2009年9月30日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・9

観察と余裕と集中力の微妙な関係・2

 また、もうひとつ重要なのは、「余裕がないから観察できない」のではないということだ。逆に「観察することで余裕も生まれてくる」という面もある。観察と余裕は、そのように相互に影響を及ぼす関係なのである。
 集中力も同様で、集中していなければよい観察はできないが、しっかりと観察しようという姿勢があると、逆に集中力も高まる。よく観察しようとすることで、余計なことを考えず、試合の世界に入り込むことができるわけだ。そうして集中力が高まれば、当然のように余裕も生まれてくる。

2009年9月29日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・8

観察と余裕と集中力の微妙な関係・1

 ここまで読んで、「試合中に相手のことを観察する余裕なんてない」とか「技術が足りなくて作戦を立てる余裕がない」と感じる人もいるだろう。たしかに最初から、相手のフットワークの細かいクセまで見ることは不可能だし、そこに弱点を発見したからといって、即座にそこを攻撃できるというものではないだろう。
 しかし、観察にも初級から上級までレベルがあり、初級の人には初級の人なりの見方、その人の技術レベルなりの攻め方があるわけだ。だから無理せずできることから始めていけばよい。

2009年9月28日月曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・7

すべては「観察」から始まる・2

 また、初めての相手と戦うときは、お互いに相手のクセも知らず、対等な立場である。ソフトテニスには、野球での満塁ホームランのようなショットがなく、1ポイント1ポイントの積み重ねしかないので、自分の出す一手がどれだけ相手よりも優位な一手になっていくかということが問題になる。だから、自分の持っている技術を効果的に出し、同じ1球をより有効に使えるようにするためには、観察によってどれだけ有効な情報を得るかということにかかってくる。
 だから、観察力が足りなければ、それだけ勝ち方を覚えるのも遅くなるのだ。以下には、こうした考え方から、「観察」上手になるための具体的なノウハウを述べていく。

2009年9月27日日曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・6

すべては「観察」から始まる・1

 このような姿勢で試合に臨み、勝ち方を学ぼうとするとき、まず最初にやるべきこととして大切なのが「観察」という行為である。対戦相手を観察するだけでなく、自分のパートナーや自分自身、そして周りの環境など、試合に関係するあらゆるものを五感を使って観察するのだ。そして観察によって得たデータや新たな発見から、表1で説明しているような過程で作戦の立て方を考え、勝ち方を覚えていくのである。

2009年9月26日土曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・5

「価値観」次第で楽しみながら強くなれる・2

 こうした過程の積み重ねで、楽しみながら自然に「勝ち方」をいくつも覚えてくる。気がつくと自分はいつの間にか試合に強くなっていて、ますますソフトテニスが楽しくなる。
 そういう良循環ができるのだ。不思議に試合に強いという人の秘密は、まさにここにある。練習や試合での「価値観」をどこにおくか。もっと試合に強くなりたいと思っている人は、その点をもう一度振り返ってみてほしい。

2009年9月25日金曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・4

「価値観」次第で楽しみながら強くなれる・1

 たしかに技術が上達するとうれしいし、打ちやすいボールを送ってくれる相手とテンポ良く打ち合うのも楽しい。しかし、それだけで満足してしまい、試合の中での戦術や駆け引きを楽しむ余裕をなくしてしまってはいないだろうか。人間相手のゲームとしてのソフトテニスを楽しむ心の余裕があれば、さらにソフトテニスの世界は広がり、成熟した楽しみ方ができるようになるはずだ。
 そうなると、当然ながら試合をするのがとても楽しくなってくる。そして、次の作戦を考えたり、相手の弱点を探したりすることが楽しくなってくる。勝負に負けても、そこから何かを学ぶことができる。また、「あ、こうすれば強い人からもポイントが取れるのか」といった新しい発見をし、それが大きな楽しみにもなる。

2009年9月24日木曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・3

君は本当にソフトテニスを楽しめているか・2

 それは、誰かに教わったのではなく、ほとんどが自分の経験の中で、考え、試行錯誤しながら身につけたものだと言っていいだろう。彼らは、勝つためにはどうすれば良いか考え、工夫する。そうしたことを楽しみながらやっているのだ。
 これを読んでいる君は、今一度自分のソフトテニスの楽しみ方を分析してほしい。無意識のうちに、美しいフォームや威力のあるボールを身につけることばかり考えてはいないだろうか。試合でも「次はどう打ったら良いボールが返るか」ということを考えてはいないだろうか。もしそうだとしたら、君はソフトテニスの楽しみのごく一部しか味わっていないことになる。

