2008年7月17日木曜日

前書き

 本書は、過去10数年間にわたって部のミーティングに使用してきた資料を、1冊にまとめたものである。その時その時に必要と思われる内容を取り上げてきたため、重複する部分が少なからずある。また、バルセロナやアトランタ・オリンピックの話題を前提にしたり、時事的な内容も含まれている。だが、特に書き直すことなく、そのまま収録した。
 コートの上でボールを打つことだけが練習ではない。試合で勝つためには、強くなるためには、技術だけではなく、体力も精神力も向上させなければならない。体力をつけようと思えば、毎日の厳しい練習に取り組むことはもちろん、計画的・継続的にトレーニングを積む必要があるが、そのためにも健全な身体づくりが欠かせない。食生活(栄養補給)や規則正しい生活(健康管理)への気配りが大切である。
 また、大事な場面で集中力を発揮し、多少のことではくじけない粘り強い精神力を身につけるためには、日常の生活が練習なのである。苦手な科目の勉強でも投げ出さず、自ら困難を乗り越えることによって、ピンチにも動じない我慢強さが養われる。行事などで他人がやりたがらないような仕事でも率先して取り組むことによって、緊張した場面でも試合をリードする思い切りの良さや自信が身につく。そして部活のために制限された勉強時間で、最大限の効果をあげられるよう、集中力を鍛えるのだ。その上で、試合中に自分の感情をコントロールできるようなテクニックを習得することになる。
 諸君の先輩達は、本書に収められた内容をもとに、また各自が工夫して、素晴らしい成果をあげた。秋の国体まで部活を続けながら、一般入試で大学に進学した先輩もいる。食事のメニューをすべて自分で決めていた先輩もいる。口で言うのは簡単だが、保護者の協力も欠かせないし、実際には並大抵のことではない。
 毎日毎日、練習すればするほど、技術的には上手になっていく。体力的にも精神的にも、ある程度までは伸びるだろう。しかし、ただ漫然と取り組むだけでは、すぐに限界が来てしまう。そこでワンランクアップするためには、みんなと同じ練習をこなしているだけでは不可能だ。朝の自主練習や、家での自主トレも必要であるが、壁に突き当たったときのヒントのいくつかが、本書には収められている。どれだけ取り組むかは諸君次第だが、先輩達と同様、有効に利用してくれるよう期待している。


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