2008年12月11日木曜日

タメを生み出すポジション取り・4

打点に幅を持たせる「間」

 下半身のバネにパワーをためておけば、打点までのスウィングがたとえ十分でなくても、それほど貧弱な打球にならずにすむというメリットも生まれる。
 ということは、タメがあることによってボールをほんの少し遅らせて打つことができるわけだ。膝が曲がっていることで身体にパワーが蓄積されており、多少後ろの打点でも打球を持って行くことができる。打点はひとつであるように見えるが、タメのできている選手の感覚としては、幅を持った線上にいくつもの打点が存在する。いつも一定の打点で打っていれば相手も早い段階で打球コースを予測することができるが、打点を自在に変えることができれば、打ち出すコースは相手に読まれにくくなるというメリットも生まれる。
 また、後ろ膝が曲がった状態で構えることができれば、相手の打球に食い込まれたとしても、まだ有効な打球を打ち返す余裕が残されることになる。それを知っていれば、身体に余計な力を入れることなく、落ち着いて対処することができる。タメは精神的にも余裕を与えてくれる重要な要素となるのだ。

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