2009年9月23日水曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・2

君は本当にソフトテニスを楽しめているか・1

 一緒に練習していると、技術的には自分と大きな差がないように感じるのに、試合をすると、なぜかいつも完敗してしまう。そういう相手が、君の身の回りにもいるのではないだろうか。もし君のソフトテニス歴が浅かったら、その人の存在はとても不思議に感じられるはずだ。
 そうした実戦に強い人たちと、そうでない人たちとの違いはどこにあるのだろうか。それは単純に言えば、試合に強い人は、勝ち方を他の人よりもよく知っているということに尽きる。問題なのは、彼らがどうやって勝ち方を覚えたかである。

2009年9月22日火曜日

新・試合に強くなるために試合を観察する方法・1

 一見、技術的なレベルでは自分と変わらないように見えるのに、なぜか試合になると断然強いという人がいる。その秘密を理解するためには、まず相手を観察することから始めなければならない。なぜ「観察」すると試合に強くなれるのか、そして相手のどこを観察すれば効果的な戦略を立られるのか、試合に強くなるための観察力の向上法を徹底的に解説する。

2009年9月21日月曜日

新・トーナメントで勝つために・20

あれもこれもと欲張るより、自信のあるプレーをまずひとつ持つこと

 どんなレベルでも、試合で勝つためにもうひとつ大事なのは、「絶対自信のあるプレー」を身につけることだ。どのプレーも平均的に上手な選手より、得意なプレーを磨いた選手の方が試合には強い。練習ではできても試合になるとできないプレーでは、自信があるプレーとは言えない。試合の苦しい場面で頼るプレーこそが、自信のあるプレーだ。レベルが上がってくれば、当然それだけでは勝てなくなるので、そこまで達したら次のプレーを考えればよい。繰り返すが、大事なのはプレーの平均値を上げるのではなく、最高値を上げることだ。

2009年9月20日日曜日

新・トーナメントで勝つために・19

強くなるためには、自分より強い選手とペアを組むこと

 最も手っ取り早く強くなる方法は、自分よりも確実に強い選手と組んで試合に出ることだ。今まで自分が2回戦止まりだとしたら、強い選手と組むことで3回戦・4回戦を経験することができる。ワンステップ上がったところの試合は、きっと今まで知っている試合とは違うはずだ。それが分かれば自分に何が足りないかも分かり、普段の練習でもはっきりとした目標を持てるようになる。

2009年9月19日土曜日

新・トーナメントで勝つために・18

強くなるためには、自分より強い選手とペアを組むこと

 どんなスポーツでも同じだが、強くなるためのコツは、常に自分より上のレベルの選手と戦うことである。強い相手と戦って初めて、上のレベルのスピードやコースが分かってくる。「エッ、こんなところに打ってくるの?」という経験を積めば積むほど、試合運びは上達するものだ。俗に言う「目が慣れる」「場慣れする」というのも、これと同じことである。

2009年9月18日金曜日

新・トーナメントで勝つために・17

強くなるためには、強い相手と数多く試合すること

 どんなスポーツでも同じだが、強くなるためのコツは、常に自分より上のレベルの選手と戦うことである。強い相手と戦って初めて、上のレベルのスピードやコースが分かってくる。「エッ、こんなところに打ってくるの?」という経験を積めば積むほど、試合運びは上達するものだ。俗に言う「目が慣れる」「場慣れする」というのも、これと同じことである。

2009年9月17日木曜日

新・トーナメントで勝つために・16

チームワークを良くするためには、誰が取るのかの確認をしっかりすること

 一般的なセオリーとは別に、そのペア独特のセオリーがあるはずだ。前衛のスマッシュが苦手なペアであれば、しっかりとネットに詰めたポジションを取って、ロビングは無理をせず後衛に任せる。その代わり打ち合いの展開になれば、積極的に狙っていく。ペアのいいところを引き出すためには、こうした2人だけの決めごとも大切である。

