2008年7月26日土曜日

ストレッチングとコンディショニング・7

ケガの予防の考え方

 これでプレイ前後の運動の流れについては、ひと通り説明したわけだが、最後にケガの予防の考え方全般について、いくつか付け加えておこう。
 ここまででも何度か述べたが、ケガの予防でもっとも大切なのは、つねに自分の身体の状態を把握しておくということである。これはレギュラー選手であろうとなかろうと、同じことだ。結局それが、痛みや異変に対して敏感であるということにつながるのだ。
 ソフトテニスは、オーバーユース(使いすぎ)によるケガが多いスポーツである。つねに身体のチェックを怠らずにいれば、どこかでシグナルが現れるはずだ。したがって、急に激痛がきたりするのは、普段そういったシグナルを見落としている証拠である。
 また、ソフトテニスのケガというのは、よく使う部分の筋肉が弱いということと、筋力がアンバランスであることが、主な要因になっている。例えば、肩や肘は、ソフトテニスでは特によく使う部分。にもかかわらずそこが弱いと、ケガに結びつくのだ。そういう認識を持って運動をしていけば、大きなケガには至らないだろう。また筋力のアンバランスについても、例えば背筋が著しく強いのに、腹筋が弱かったりすると、どこかに負担がかかり、ケガにつながる。あるいは右足をケガした後、右足ばかりトレーニングしてアンバランスになると、今度は左足に負担がかかってケガしたりする。そうしたことを念頭において、バランスよく身体を鍛えることが大切だ。
 最後に、これは予防ではなく再発防止の話になるが、ケガというのは、痛みがあるときよりも、痛みがなくなってからの方が重要だということだ。多くの人は、ケガをすると、痛みがあるうちは治療やリハビリをしっかり行うが、回復して痛みがなくなると、そこで終わりにして、すぐにプレイに復帰してしまう。しかし、ケガをする以前よりもその部分を強くしておかなければ、また再発する可能性が高く、意味がないのである。受傷前の体力、筋力レベル以上まで高められるように、痛みがひいた後も継続してトレーニングすることが大切だ。

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