2008年7月25日金曜日

ストレッチングとコンディショニング・6

 ではそれぞれ順を追って説明していこう。まずウォーミング・アップの最初は、リンバリング・アップと呼ばれるものから始める。リンバリング・アップとは、軽い体操のことで、いわば「ウォーミング・アップのためのウォーミング・アップ」である。ラジオ体操のような身近なものでも良いし、それほど長くやらなくても良い。屈伸や伸脚、前後屈などのごく簡単なメニューでも十分だ。用はゆっくり身体を動かし始めるということである。
 それが終わったら、次は身体を温めるためのジョギング。「ランニング」ではなく、あくまで「ジョギング」なので、速く走る必要はない。ゆっくりと、軽く汗ばむ程度に走れば十分。これは夏季でも同じである。そうして徐々に身体が温まってきたら、いよいよストレッチングに入る。
 ストレッチングで気を付けなければならないのは、やはり前述のように暖かい場所でやるということ。とくに冬のような寒い時期はなおさらだ。体育館などがあればそこで行うのがベストだが、そうでなければ室内や、日当たりがよく風の通らないところを探して行うと良い。そしてストレッチングの後は、一度汗を拭いてからコートに立つなどの配慮も、ぜひとも必要だ。
 もうひとつ意識しなければならないのは、ただ漫然とストレッチするのではなく、自分の身体の状態を細かくチェックしながら行うということ。身体の各部を伸ばしながら、筋肉の張りはどうか、関節の柔軟性はどうか、痛みや違和感はないかなど、慎重にチェックするのだ。普段と比べて少しでも異変があったら、それを見逃してはいけない。
 ストレッチングの後はいよいよコートに立つ。しかし、いきなりハードに打ち出すのは禁物。まずは軽い乱打から始める。ここまで行ったウォーミング・アップは、いわば運動をするための準備。ようやく身体を動かす準備ができたということなので、次はソフトテニスをするための準備が必要なのだ。それが乱打というわけである。最初は短い距離からボレー・ボレーで始めて、それから徐々にダイナミックにしていくとよい。
 また、乱打でも、ただ漫然と打つのではなく、自分の身体の状態をチェックしながら打つことが大切。ボールを打ちながら、首、肩、腰、足など、それぞれの状態を1カ所ずつ確かめていく。ボールを打った感覚が良かったからといって、それで身体の調子がよいと捉えてしまうと、ケガにつながるので気を付けてほしい。
 乱打から徐々にペースを上げていったら、あとは本格的なプレイに移る。これに関しては、それぞれに思い切りプレイすればいいわけだが、ただその間も、身体の各部の状態のチェックは忘れずに。動きの悪い部分があったら、プレイ中でもこまめにストレッチすること。
 プレイを終えたら、次はクーリング・ダウンだ。クーリング・ダウンのストレッチングは、基本的にウォーミング・アップの時と同じメニューで良い。やはり少し身体を温めてから行うようにする。また、プレイで特に疲労した部分や、以前にケガをしたことがあり不安があるという部分は、そこを重点的にストレッチするなり、⑦のコンディショニング・エクササイズを平行して行うと良い。コンディショニング・エクササイズとは、身体の各部の機能や能力を高める運動のことで、筋力トレーニングなども含んだ総合的な運動。ストレッチングの中に、これを織りまぜて行うのである。たとえば肩に不安があるなら、肩のストレッチングの前に、肩のコンディショニング・エクササイズを組み入れて行う、という具合だ。
 そうしてストレッチングが終わったら、クーリング・ダウンはとりあえず終了である。あとは自宅に戻ってから、あいている時間があったときに、特に強化したい部分のコンディショニング・エクササイズをやるとなお良い。

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