2009年9月16日水曜日

新・トーナメントで勝つために・15

ボレーが決まらないときには、手より足を前へ動かすこと

 試合になると、やけにネットから離れて立っている前衛を見かける。これはそれだけで「僕はスマッシュを追うのが苦手です」と教えているようなもの。もちろんポジションがネットから遠いので、ボレーも決まらない。ボレーが決まらないとき、多くの場合は、ネットから遠いのに足を前へ動かさないからだ。いかにネットに近いところでボレーできるかが、ボレー成功の鍵。まず足を前へ動かし、それから手を動かすようにする。ラケットの動きだけでボールをコントロールしようとするのは禁物。

2009年9月15日火曜日

新・トーナメントで勝つために・14

スマッシュが決まらないときには、2本打って決まらなかったらもう決まらないと思うこと

 スマッシュを2本打って決まらなかったら、3本目はミスが多くなる。2本打って決まらないと3本目はかなり力むし、相手のロブもだんだん良くなってくる。そのようなときには3本目はハイボレーにしてリズムを変えてみるとか、センターに上がって後衛でも打てそうなときには「頼む」と声をかけポジションを外してしまうのも良い。これはスマッシュに限らず、チャンスボールを決めようとする状況では同じことが言える。

2009年9月14日月曜日

新・トーナメントで勝つために・13

大事なポイントでは、今までと違ったボールを打つこと

 たとえば2オールの2-2で、今まで打っていなかったストレートに思い切りレシーブを打てる選手は、試合で強い選手である。こうした大事な場面では「今まで成功してきたことをやろう」と考える人と、「今までと違ったことをやろう」と考える人の2通りあるが、後者の方が強い。もちろん性格的なこともあるが、ここ1本というとき今までと違った方向に打つには、相当な技術も必要。大事な場面でのスペシャルショットも、普段から練習しておくべきだ。

2009年9月13日日曜日

新・トーナメントで勝つために・12

試合が競ったときには、次の1本のことだけを考えてプレーすること

 試合が競ってくると、いろんなことを考えがちだ。精神的には「勝ちたい、負けたくない」と思うほど力んでくるし、また「相手の苦手なところを攻めよう」として無理なプレーに走ってしまうこともある。そんな競った状況で楽にプレーする秘訣は、「次の1本」のことだけを考えることだ。プレッシャーがかかるような状況では特に、あれこれ考えず、たとえば「レシーブはセンターを狙う」と決めたら、それだけを頭に置いてプレーするとよい。

2009年9月12日土曜日

新・トーナメントで勝つために・11

格下の相手に取りこぼさないためには、自分たちのミスを減らすこと

 自分たちよりレベルが下の相手と当たったときには、いろんな勝ち方があるが、最も取りこぼしが少ないのは、「自分たちのミスを減らす」勝ち方だ。レベルに差があるときにはすべての局面で平均値が上なのだから、無理をしないで1本余計につないでいけば、局面での差はさらに大きくなる。無理すれば1本で決まるところでも、もう1本つないで確実に決めるようにした方が、取りこぼしは少ない。

2009年9月11日金曜日

新・トーナメントで勝つために・10

レベルが近ければ、相手の得意球を狙うこと

 少しレベルが上の話になるが、一進一退の攻防となったら、相手の弱いところだけを攻めるのではなく、相手の得意なところで勝負するのもひとつの作戦だ。相手が得意なプレーや作戦を止めることが出来れば、一気に流れが来るものである。相手とのレベル差がある場合には違う戦い方があるが、レベルが近いときには「ここ一発」という勝負の場所が必ずある。それを自分たちのものにするのが、試合に勝つひとつのコツと言える。そのためにも、最初の2ゲームの戦い方は重要だ。

2009年9月10日木曜日

新・トーナメントで勝つために・9

レベルが近ければ、得意なプレーを徹底すること

 強い相手と当たった場合にも言えるが、レベルが近い相手と当たったときにも、自分たちの得意なプレーを徹底した方が、勝つ確率が高い。余裕があるときなら「様子を見て」という戦い方もできるが、相手が実力者の場合、様子を見ている時間はない。最初の1ポイント目から「これが僕の球だ」と打っていければ、もう8割は勝ち試合。これは初めて対戦する相手の時にも使える。

2009年9月9日水曜日

新・トーナメントで勝つために・8

もっと強い相手と当たったときは、普段通り自分のプレーをすること

 自分たちより明らかに強い相手と当たったとき、変に意識して自滅する選手も多い。「どうせ負ける」のなら、普段通り自分たちのプレーをやってみる方が、その後につながる。強い相手とやった方が精神的に楽だし、ラリーもいつもより続くので自分がうまくなったような気がするものだ。大事なのは、「相手が強いから」と意識せず、自分たちのプレーを崩さないこと。それでどこまで通用するか体感しよう。

