

新・メンタルトレーニングについて(33)

イメージのコントロール

1.自分の得意プレイを想像する。
2.ライバルや難敵に対して自分が好プレイをしている場面を何度も想像する。

2010年5月11日火曜日

新・メンタルトレーニングについて(32)

行動のコントロール(3)

試合での態度のチェック
 試合が始まる前の自分の態度
 試合開始のためにコートへ向かって歩いていくときの態度
 ミスをしたときの自分の態度
 ゲームとゲームの間での自分の態度
 相手のサーブがフォールトの時の自分の態度
 納得できないジャッジや汚い反則に対する態度
 サービスエースをとられた直後の態度
 相手のゲームポイントでの自分の態度

 これらをチェックし、勝者にふさわしい態度・行動をしているか考えてみよう。もし勝者にふさわしくなければ、今すぐ勝者らしく行動すること。

2010年5月10日月曜日

新・メンタルトレーニングについて(31)

行動のコントロール(2)

行動のチェック
 基本的な生活習慣
 食事に関して(栄養や取り方、栄養補助食品など)
 試合や練習の準備
 健康管理・コンディショニング(休養、ストレス管理、マッサージ、アイシング等)
 プレイに対する技術・戦術・トレーニング法などの勉強や研究
   (大会見学、講習会、書籍、雑誌、先生への質問など)
 チームメイトや先生とのコミュニケーション、チーム作り

2010年5月9日日曜日

新・メンタルトレーニングについて(30)

行動のコントロール(1)

 勝者は勝者らしく考え、振る舞い、行動するものである。勝者になりたければ勝者らしく考え、歩き、食事をし、練習をし、試合に向かい、戦うことが必要である。行動は自分の動機・やる気を強化し、行動は成果を作り出す。果たして、今の自分は勝者にふさわしい態度・行動をしているだろうか。もうしそうでなければ、勝者らしく行動することだ。

2010年5月8日土曜日

新・メンタルトレーニングについて(29)

リラクセーション訓練

1.ゆっくりと呼吸して、おなかや足の力を抜き、全身をリラックスさせる。
2.気持ちが落ちるいていると自分に言い聞かせる。意識を額(おでこ)の真ん中に集中させる。
3.大きくのびをして全身に刺激を与え、さわやかな気分になる。

2010年5月7日金曜日

新・メンタルトレーニングについて(28)

プラス思考への転換(15)

プラス思考の例(5)
マイナス思考「風が強くなってきた。風のある試合は苦手だ」
 ↓
プラス思考「コンディションが悪いのはお互い様だ。こんな時ほど集中力の勝負だ」

2010年5月6日木曜日

新・メンタルトレーニングについて(27)

プラス思考への転換(14)

プラス思考の例(4)
マイナス思考「なんだこの審判は。絶対ミスジャッジだ。こんな審判では信用できない」
 ↓
プラス思考「ドンマイ。1回のミスジャッジで試合は決まらない。落ち着いて全力を尽くそう」

2010年5月5日水曜日

新・メンタルトレーニングについて(26)

プラス思考への転換(13)

プラス思考の例(3)
マイナス思考「ミスしてしまった。せっかく調子よくなってきたのに」
 ↓
プラス思考「まだ勝負はこれからだ。さっきは相手がツイていたけど、こんどはそうはさせないぞ」

2010年5月4日火曜日

新・メンタルトレーニングについて(25)

プラス思考への転換(12)

プラス思考の例(2)
マイナス思考「決勝戦だ。ここまで来て負けたらどうしよう」
 ↓
プラス思考「こんな決勝の場に立てるなんて自分は幸せだ。精一杯よいプレイをしよう」

2010年5月3日月曜日

新・メンタルトレーニングについて(24)

プラス思考への転換(11)

プラス思考の例(1)
マイナス思考「ダブルフォルトだ、しまった」
 ↓
プラス思考「僕も時にはダブルフォルトもする。次は肩の力を抜いてリラックスしていこう」

2010年5月2日日曜日

新・メンタルトレーニングについて(23)

プラス思考への転換(10)

2.心のエネルギーをプラスの方向、すべきこと、問題解決、可能性、目標に向ける

2010年5月1日土曜日

新・メンタルトレーニングについて(22)

プラス思考への転換(9)

1.マイナス思考の停止
  (主に未来に対する不安、恐怖、心配に対し用いる)
  否定的な状況の受容、中和、観点の転換
  (マイナス思考を引き起こす過去の出来事、現在の状況に用いる)