2009年9月8日火曜日

新・トーナメントで勝つために・7

強い相手と当たったときには、より攻撃的なプレーを目指すこと

 ソフトテニスの試合は短いので、攻撃的に戦った方が有利である。一般的に、試合は強い相手のペースで進む。これは自分たちのプレーが徹底しやすいからである。そしていったん相手のペースにはまると、なかなか修正できない。「負けてもともと」と開き直って、自分たちのもっとも得意とするプレーでぶつかっていった方が、むしろいい結果がでるものだ。

2009年9月7日月曜日

新・トーナメントで勝つために・6

強い相手と当たったときは、トスに勝ったらレシーブを選択すること

 自分より強い相手に対して、いきなり4ゲーム連取することは考えにくい。いくら善戦しても、取ったり取られたりの試合になってくる。強い選手はたいていサーブも得意なので、リードを許した状況でサーブを打たせると、思い切ってエースを狙われたりして不利である。調子に乗る前に相手のサービスゲームを終わらせた方が、自分のペースで試合を組み立てやすい。

2009年9月6日日曜日

新・トーナメントで勝つために・5

大きく崩れないためには、お互いの調子を冷静に見る目を持つこと

 どんな試合でも「流れ」というものがある。この「流れ」をつかめるかどうかで、試合が決まってしまうことも多い。ペアの2人とも調子がいいというときは少なく、たいてい、どちらかがいいときはもう1人は悪いものだ。このような調子のアップ&ダウンを、冷静に見極める目を持つことが出来れば、一方的に崩れるということは少ない。相手に「流れ」が行っているときは、それまでの展開を捨てて、例えばずっとロビングを上げるなど、全く違うプレーをすることも、時には大切。

2009年9月5日土曜日

新・トーナメントで勝つために・4

序盤で大切なのは、相手の決めたコースを覚えておくこと

 序盤に相手のチャンスボールでポイントを失ったとき、相手がどのように攻めてきたかを覚えておくことが大事だ。たとえばポーチで決められたとき、スマッシュで決められたとき、相手はチャンスボールなら自分が得意なコースへ決めてくるはず。この「得意」としているコースを覚えておけば、中盤や終盤でそのコースだけをカバーし、相手に苦手な方へ打たせてミスさせたり、場合によっては後で述べるように「得意なコースを止める」ことも可能になる。

2009年9月4日金曜日

新・トーナメントで勝つために・3

どんな相手と当たっても、最初の2ゲームを必死になること

 高校の大会はほとんど7ゲームマッチ。瞬発力の勝負である。そこで大事なのが最初の2ゲーム。最初の2ゲームで1-1に、そして2-2に持っていけば、もう相手とのレベルの差なんて関係なくなる。だからとにかく最初の2ゲームを頑張ることが大切。また、負けたとしても、1-1から1-3になった場合と、0-2から1-3になった場合では、相手の本気度が違う。当然、相手を本気にさせた1-1からの敗戦の方が、後につながるはずだ。

2009年9月3日木曜日

新・トーナメントで勝つために・2

ドローを見たときに、名前負けしないこと

 勝てるだけの実力はあるはずなのに、「名前負け」してしまう選手がよくいる。相手がシードだとか相手の実績とかは、試合前は気にしないことが一番。「どうせトーナメントなんて一発勝負、やってみなければ分からない」と思えば、有名選手相手でも勝つチャンスが生まれる。

2009年9月2日水曜日

新・トーナメントで勝つために・1

 技術を向上させることも重要な要素だが、試合で勝つためには戦術・戦略・使えるテクニック等も重要になってくる。ここであげるのはそのための「キーワード」集である。試合の時に思い出してほしい。

2009年9月1日火曜日

新・フットワークのトレーニング・24

補足

 ここまでで、ひととおりのフットワーク・ドリルは終了である。最後に補足として、各ダッシュでのスタートの仕方のバリエーションに触れておこう。座った状態や、うつ伏せに寝た状態、仰向けに寝た状態など、いろいろな姿勢からスタートしてみるのも、なかなか効果的な方法である。身体を起こす際に、腕や腹筋、背筋なども使うことになるため、フットワークのドリルに、付加価値的な要素も加わる。それぞれのドリルの効果を高めるために、試してみると良い。